CCNAの合格点は? 試験改定後の傾向や勉強方法を解説
2022.04.27
データベーススペシャリストは、日本で実施されているIT系国家資格の中で最も専門性の高い高度情報技術者試験に分類される資格試験で、多くの実務経験がある人でも合格することが難しいような難関資格です。
今回は、データベーススペシャリスト試験について紹介するとともに、データベース技術を活かしたIT業界の技術職や、合わせて習得すると相性のよい技術分野など、就職活動などにも役立つ実用的な情報を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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データベーススペシャリストとは、ソフトウェアシステムで扱う膨大なデータを効率よく管理するためにデータベースシステムを設計構築して、運用においてもリスクやセキュリティを考慮した最善のサポートをする技術職です。
近年の社会は情報化社会とも呼ばれるように、私たちの日常生活でも多くのソフトウェアやサービスが使われるようになっており、データの取り扱いに対する重要度は、日本だけでなく世界的に高まっています。
職種としてデータベーススペシャリストという名前が用いられることもありますが、明確な定義のある職種ではなく、一般的には「データベースに対する専門的な知識を有している人」を指して、採用の募集文などで使われます。
IT業界のエンジニア職の年収は、大手求人サイトなどの統計では平均400〜500万円程度で、日本国内の平均年収より少し高い程度の水準となっていますが、高度な技術力を持ったデータベース技術者の中には、平均年収が1000万円を超える人がいるような職種です。
IT業界は実力を重視する傾向が強いので、データベースに関連した技術者に限らず、スキルの高い人ほど高額な年収であることが多いです。新卒や未経験での転職直後などは、データベース関連の技術職であってもそれほど高額でない場合がありますが、焦らずしっかりと実力を付けながら、着実に実績と経験を伸ばしていくことで、収入を伸ばしていきやすい職種だといえます。
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データベーススペシャリスト(試験)は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施しているIT系の国家資格の一つで、データベースに関する専門的な技術力が証明できる資格です。一般的には、データベーススペシャリストと単純に記載した場合は、データベースに関する職種ではなく、こちらの国家資格試験のことを指します。
データベーススペシャリストは、IPAが実施しているIT系国家資格の中で最も専門性の高い「高度情報技術者試験」に分類されます。データベース分野における最高峰の資格試験であるため合格することは簡単ではない分、IT業界内での認知度や信頼度が非常に高い資格です。
データベーススペシャリストの資格試験について、以下で基本的なことを紹介します。
試験日 | 秋期:10月第3日曜日 |
---|---|
受験料 | 7,500円 |
合格すると以下の試験に免除の特典がつく 中小企業診断士の1次試験科目の一部 弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工V 技術士試験の第一次試験の専門科目「情報工学部門」 ITコーディネータ試験の一部 専門スキル特別認定試験を受験可能 |
データベーススペシャリストはIT系国家資格の中でも特に難易度が高い資格の一つで、合格率は15%ほどの試験です。近年少しずつですが合格率が高くなっている傾向にあります。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
平成29年度春期 | 11,775 | 1,709 | 14.5% |
平成30年度春期 | 11,116 | 1,546 | 13.9% |
平成31年度春期 | 11,066 | 1,591 | 14.4% |
令和2年度10月 | 6,536 | 1,031 | 15.8% |
令和3年度秋期 | 7,409 | 1,268 | 17.1% |
試験範囲はIT産業の全般的なことや技術関連についての広い知識を問う午前の試験と、データベースに関連した専門的な知識が問われる午後の試験に分かれています。特に午後の試験はデータベースを扱ったさまざまなシステムについての充分な実務経験がなければ回答が難しいような難易度になっています。
各試験の過去問に目を通して知識を補ったり、限られた時間で問題を解く練習をするなどの試験対策をしっかりとおこなってから挑戦するのが良いでしょう。
データベーススペシャリストという難関資格に合格するために必要な時間は、勉強方法にもよりますが、一般的には実務経験者でも200時間以上は必要になります。とはいえ何を勉強する場合でも同じですが、勉強時間ではなく勉強内容が重要です。200時間を目安として、最終的には自分の決めた勉強方法でスケジュールを組み立てましょう。
また、データベーススペシャリスト試験の出題範囲は広いので、どのような方法を選んだ場合でも、ある程度長期に渡って勉強していく必要があります。腰を据えて長く続けていく前提で計画を立てたり、モチベーションを維持するために息抜きや気分転換などを盛り込むなどの工夫をしてスケジュールを立てるのも一つの方法です。
令和4年のデータベーススペシャリスト試験は10月9日(日)におこなわれます。実際に受験を検討されている人は、念のためIPAの試験案内ページも確認しておきましょう。
受付は令和4年7月8日(金)~ 7月28日(木)18時まで、そしてインターネットのみでの受付となっていることには注意しましょう。特別な事情(身体障害があってインターネットが利用不可能など)がある場合のみ、従来の願書を郵送しての申し込みができます。
IPAの実施しているIT系国家資格はどれも春と秋の2回に分けて試験がおこなわれていますが、データベーススペシャリスト試験は年1回、現在は秋期に試験が実施されています。年に一回しかおこなわれない試験なので、忘れずに申し込みをし、万全な準備のもと試験に臨みましょう。
