CCNAの合格点は? 試験改定後の傾向や勉強方法を解説
2022.04.27
「IT業界ってよく聞くけどどんな業界なの?」「IT業界の企業や職種って何?」IT業界への就職や転職を考えたことがある人は、このような疑問を持ったことがある人が多いのではないでしょか。
コンピュータやスマートフォンを使ったインターネット社会となった現代では、IT業界という言葉をよく耳にするようになりました。一口にIT業界と言っても、通信機械の製造からウェブサービスの展開まで仕事内容は多岐にわたります。
この記事では、IT業界の全体像から職種や仕事内容、主な企業や年収まで分かりやすく紹介していきます。
目次
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「IT」とは、コンピュータやインターネットを使った情報技術(Information Technology)のことで、これらのITに付随するサービスを扱う業界がIT業界です。IT業界は大きく分類すると、以下の5つのカテゴリに分類することができます。
・通信インフラ業界
・インターネット・WEB業界
・ソフトウェア業界
・ハードウェア業界
・情報処理サービス(SI)業界
定義によっては通信インフラ業界とWEB業界をまとめて、インターネット業界と呼ぶこともあります。
インターネットを使ってサービスを提供するのか、テクノロジーを使って製品を開発するのかという軸と、ハード(基礎部分)を扱うか、ソフト(応用部分)を扱うかといった2つの軸から、以下の図のように理解すると分かりやすいでしょう。
近年急速に発展した変化の激しい業界なので、明確な分類方法があるわけではなく、あくまで一般的な分類例です。一つの分野に特化した企業もあれば、複数の業界にまたがっている企業も多いです。
それぞれの業界について、代表的な企業や仕事内容、必要なスキルなどを紹介していきます。
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通信インフラとは、インターネットや電話などの通信サービス・プロバイダのことで、光ファイバー通信や5Gなどのサービスを提供していくのが通信インフラ業界です。
インターネットが普及した現代において、電気、水道、ガスと並んで第四のインフラとして注目されており、IoTやクラウド化の成長を支えるために必須となる業界になります。ソフトウェアやシステム開発と異なり、インフラなので需要が安定しているのが特徴です。
通信インフラ業界の仕事内容は、「新らしい通信サービスの導入」と「現存する通信サービスの保守」の2種類に分類されます。サービス導入プロジェクトの際に活躍するのが、上流工程と呼ばれる「設計・構築業務」で、サービス保守プロジェクトの際に活躍するのが、下流工程と呼ばれる「運用・保守・監視業務」です。
設計・構築業務は、ネットワークの設計書を書く設計や、通信機器の設定を行う構築といった高度な知識を要する作業を行い、運用・保守・監視業務は、細かい設定の変更といった比較的簡単な作業を担当します。
下流工程からキャリアを始めて、経験や知識をつけて上流工程へとステップアップしていくのが一般的です。
通信インフラ業界の主な職種としては、ネットワーク通信を管理する「ネットワークエンジニア」、情報の出し入れを管理する「サーバエンジニア」、データの出し入れを管理する「データベースエンジニア」、通信の安全性を守る「セキュリティエンジニア」などがあります。通信インフラを担っているため、インフラエンジニアとも呼ばれます。
DODA | マイナビ転職 | 平均年収.jp | 求人ボックス | |
ネットワークエンジニア | 455万円 | 439万円 | 655~800万円 | 533万円 |
サーバエンジニア | 463万円 | 439万円 | – | 533万円 |
データベースエンジニア | – | – | 500~1000万円 | 514万円 |
セキュリティエンジニア | – | – | 600万円 | 538万円 |
未経験からなりやすいのはネットワークエンジニアです。ネットワークエンジニアになるためにネットワークの勉強をする場合は、サーバーやデータベースの知識がなくても勉強でき、実際に業務についたときにデータベースやサーバーを構築するということはまずありません。
逆に、サーバーエンジニアの場合サーバーを構築する過程でネットワークに接続する場合は、ネットワークの設定が必要なので当然ネットワーク知識が前提で必要になります。
データベースエンジニアとして、データベースの環境構築する場合は、データベースが動く環境について理解しなければならず、Linux上でデータベースが動くのであれば、データベースの設定ファイルを変更する場合はLinuxの知識が必要で、データベースに外部からアクセスさせる場合は、ネットワークの知識も必要です。
そのほか、セキュリティ エンジニアの業務をする場合も、外部の攻撃からシステムを守るためにも通信の制御をするためにネットワークの知識は前提として必要です。
そのため、通信インフラ業界で働こうと思った場合はネットワークエンジニアの知識や業務経験があるといろんな場面で役にたちます。
関連記事:インフラエンジニアとは|ITインフラ全般を支えるエンジニア