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データベーススペシャリスト試験は、ほかのIT系国家資格と同じように、午前と午後に分けて複数の試験がおこなわれます。ここではデータベーススペシャリスト試験の基本的な情報を紹介しているので、特に受験を検討している方は、しっかりと確認しておきましょう。
試験区分は、以下のように4つにわかれており、午前は選択問題で、午後は記述問題となっています。それぞれの試験区分は、回答形式だけでなく出題される内容も異なるので、それぞれに対してしっかりと対策していきましょう。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
---|---|---|---|---|
試験時間 | 9:30~10:20 (50分) |
10:50~11:30 (40分) |
12:30~14:00 (90分) |
14:30~16:30 (120分) |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 (四肢択一) |
記述式 | 記述式 |
出題数 解答数 |
出題数:30問 解答数:30問 |
出題数:25問 解答数:25問 |
出題数:3問 解答数:2問 |
出題数:2問 解答数:1問 |
午前Ⅰの試験では、データベースに関してではなく、経営や監査のようなIT企業の運営に関する分野や情報処理に関連した法律など、IT産業全般についての問題が出題されます。近年は応用情報技術者試験と同じ問題が出題されるようになってきました。それもあり応用情報技術者試験に合格してからの2年間は、事前に申請することで午前Iの試験は免除可能です。
100点満点中60点以上が合格とされ、この午前Ⅰの試験に不合格となると、以降の試験についてはそもそも採点すらされず不合格となってしまいます。
試験時間は50分で、選択問題はなく出題される問題30問すべてを回答する形式となっています。つまり1問あたりにかけられる時間は1.6分(100秒)ほどです。
午前IIの試験は午前Iの試験と同じように選択形式の試験ですが、データベース分野からの技術的な問題が出題されます。データベースに関連した基本的な問題も多く出題されますが、SQLや分散データベースのような専門的な分野も含まれ、実装技術に関しての知識と理解度が問われます。
午前Ⅰ同様100点満点中60点以上が合格であり、この試験に不合格となると以降の試験については採点されず不合格となります。
試験時間は40分で選択問題はなく、出題される25問すべてに回答します。問題数は異なりますが、1問あたりにかけられる時間は午前I試験と同じで1.6分(100秒)です。
データベーススペシャリスト試験の午後の試験は、午前の試験とは違って記述式での出題となります。午後Iの試験は、データベースの設計や保守について広い範囲から出題されます。午前の試験と違って、午後の試験は問題文も長くなり、問われている問題文の内容を短時間で理解する能力も必要です。
試験時間は90分で、出題される3問から2問を選んで回答します。100点満点中60点以上が合格となり、不合格の場合は午後IIの試験は採点されず不合格となります。
回答する問題数は2問と少ないように見えますが、実際の問題では一つの問題の中で設問が複数設けられており、その設問がさらに細かく分かれているため、実際はいくつもの設問への回答が必要となっています。
データベーススペシャリスト試験の午後IIの問題は、業務の中での経験や実務能力が問われます。こちらも100点満点中60点以上で合格です。
実際のシステムにおけるデータベースの構成が示され、その後で問われるさまざまな設問に回答する形式となっています。提示されたシステム構成を短時間で理解して適切に回答する必要があるため、十分な経験がある人でも試験時間の配分について注意しましょう。
示される構成はさまざまですが、初めて試験問題を見ると、長々と紙面一杯に提示された複雑な構成に驚くことがあるかもしれません。10ページを超えて延々と構成が示されることも多いため、先に設問で問われる内容を確認して読解を始めるなどの工夫も必要になるでしょう。
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データベーススペシャリストは専門的な分野の国家資格で難易度も高い試験です。
データベースに関する専門性を持った技術者向けの試験で、企画や要件定義から運用保守まで全般的に技術支援ができる人で、データベースを使ったシステムをゼロから立ち上げた実務経験があるような人が受験対象といえるでしょう。
難易度の高い試験ではありますが、ここではどのような人が受験するのに向いているのか紹介しているので、受験を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
データベースに関する試験なので、業務でデータベースを扱っている人は知識や経験を活かしやすいといえます。特に汎用系や基幹系と呼ばれる大規模で複雑なシステムの設計から稼働後の運用保守までかかわった経験があれば、午後の試験で提示される構成の理解や設問の回答に役立てることができるでしょう。
データベーススペシャリスト試験では、単純にデータベースを扱う技術だけではなく効率性・信頼性・安全性も問われます。そのため、ソフトウェア制作の現場で高度な処理時間要件をデータベースの工夫で満たしたり、厳しいセキュリティテストを乗り越えるといった苦労した実務経験がある人は知識を活かしやすく、データベーススペシャリスト試験を受験するのに向いているといえるでしょう。
データベースの操作はSQLという専用の言語を使う必要があるため、データベーススペシャリスト試験にもSQLに関連した問題が出題されます。データベースを使う側のプログラムの制作作業の過程などで膨大な量のデータを扱う複雑なSQLを作った経験がある人や、効率的で高速なSQLを作るのが得意な人などは、データベーススペシャリスト試験を受験するのに向いています。
試験では、SQLだけでなくデータベースの設計や構築などについても知識が問われます。SQLの勉強をする際にデータベースサーバーの構築も経験することがありますが、自分の知識を過信することなく、過去問などに目を通して試験のレベルを確認しておきましょう。
関連記事:SQLとは|基本構文からエンジニア就活まで徹底解説!
IT業界は今後の社会で重要なソフトウェアに関連した業界で将来性が高く、その中でもデータベース技術者はスキル次第で高い年収を目指していけるおすすめの職種です。
データベース技術者の募集は多いですが、IT業界内でデータベースを扱うことができる技術者も多いため、採用試験などではほかの候補者との差をアピールすることが大事になります。
応募者の技術力はエンジニアとの面接などで個別に測られるのが一般的ですが、データベーススペシャリストなどのIT資格を取得しておけば、書類選考時点でほかの候補者との差を明確に付けられるため、とても有利になります。転職やキャリアアップなどでデータベースに関する技術職を考えている人は、データベーススペシャリストの受験を検討するとよいでしょう。
IPAが発表している「情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の一部(午前Ⅰ試験)免除制度」によると、応用情報技術者試験に合格してから2年間は、申請手続きをすることで、データベーススペシャリスト試験の午前Iの試験が免除されます。
IT企業への就職やキャリアアップではIT系資格は効果が高く、特にIT業界で広く使われる重要技術が多く含まれる基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、取得する人も多い資格です。この応用情報技術者試験に合格した人が、さらに高度で専門的な資格へチャレンジする際にメリットがある制度となっているので、ぜひ活用していきましょう。
応用情報技術者試験へ合格するだけでもエンジニアとして広く実用的な技術力がある事を証明することができますが、データベーススペシャリストを取得することで、更に得意な分野も明確となり、就職活動などでは強力な効果が期待できます。
データベースを使わないアプリケーションは存在しないため、アプリケーション開発のエンジニアはスキルアップのためにデータベーススペシャリストの取得を目指すのに向いています。また、大容量のデータ収集から分析をおこなうAIエンジニアも、業務ではデータベースを使うのでデータベーススペシャリストの受験に向いています。
そのほか、過去2年以内に高度情報処理技術者試験に合格した人、または高度情報処理技術者試験の午前Ⅰに合格した人は、午前Ⅰの試験が免除されるのでデータベースのスキルアップを考えている人はぜひこのタイミングで受験したいところです。
データベーススペシャリストの試験に合格するためには、データベースに関連するIT業界の実務経験を積んだり、書籍やネットの情報などを活用しながら試験問題を時間内に解く練習をするなど、さまざまな勉強方法の中から自分にあった方法を選んで、じっくり取り組んで努力していく必要があります。
ここでは、試験勉強の代表的な方法の紹介と合わせて、それぞれの方法での効果や特徴なども解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
試験に合格するためには、過去問を解いたり練習問題を解くなどで、問題形式で問われたデータベース技術について回答をするという訓練は、試験対策として非常に効果が高いので、実務経験が豊富な人にもおすすめの勉強方法です。
午前の試験ではテンポよく回答していくことを重視して、知識を確認しながらどんどん繰り返し解いて覚えていくのが良いでしょう。午後の試験では、過去問や参考書などに掲載されている問題文の構成を読み解き、設問に回答するといった形式に慣れることを意識しましょう。
ここではおすすめの参考書を紹介しているので、特に勉強の材料に迷う方はぜひ参考にしてみてください。
「情報処理教科書 データベーススペシャリスト」はデータベーススペシャリストの参考書の決定版と言われることもあり、試験全体についての詳細な対策が含まれているだけでなく、試験問題の回答していく方法論についてもかなり詳しく解説されています。どのように試験勉強を進めていくべきなのかも含めて丁寧に学び進めていくことができます。
高度情報技術者試験の参考書でもあり、ある程度技術的な内容について基本的なことが理解できている前提の部分も多いため、データベースの実務経験がない人や、勉強し始めの人には少し難しいところがあるかもしれません。しかしその分網羅されて詳しく解説されているので、試験直前まで役に立つ一冊になるでしょう。
特に、得点が安定しにくい午後の試験について自信を付けたい人や、一冊の参考書でじっくり勉強を進めたいという人におすすめの書籍です。
データベーススペシャリストの試験では、過去問を確認して解く練習をする勉強がとても効果的です。過去問を解くことは、午前の試験の暗記だけでなく、午後の試験の形式に慣れたり、問題の出題傾向を把握することにも役立ちます。
そして過去問について詳細に網羅して解説をしているのがこの「2022 データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集」です。徹底的に過去問を解いて知識を確実なものとしつつ、試験形式にも慣れることができるので、受験を予定している人は手に取って間違いのない一冊です。
ちなみに過去問はIPAのサイトでも公開されていますが、試験勉強を考慮した公開ではなく、試験対策に利用するのには使いづらい部分があります。出題内容や形式の確認程度になってしまうので、きちんと対策をしたい人はサイトではなく参考書で学ぶことをおすすめします。
「(全文PDF・単語帳アプリ付)徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書」は、データベース技術についての解説と並行して試験対策としての問題が掲載されている丁寧な構成で、試験に合格するためだけでなく、しっかりとした知識を身につけながら勉強が進められる参考書になっています。
この書籍の最大の特徴は、書籍と同じ内容をPDF形式でダウンロードできる点です。PDF形式でダウンロードしてスマートフォンなどに入れておけば、勉強時間がなかなかとれない人でも、電車などでの移動中の隙間時間に少しずつ勉強を進めることもできます。
データベーススペシャリストを受験するまで少し期間的に余裕のある人や、じっくりと取り組みたい人には特におすすめの書籍です。
IT系資格の取得を目指す勉強方法には、独学以外にもITスクールや通信講座などを利用する方法があります。
書籍やネットの情報などで勉強を進めるのと違って、スクールや通信講座などでは勉強する内容がカリキュラムとして決まっていることも多いため、勉強内容に悩むことが少なくなります。勉強する期間が利用するサービスによって決まることも多いので、独学で勉強する場合と比較してスケジュールを立てる手間も軽減され、時間効率にも優れています。
特にIT関係の資格に初めて挑戦する人や、これからIT企業を目指して勉強を進めている人に効果が高い方法ですが、実務経験が充分ある人にも、試験に合格するための最短の方法としておすすめです。
データベーススペシャリストは非常に難易度が高い資格試験なので、油断することなくしっかりと試験対策して臨みましょう。特に試験に出題される分野は広く、試験形式も午前と午後で大きく異なっているため、効率のよい勉強方法が欠かせません。