通信インフラは、IT業界の必要不可欠なライフラインとなるため、使命感と達成感の高い仕事です。そのため、表舞台で目立つ花形の仕事よりは裏方として社会を支える仕事が好きな人が向いています。
また、日々の業務でも高い正確性が求められたり、障害の際は即座に解決したりできる根気強さや課題解決力がスキルとして求められます。
通信インフラ業界で主な企業としては、NTT、KDDI、ソフトバンクなどがあります。
NTTグループやKDDIなどの通信回線設備を保有している「通信キャリア」と、IIJやBIGLOBEなどインターネット接続サービスを提供している「ISP」に分類することができます。
平均年収 (openwork) | 平均年収 (転職会議) | 平均年齢 (転職会議) | |
NTTドコモ | 705万円 | 616万円 | 36.4歳 |
BIGLOBE | 702万円 | – | – |
KDDI | 669万円 | 623万円 | 36.8歳 |
ソフトバンク | 667万円 | 591万円 | 36.4歳 |
NTT東日本 | 631万円 | 581万円 | 36.1歳 |
インターネットイニシアティブ | 558万円 | 563万円 | 37歳 |
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インターネット・WEB業界は、インターネットを利用したサービス全般を提供する業界です。ウェブサイト制作、インターネット広告、SNS、ポータルサイト・検索エンジン、ショッピングサイト(EC)、コンテンツ配信、オンラインゲームの運営などがインターネット・WEB業界に含まれます。
インターネットの普及によって発展した業界のため、ベンチャー企業が多く存在している若く活発な業界です。
WEB業界の仕事内容は、サービス内容によって多岐にわたりますが、ウェブサイト制作やウェブ広告運用など「企業が企業に向けて行うBtoBの仕事」とショッピングサイトやSNSの運営など「企業が個人に向けて行うBtoCの仕事」の2種類に分類することができます。
インターネット・Web業界の仕事の魅力は、自分たちの手で好きなサービスを企画して、それを具体的なサービスとして形にできるところです。
「こんなサービスがあったら便利なのに」とか「こんなサービスがあるとおもしろそうとか楽しそうとか」思うようなことを、周囲のエンジニアと話し合いながら開発をおこない、モノづくりの楽しさを感じることができます。新しいサービスがリリースされると、たくさんの人によって使われて人気が出ると達成感ややりがいも感じられます。
また、Web技術は進歩が早いため、開発の過程で新しい技術にチャレンジすることができるのも魅力の1つで、モダンな技術に挑戦したいエンジニアにとっては開発の仕事すべてが魅力的です。
WEB業界の主な職種としては、WEB開発を管理する「WEBディレクター」、WEBサイトを作る「WEBエンジニア」、WEB記事の作成をする「WEBライター」、WEBのアクセス解析や予測を立てる「WEBマーケター」などがあります。デザインやマーケティングなど、クリエイティブなセンスも必要となる仕事が多のが特徴です。
DODA | マイナビ転職 | 平均年収.jp | 求人ボックス | |
WEBエンジニア | 419万円 | 387万円 | 490万円 | 548万円 |
WEBディレクター | 442万円 | 387万円 | 470万円 | 498万円 |
WEBライター | 352万円 | 387万円 | 150万円~ | 450万円 |
WEBマーケター | 476万円 | – | – | 496万円 |
関連記事:Webエンジニアとは|仕事内容から必要なスキルまで徹底解説
インターネット・WEB業界は、まだまだできたばかりの流動的な業界なので、自由な発想力で主体的に行動できる人が向いているでしょう。
人々の必要としているサービスを見つけ出して、それをインターネットを利用して解決する業界となるので、ほとんどの業務でマーケティングの知識があるといいでしょう。WEBエンジニアとして働くのであれば、HTMLやCSSなどの知識も必要になります。
WEB業界で主な企業としては、Google、amazon、facebookなどがあります。この3社にAppleを加えたGAFAは、IT業界の巨大企業の筆頭です。
サービスの内容別にさらに細かく分類すると、以下のような業界に細分化されます。
・ポータルサイト(google、yahooなど)
・SNS(facebook、twitterなど)
・動画共有(YouTube、ニコニコ動画など)
・キュレーションサイト(グノシー、スマートニュースなど)
・ショッピングサイト(amazon、楽天など)
・電子書籍(kindle、Rentaなど)
・動画配信(Netflix、Paraviなど)
・オンラインゲーム(ガンホー、Steamなど)
・Eラーニング(SmartBoading、AirCourseなど)
・インターネット広告(サイバーエージェント、GMOなど)
平均年収 (openwork) | 平均年収 (転職会議) | 平均年齢 (転職会議) | |
1565万円 | 677万円 | 31.1歳 | |
Amazon | 1021万円 | 676万円 | 39.7歳 |
DeNA | 760万円 | 656万円 | 35.7歳 |