ここでは、試験に向けてのおすすめの勉強のちょっとしたコツを紹介しています。少しでも合格率を高めるために、ぜひ勉強の進め方などの参考にしてください。
データベーススペシャリストの試験では、一般的なIT産業に関する問題のほかにデータベース業務で必要になる技術分野から全般的に出題されますが、幸いなことに午前の試験はすべて選択形式での出題となっています。選択形式の問題では、問題文が短く定型的な形式であることが多いため、午後の試験のように問題文の読解力の練習に時間をかける必要はありません。
午前の試験対策としては、過去問を繰り返し解いて、知識を確認しながら確実なものにしていく方法が有効です。その際は、それぞれの問題を100秒以内で素早く回答することを意識すると良いでしょう。
午前Iは応用情報技術者試験の問題から出題されます。時間的な余力がある人は、データベーススペシャリストの過去問だけではなく、応用情報技術者試験の過去問も解いて対策すると効果的です。
午後の試験問題は、専門的な構成や状況を提示され、その条件下での設問に対して回答する形式です。試験問題の構成や状況についての説明文は非常に長く、午後IIの試験では10ページ近くにわたって前提条件が提示されることも珍しくありません。
仕様書のように長い条件提示をできるだけ短い時間で理解して全体像を把握するために、過去問を解くだけではなく、普段の業務の中で短時間で資料を読み解く訓練をするなどの試験対策を心掛けると良いでしょう。
また、試験時間内に設問に適切に回答しなければならないため、設問から確認するといった解き方についての工夫も、自分なりに十分に練習して対策しておきましょう。
午後の試験では複雑で大規模なデータベースを扱うことになります。そのため、まずは問題で与えられたER図やデータの構造を確実に理解して、データベースの各テーブルの関連性がどのようになっているのかを正しく理解するのがポイントです。
そして、データを取り扱うためのSQL文の問題は必ず出ます。どのようなSQL文でデータの抽出から更新までできるのか、自由にSQL文を使いこなせるようになっておきましょう。
午後は実務を想定したシナリオ問題であるため、長文の読解力が必要になります。問題文で提示されるシステムの要件がたくさんありますが、まずは落ち着いて顧客の現状のシステムがどうなっているのかを理解したうえで、要件を実現するためにどんなテーブル構造になるかを理解することからはじめましょう。
データベーススペシャリスト試験については、過去問などを使いながら知識を確実なものにするといった基本的な対策を通して、データベースに関する広く専門的な知識を付けることが大事ですが、試験で問われる形式で知識やスキルを発揮できなければ合格できません。
ここでは、技術的な知識や経験を伸ばす以外に、合格率を高めるために重要なポイントを紹介しています。少しでも合格する可能性を高めるために、ぜひ参考にしてみてください。
データベーススペシャリストの各試験は、午前午後に分けて4種類の試験がおこなわれ、それぞれで基準点(合格点)を超えなければ、以降の試験についての採点すらされないという、非常に厳しい制度になっています。合格するためには、各試験についてそれぞれ充分な試験対策が必要です。
しかしそのうち午前I試験は条件を満たすことで免除されます。午前Iの試験は最初の関門であり、その試験を免除されると、その分そのほかの試験の勉強に割ける時間が増えますよね。合格率を大きく高めることにつながります。
ちなみに、公式には以下のいずれかの条件を満たす場合とされています。
【情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の一部免除対象になる条件(いずれか一つでも満たせばOK)】
①応用情報技術者試験(AP)に合格
②情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
③情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとる
この中でも、先ほどもお伝えしたように応用情報技術者試験は、取得することでIT業界での高い評価にもつながる資格なので、未取得の場合はぜひ事前の取得を検討したい資格です。利用できる制度は積極的に使っていきましょう。
試験に出題されるデータベース分野の知識を確認するためにデータベーススペシャリスト試験の過去問を解く人は多いと思いますが、実際の試験ではそれらの問題について答えるだけでなく決められた時間内で回答する必要もあります。実際に、回答がわかっていても時間が足りずに答えられなかったという人もいるほどです。データベース業務について十分な実務経験があり合格する自信がある人も、油断せずに試験の時間感覚を身に付けましょう。
午前の試験については、選択形式の出題ですが問題数が多いので、素早く回答していくことが大事です。1問あたり最長100秒を意識して、何度も過去問などで時間感覚を養いましょう。
午後の試験は、回答時間だけでなく問題の読解時間も大きな課題の一つです。10ページを超える長い問題文と、その後ろに控える設問をすべて読んでから回答する問題を選んでいると、時間が足りなくなる恐れがあります。設問から先に確認する工夫をしたり、問題文の概要を短時間で把握するなど、時間配分についての試験対策を十分におこないましょう。
データベーススペシャリストは国家資格で、合格するためには専門的な技術に関する知識とともに、時間内に問題を解くといった試験対策が欠かせません。しかし技術力を活かした仕事をするためには、それに加えて資格試験に出題される技術に関する知識とは異なるさまざまな知識も必要です。
ここでは、データベース技術を使った仕事をする場合に、押さえておきたい代表的な知識を紹介しています。試験勉強する過程で役立つことも含まれているので、これからデータベーススペシャリストの勉強を始めようという方も、ぜひ参考にしてみてください。
データベースソフトウェアは、有償なものから無償なものまでさまざまな種類があり、IT業界では顧客や提供するサービスなどによって使い分けられています。
ここではIT業界で使われる代表的なデータベース製品について紹介するとともに、それぞれの特徴も簡単に解説していきます。使い方を覚えたデータベース製品はIT業界の実際の業務でも使えますが、データベーススペシャリストの試験勉強にも使えるので、自分に合った製品を選んで勉強環境を整備することにも活用してみてください。
Oracleは圧倒的なシェアをもっており、データベースソフトウェアの代名詞のような存在です。Oracle社は、同社のデータベース製品を扱う技術が証明できる認定資格としてOracle Masterを運営しています。
Oracleは、堅牢なデータベースとして信頼性が高く、パフォーマンスが高いデータベースで、特にセキュリティの重要性が高いインターネット時代のソフトウェアサービスに適しており、有償でありながらもIT業界では使われることが多いので、また多くの技術者が使い方を学び続けています。
これからIT業界でデータベース技術を使って活躍をしようと考えている場合は、Oracleは最低限の知識は身につけておきたいデータベース製品の一つです。
MySQLは無料で利用できるデータベースソフトウェアですが、利用の際には条件によってライセンス表記が必要な場合があるので、採用する際には注意しましょう。動作速度に高い信頼があり、IT業界では検索サイトのような応答速度が重要なシステムなどで使われることが多いデータベース製品です。
MySQLは無料で扱うことができるため、データベースの勉強をする場合の出費が抑えられ、覚えた知識はIT業界の実用的な業務でも役立ちます。
MySQLは、Linuxを使ったLAMP(Linux/Apache/MySQL/PHP)と呼ばれるWebサーバーの代表的な構成に含まれているため、MySQLを勉強する場合はあわせてLinuxの勉強を進めると効果的です。
PostgreSQLの最大の特徴はライセンス表記などの制限もなく無料で利用できることです。多機能なうえにさまざまなプラットフォームに対応しているため、IT企業でのソフトウェア開発で使われることも多いデータベースソフトウェアです。
PostgreSQLを使うことで、無料でデータベースについて学ぶことができます。MySQLとの大きな違いは、勉強で作ったソフトウェアを制限なく一般公開できる点です。PostgreSQLを使って勉強するのであれば、データベースを活用したWebサイトなど実用的なものを作っていくことで、勉強の成果として一つのビジネスを立ち上げることもできます。
SQL Serverは、Windowsの開発元として知られるMicrosoft社のデータベース製品で、Windows上で動きます。
Windows上で動くため、Linuxのコマンドを覚えるような余計な勉強をする必要がないので、人員教育コスト費用を抑える効果が期待できますが、WindowsやSQL Server自体は有償ソフトウェアで、導入コストは高くなる傾向にあります。
SQL ServerはWindows限定のデータベース環境ではありますが、運用保守を自社でおこなうような社内システムなどでは根強い人気のある環境です。
データベースを専門にした技術者を目指す場合は、Linuxの採用率が高くなっていることもあってSQL Serverだけに絞って勉強するのはあまりおすすめしませんが、比較しながら広い視野を持つためにも、最低限特徴や利用方法などについては確認しておきましょう。
SQLiteは、サーバー形式で提供されるデータベース製品ではなく、スマートフォンアプリなどに同梱できるコンパクトな形態のデータベースで、管理も簡単なため近年使われる機会が増えています。
データベースサーバーについての勉強には使うことはできませんが、SQLを使いながらデータベースの基本的な構造や処理について学ぶには充分な機能があります。
データベースは従来サーバー上で大きなデータを管理するために使われることが多かった技術ですが、スマートフォンなど小型の電子機器の普及にともない、生活に身近なところで活躍するようになりました。
スマートフォンアプリを開発する企業やエンジニアを目指す人は、大規模なデータベースサーバーのほかに、SQLiteなど小型のデータベースについて勉強しておくと良いでしょう。
データベーススペシャリストの勉強では、データベースのテーブル構造を理解して、SQL 文を使いこなせるようになるのがポイントです。 データベースの勉強であればどのデータベースを選んでも問題はありません。
ただ、勉強をするためにはデータベースを実行するための環境構築が必要になります。そのため、環境構築がシンプルで動作が軽いSQLiteがおすすめです。
またデータベースの業務に従事する人は、もちろんデータベースを押さえておく必要がありますが、アプリケーションの開発においてデータベースを使わないことはまずありません。アプリケーションの開発エンジニアもデータベースを押さえておきましょう。
データベース製品にはさまざまな種類がありますが、データの管理が必要なソフトウェアサービスもまたさまざまで、提供するサービスに合わせていろいろな用途でデータベースが使われています。データベースは、私たちが日常的に使うインターネットサービスなどのほかにも、企業内の業務を支えるシステムなどでも使われます。
ここでは、データベースというシステムが実際にどのように使われているのかを紹介しています。データベース技術を学ぶことで将来的にどのようなソフトウェア制作にかかわっていくことができるのかを知り、学ぶ内容や勉強方法の工夫などに役立ててください。
データベースはさまざまなソフトウェアで使われており、私たちがよく使うAmazonなどのECサイト(インターネットショッピング)や、Youtubeのような動画配信サイトなどでも使われています。個別の商品や動画についての細かな情報の管理のほか、売り上げや再生回数などのような流動的に変化する情報の管理にもデータベースは適しています。
これらのシステムの典型的な特徴の一つに、サイトの運営側と利用側で2つの画面が用意されて、同じデータでもまったく異なる見え方が提供されていることが挙げられます。データに対して2種類の画面が必要なソフトウェアは、請け負うIT企業としては制作物が多くなり、ビジネスの規模も大きくなります。
企業などでの特定業務に特化したソフトウェアは汎用系と分類され、データベースを活用したソフトウェアとしては販売管理システムや基幹システムなどがあります。取り扱う商材の管理とともに、売り上げや仕入れなどの金銭についても扱うシステムで、ソフトウェアとしては複雑で大規模なものが多い分野です。
基幹システムなどでは、多種多様な分析や帳票出力などのために、構造や形式の異なる複数種類のデータを効率よく収拾して計算するための設計構築が非常に重要なので、一般的には経験豊かな技術者が担当することが多いです。
処理や画面によって求められる速度要件が異なることもある一方で、月に一度しか実行しない月次処理などでは、一晩かけて計算や帳票出力がおこなわれるような大規模な処理をする場合もあります。
データベースの中でも、データを効率的に使う仕組みの一つに検索処理があります。私たちが日常的に使うGoogleなどの検索サイトでも、データベースが使われています。
検索サービスでは、高速な検索処理を実現するために、効率的なデータの管理が非常に重要です。一般的には、データの登録は検索エンジンがおこなって、閲覧を一般利用者がおこなう形式で、閲覧側の処理では登録処理以上の速度が求められます。
データを単純に登録して管理するのではなく、どのように使うのかを考えながら設計するといった考え方は、データベース技術者として基本でありながらとても重要です。検索サイトはその分野において最も高度な技術が求められる分野の一つとなっています。
データベースは小規模なものから大規模なものまでさまざまな分野で幅広く使われています。上記以外にもSNS、ブログ、掲示板などや、検索の機能が付いているWebサイトや業務システムでは必ず何かしらのデータベースが使われています。
データベースは一言で言えば、アプリケーションが実行されるときに必要な情報を取得するための箱のようなものです。例えば、ショッピングサイトでマイページにログインをするときに、入力されたユーザーIDやパスワードが正しいかどうか、アプリケーションが一致しているかどうか判定するためにデータベースにアクセスして照合したり、ブラウザのフォームに入力された文字列をもとに検索する場合も、データベースから条件に基づいた情報を取得して、ページに結果が表示されます。
また、プログラムでは変数や配列などの形で、何かの情報を格納したり取得する処理は頻繁におこなわれます。しかし、大量のデータを変数や配列などに格納していると、コード量が増えてしまいプログラムの管理も大変になります。そのため、大量のデータを管理したり取得したりするためにはデータベースが必須になってくるのです。
データベース分野の技術は非常に将来性が高いといえます。そのため、特にこれからIT業界を目指す人や今後の将来に向けてキャリアアップのためなどに技術力が証明できる資格の取得を検討している人には、データベーススペシャリストは非常におすすめの資格です。
ここでは、データベーススペシャリストの将来性が高い代表的な理由を3つ紹介しています。コンピューターとともに発展してきたデータベースは、今後の社会的な動きの中で近年ますます注目されています。
近年のソフトウェア業界においては、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの最新技術が注目を集めています。現在主流となっている多くの技術ではインターネットを使って大量のデータを扱うことも多く、IoTなどの最新技術はインターネットをさらに生活に身近な製品に役立てようとしています。
人々が生活で使うものや施設などの小型計測器などから、ビッグデータとも呼ばれる細かな大量のデータを収集・分析することで、さまざまな社会や産業に役立てようという動きが活発で、それらのシステムにはデータベースのような情報管理ソフトウェアが欠かせません。最新技術の活用はまだまだ研究段階なので、ITインフラやデータベースはとても将来性が高い分野といえるのです。
不足しているIT技術者の問題について対策を続ける行政は、IT技術者の「スキルの見える化」にも力を入れており、ますます情報処理技術者試験の重要性は高まっています。以下の図は、IPAがまとめている人材不足解決の方向性の一部で、企業や個人への施策と合わせて、社会的には資格試験などによるスキルの見える化を進めることがまとめられています。
出典:IPA DX白書2021 – 第3部 デジタル時代の人材
IT技術者のスキルは判断が難しいので、一般的には過去の実務経験が大きな判断要素となっており、それ以上は技術的な会話の中で推し量ることが多くなります。
IT業界では初対面の技術者を紹介する場合などに、職務経歴書やスキル表のような資料を提示することもあり、その中に所持している資格を記載する場合があります。データベーススペシャリストのような高度な技術資格を持っている場合は、名刺にその旨を記載しておけば相手へのインパクトや認知度を高める効果も期待できて、将来性を高めることに役立てることができます。
近年急速に普及が進んだスマートフォンとインターネットによって、ソフトウェアサービスは劇的な変化を続けています。インターネット経由で金銭や個人情報を扱う機会も増えているので、ネットワークやデータベースのようなITインフラ分野には、セキュリティなどを含めて高度な技術力が求められるようになりました。
IT(情報技術)と呼ばれていた分野は、ICT(情報通信技術)と呼ばれるようになり、民間事業だけでなく公共事業も含めて、今後の社会でのITインフラ分野の重要度は非常に高くなっています。
データベース分野は、ネットワークやサーバーなどと併せてITインフラを支える技術であるため、非常に将来性の高い分野のひとつです。
スマートフォンやインターネットの普及の影響もあり、データベースを使ったソフトウェア制作の仕事は多いので、データベースに関する技術力があると、IT業界のエンジニア職への就職や転職などで非常に有利です。
特にIT系国家資格の最高峰でもあるデータベーススペシャリスト試験に合格すると、その高い技術力とともに、勉強して難関資格を取得した実行力や向上心は採用試験などで必ず評価されます。
データベースに関連した仕事はいろいろありますが、ここではデータベース技術を日常的に使うエンジニア職を紹介しているので、職種選びなどの参考にしてみてください。
プログラマーは、プログラミング言語を使ってソフトウェアを実際に作る技術職で、IT業界のエンジニアとして広く知られています。ソフトウェアを作るためのプログラミング作業量は多いので、複数人のプログラマーがチームに編成されるのが一般的です。
チーム内のプログラマーはそれぞれが違う部分を作り、順次まとめていくことで一つの大きなソフトウェアにしていきます。担当によってデータベースを扱わないこともありますが、販売管理やECサイトのようなデータ管理が重要なシステムの場合は、チーム内のほとんどがデータベースに関係したプログラムを作っていきます。
データベースに関する高度な技術は、より効率的で高速なSQLを作成できるなど、プログラマーの業務で活かせる機会が多くあります。
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ITインフラに特化したエンジニアをインフラエンジニアと呼びます。インフラエンジニアは複数の技術職の総称で、データベースに関する技術職も含まれます。インフラエンジニアの中心には、インターネットを中心としたネットワーク技術があり、近年スマートフォンとサーバーをつないだ多種多様なソフトウェアサービスが作られており、非常に注目が集まっている職種です。
インフラエンジニアの業務にはネットワークやサーバーの仕事が多いですが、サーバーではWebサーバーと並んでデータベースサーバーを扱う機会が多いので、データベースの技術が活かせる機会は多くあります。インフラエンジニアのデータベースに関連した業務では、複雑なSQLを組み立てる仕事よりも、より安全で長期間安定して動くデータベースサーバーを構築する仕事であることが多いです。
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IT業界でデータベースを専門に扱う技術職はデータベースエンジニアと呼ばれます。データベーススペシャリストやOracle Masterなど、データベースに関連したIT系資格を持っている人も多い職種です。
データベースエンジニアは、一般的にはデータベースの設計・構築する仕事ですが、サーバーの設計構築に加えて、業務やサービスで使うデータの管理構造を含めて設計することも多くあります。RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)上での効率的なデータ管理方法についての知識が問われることもあり、とてもやりがいが多い仕事です。
データベースエンジニアは、データベースの技術力を最大限に活用できる職種で、将来さらに高度なデータベース技術を学んだり、現場でさまざまな経験が得られるでしょう。
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ネットワークエンジニアは、インターネットを含んだネットワークを専門的に扱う技術者で、データベースを直接扱う機会は少ない職種です。直接データベースを扱うことは少ないですが、データベースエンジニアやサーバーエンジニアとは頻繁に連携する仕事で、お互いの技術分野の知識があると、効率的な技術連携ができます。
特にセキュリティ分野などでは、ネットワークでの制限とデータベースの制限を組み合わせることで、より堅牢なシステムを構築することが頻繁におこなわれるため、ネットワークエンジニアもデータベースの機能や構造などを理解しておくと業務で役に立ちます。
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サーバーエンジニアは、特にサーバーを専門的に扱う技術職で、Webサーバーなどとともにデータベースサーバーについても扱うことがある職種です。一般的には、データベースについてはサーバーの構築までを担当して、利用する側としてSQLを組み立てるような業務は少ない仕事です。
データベースについての高度な技術がある場合は、プロジェクトによってはサーバーエンジニアとデータベースエンジニアを兼任することもあるほど技術的な親和性が高いので、特にサーバー内部にアクセスする人をできるだけ制限したいという場面などでは、両方の知識がある技術者はとても喜ばれます。
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システムエンジニアはシステム全体を設計する技術職ですが、技術的な知識のほかに顧客の業務についての知識が必要で、顧客が求める内容を技術を用いてどのように実現するのかを判断して決定する役目を担います。
データベースを扱うシステムを作る場合は、システムエンジニアにはデータベースについての最低限度の知識が必要です。会議などではデータベースエンジニアに助言をもらうこともできますが、自身で即断できると信頼度は高まり、打ち合わせ期間を短縮することにも役立てることができます。
ITインフラの重要度が高まる近年のIT業界では、システムエンジニアにはデータベースだけに限らずネットワークやサーバーなどITインフラ関係の技術的な知識が求められています。
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ECサイトなどのWebサービスでは多くの情報を扱うため、Webとデータベースは組み合わせて使われる機会が多く、LAMP(Linux/Apache/MySQL/PHP)のような無料でデータベースを含んだWebサービスが提供できる構成は、IT業界で広く使われています。
Webエンジニアの中でも、サーバーに近い仕事を担当するバックエンド(サーバーサイド)エンジニアには、特にデータベースの知識が必要です。Webサーバー上でデータベースを構築する以外にも、商品などの情報を登録したり、サイトに表示するための検索や抽出SQLを作るなど、広くデータベースに関連した仕事をします。
近年はセキュリティ意識が高まっているため、データを守るためにWebサーバーとデータベースサーバーを物理的に分ける構成にしたり、障害対策としてデータベースを分散管理するなど、データベース技術者にはより高度な技術の提供が求められています。
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データベーススペシャリスト試験にも含まれる要件定義や設計といった分野の仕事では、データベース技術だけでなく周辺技術に関する知識も必要になります。試験問題の中でも、他分野の技術に関する内容が含まれることも多いため、データベースに特化して勉強を進めるのではなく、周辺技術についても興味を持って知識を増やしていきましょう。
ここでは、データベースとともに勉強を進めることで、エンジニアへの就職活動やIT業界での日々の業務に役立つ技術分野について紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
データベースサーバーを構築する作業ではプログラミング言語は必要ありませんが、構築したデータベースが正しく動いていることを確認するなどの作業では、プログラミングの知識があると役に立つ場面があります。
特にWebサービスなどではデータベースが使われることが多いため、Webプログラムで使われることが多いJavaやPHPといったプログラミング言語の知識は、データベースエンジニアやWebエンジニアの業務で役に立ちます。
データベース技術を使って仕事をしながら、プログラミング言語についても興味を持って少しずつ勉強していけば、より広い業務を担当できるので、キャリアアップにも役立つでしょう。
OS(オペレーティングシステム)は、データベースと併せて勉強するとよい技術分野の一つです。特にLinuxはソフトウェアサービスの制作で使われることが多いので、Linuxのコマンドなどについて詳しいと、データベース関連の仕事をする中で必ず役に立ちます。
データベースの構築作業では、OSの機能を使って設定ファイルを更新するなどの作業をしますが、運用や保守の作業においても、ログの確認やデータ状態の確認などさまざまな場面でOSのコマンドや機能などを使います。
データ管理はデータベースの役目ではありますが、その土台となっているOSについて知識を深めることで、データベース自体をより効率的で安全に管理することができるでしょう。新しい知識で優れた仕事をするだけでなく、日々の仕事を短縮化することなどにも知識を活かしやすいので、少しずつでも勉強していきましょう。
データベースは、スマートフォンなど小さな環境の中で使うこともありますが、一般的にはインターネット上に公開されたサーバー上で大規模なデータを管理するために使われることが多い技術です。
データの保存や抽出はデータベースの機能ですが、そのデータはインターネットなどの経路を通して使われることが多いため、ネットワークの知識があると役立つ場面が多くあります。
セキュリティ上の理由で特定の利用者に閲覧制限が必要な場面などでも、データだけで解決するのではなく、利用者の通信経路で制限する方法を提案できるなど、広い知識があると顧客に複数の選択肢が提供できるので、強い信頼を獲得できるでしょう。
データベースはサーバー上のサービスとして使われることが多いので、サーバーOSやサーバー機器についての知識があると、データベース技術者の仕事のさまざまな場面で役に立ちます。
サーバーは24時間休むことなく動いて利用者に特定のサービスを提供し続けるため、障害予防の多重化や、障害からの早期復旧などの機能が重視される傾向にあります。データベースサーバーソフトウェアと考え方や対処方法などに共通していることも多いため、両方を学ぶことで、より品質が良く安定したデータベースを設計できるようになります。
片方の知識や経験だけでもエンジニアとして仕事をしていくことはできますが、両方の知識があれば、より高度な提案もできて、顧客からの信頼も高まるでしょう。
セキュリティは現代社会において非常に重要視されている技術分野です。現在は重要な機密データが流出すると重大事件として報道されるような時代なので、多くのIT企業がより安全なソフトウェアの制作に力を入れています。
インターネット上で公開されているソフトウェアは誰もがアクセスできるので、悪意を持った利用者からデータを守るために、データベースを始めとしたITインフラを担当する技術者には高度な知識が必要とされる時代です。
データベースを構築して管理するだけでなく、あらゆるリスクを想定して安全な環境が提供できるように、ITインフラの各分野を含めてセキュリティについて日々情報収集して勉強していけば、今後の社会でさらに活躍できるでしょう。
上記の中でデータベースと一番相性がいいのはプログラミング言語です。プログラミング言語とデータベースは切っても切り離せない関係です。
大量のデータを扱うアプリケーションでは、変数や配列に情報を格納して使うことはせずに、大量のデータを格納できるデータベースにアクセスして必要な情報を取得して処理するのが普通です。
そのため、プログラミング言語を勉強しており、掲示板やブログなど大量のデータ処理を必要とするアプリケーションを作ろうと考えている人はデータベースの勉強が必須になります。
データベースを業務で使うエンジニア職を目指す場合は、データベーススペシャリストの資格を取得していると有利ですが、他のIT系資格も取得しておくと、就職先の企業や職種の選択肢を増やしたり、担当可能な業務範囲の広さをアピールすることに役立ちます。
ここでは、データベーススペシャリストと合わせて取得すると、IT業界で有利になる相性の良い資格を紹介しているので、ぜひ取得を検討してみてください。
データベーススペシャリスト試験を受験することを目標にするのであれば、まずは応用情報技術者試験の取得を目指すのがおすすめです。先ほどもお伝えした通り、応用情報技術者試験に合格すると、データベーススペシャリストを含めて高度情報技術者試験の午前Iの試験免除が受けられます。資格取得に対して無駄もないので、自分の知識を確認しながらステップアップしていくことができます。
応用情報技術者試験には、選択式の午前の試験と記述式の午後の試験がありますが、データベーススペシャリストと試験の形式も類似しており、受験対策の練習にもなるでしょう。
応用情報技術者試験は、資格としても歴史があって認知度も高く、技術力が証明できる高い効果が期待できるため、未取得の場合はぜひ受験を検討してみてください。
関連記事:応用情報技術者試験の攻略ガイド|難易度から勉強方法まで完全網羅
データベースと同じくITインフラに分類される技術のネットワークについて知識があると、データベース技術者として総合的に高い技術力があることをアピールできます。特に近年は実務でインターネットを中心としたネットワークに関する知識が必要な場面も多いので、データベーススペシャリストと併せて資格を取得しておくと、IT業界のさまざまな仕事で役に立ちます。
ネットワークに関する国家資格としてはネットワークスペシャリストがありますが、データベーススペシャリスト同様に高度情報技術者資格に含まれる難関資格です。CISCOの認定資格はベンダー資格ですがIT業界では認知度が高く、複数の難易度が設けられているため実力にあわせて資格を取得していくことができます。
関連記事:Cisco技術者認定資格とは? 種類・難易度と受験方法を解説
CCNAは、CISCOの認定資格の中では入門的な位置づけの資格試験で、ネットワーク分野における基礎的な知識が証明できます。
ネットワークに関する専門的で高度な技術力が証明できる効果としては強くありませんが、ネットワーク分野の基本を理解していることが証明できます。プログラマーやデータベースエンジニアのような技術者からシステムエンジニアのような全体設計にかかわる職種まで、幅広く効果が得られる資格です。
データベーススペシャリストと合わせて取得すると、専門分野に対する高い技術力とともに、それ以外の分野に対する知識や向上心を示すことができるので、キャリアアップや転職などでも高い効果が期待できます。
関連記事:CCNAとは|試験の難易度から合格するための勉強方法まで紹介
CCNPは、ネットワーク分野における高い技術力が証明できる効果が高い資格で、一部の国の事業や専門的な技術者の募集などで必須条件になることがあるような信頼性の高い資格です。
データベーススペシャリストと併せて取得できれば、ITインフラ分野について総合的に高い技術力が証明できるため、将来より高度な仕事を担当するなどでキャリアを伸ばしやすくなるでしょう。
ITインフラ分野は、今後の社会の中で特に将来性が高い技術分野なので、データベース分野の国家資格であるデータベーススペシャリストを取得した後の目標として、CCNPはとても優れた選択肢の一つです。
関連記事:CCNPとは|年収・難易度から勉強方法までを実例付きで解説
データベースエンジニアのようなデータベースに関連した仕事では、Linuxを扱う機会がとても多いため勉強している技術者も多いですが、残念ながら現在日本の国家資格としてはLinuxに関する資格試験はおこなわれていません。
Linuxについての技術者認定資格の代表的なものにはLPICとLinuCという資格があります。LinuCは主に国内でLinuxを扱う業務をする能力が証明できる資格であるのに対して、LPICは特に国際的にLinuxに関する技術力が証明できる資格とされています。
LPICをデータベーススペシャリストと合わせて取得すると、特に実務作業でのデータベースの構築作業や設定変更などのOSの機能が必要となる場面では、円滑に高度な技術力を発揮できるようになり、周囲から一層の信頼を得られるようになるでしょう。
関連記事:LPICとは|取得で身につくスキルとメリットから勉強方法まで解説
データベーススペシャリストは、IT系国家資格の中でも最も難しい高度情報技術者資格に分類されており、取得することは簡単なことではありませんが、データベースを含めてITインフラ分野全般の将来性は高いので、エンジニアキャリアとしても大きな効果が期待できます。
広く専門的な知識を得るための勉強時間を設けるのは大変ですが、自分なりの計画で試験対策を積み上げて、将来の自分の価値を高めるために、ぜひデータベーススペシャリストに挑戦してみましょう。
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飯塚 寛也
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やはり午後IIの試験は一番難しいです。また、午後の2つの試験は実務を想定したシナリオ問題で、両方とも大規模なデータベースに関する問題です。その中で特に午後IIの試験は、顧客の現状のシステム概要や分析結果から、どんな形式のデータベースを作るのかという詳細な要件をもとに問題が作られています。
提示されている要件が多く、現状と問題点を把握するためにかなりの時間が必要になります。また、適切なSQL文やデータベースのテーブル構造を完成させるための穴埋め問題は必ず出るため、問題を解くためにはデータベースのテーブルがどんなキーで紐づけられて、どんなSQLを実行したら目的のデータが取り出せるかを理解することがまずは大事です。