メルカリ | 759万円 | 682万円 | 33.7歳 |
GREE | 752万円 | 699万円 | 37.7歳 |
楽天 | 666万円 | 597万円 | 34.9歳 |
LINE | 657万円 | 653万円 | 36歳 |
mixi | 652万円 | 569万円 | 35.5歳 |
Yahoo! | 628万円 | 608万円 | 36.3歳 |
サイバーエージェント | 611万円 | 586万円 | 34.5歳 |
ZOZO | 464万円 | 449万円 | 32.4歳 |
GMOインターネット | 459万円 | 466万円 | 35.3歳 |
– | – | – | |
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ソフトウェアとは、コンピュータなどの機械で動いているプログラムのことで、様々なソフトウェアを製造・販売しているのがソフトウェア業界です。
ソフトウェアの機能別に「アプリケーションソフト(アプリ)」「オペレーションシステム(OS)」「ミドルウェア」の3つに分類することができます。
アプリケーションソフトは、表計算や文書作成ができるEXCELやWORD、メール送受信をするメーラーなどといった用途別に使うアプリのことです。オペレーションシステム(OS)は、コンピュータシステム全体を制御するもので、ミドルウェアがアプリとOSの間を仲介するものです。
ソフトウェア業界の仕事内容は、主に「受託ソフトウェア開発」と「パッケージソフトウェア開発」に分類することができます。
受託ソフトウェア開発は、企業から直接依頼を受けてソフトを開発するBtoB型の開発です。すでに発注してから開発するので売上が約束されているというメリットに対して、企業ごとの課題に合わせて特注で開発するので、そのまま他の企業に販売できないというデメリットがあります。
パッケージソフトウェア開発は、市販ソフトとして汎用性の高いソフトを開発するBtoC型の開発です。汎用性の高いソフトを開発すれば多くの売上が見込めるというメリットに対して、売れなければ赤字になってしまうというデメリットがあります。
ソフトウェア業界の主な職種としては、プロジェクト全体を管理する「プロジェクトマネージャ」、システム全体の設計をする「システムエンジニア」、設計されたプログラムを実際に構築をする「プログラマ」、製品のトラブルや質問に対応する「サポートエンジニア」などがあります。
プログラマは業務内容によって、さらにゲームプログラマ、アプリケーションプログラマなどに分けることができます。プログラミング言語は用途によって多数存在しており、どのプログラミング言語ができるかで、携わることができる業務も変わってきます。
DODA | マイナビ転職 | 平均年収.jp | 求人ボックス | |
プロジェクトマネージャ | 664万円 | 591万円 | – | 601万円 |
システムエンジニア | 473万円 | 445万円 | 550万円 | 494万円 |
プログラマ | 417万円 | 353万円 | 426万円 | 430万円 |
サポートエンジニア | 409万円 | – | – | 458万円 |
プログラミングスキルを身につけてプログラマーから挑戦するのが良いでしょう。ソフトウェア業界で仕事をしていくためには、最初はプログラミングのスキルが必要です。
システムエンジニアになると、各システムの機能を開発したプログラマーが書いたソースコードをレビューできなければならず、サポートエンジニアになればトラブルシューティングをする場合にプログラミングスキルがあるとないとでは業務の効率が大きく変わってきます。
逆に、プログラマーはキャリアパスが豊富で、身につけたプログラミングスキルで開発力を高めてフリーランスや起業して給料アップを狙うことも可能です。そのほか、プログラマーをまとめてシステムの設計や構築をおこなうシステムエンジニアとしてステップアップすることも可能です。
関連記事:IT業界の花形 システムエンジニア | 仕事内容から年収まで解説
プログラマーとは|仕事内容や年収から向いている人や資格まとめ
プログラミング言語は日進月歩の世界であるため、「新しいもの好きで勉強することが苦にならない」「新しい知識をどんどん吸収したい」という人が向いています。
どの職種につくにあたっても、まずプログラマから始めることが一般的なので、何らかの言語のプログラミングスキルが必須となるでしょう。システムエンジニアやプロジェクトマネージャといった職種にステップアップするためには、マネジメントスキルやコミュニケーション力が必要となります。
ソフトウェア業界で主な企業としては、Microsoft、ORACLE、Trend Microなどがあります。企業の母体との関係性から「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」の3つに分類することができます。
Microsoftなど電子機器メーカーがソフトウェアの子会社を持ったものが「メーカー系」、ITとは直接関係のない金融機関や商社がソフトウェアの子会社を持ったものが「ユーザー系」、親会社がないのが「独立系(ISV=Independent Software Vendor)」です。
メーカー系やユーザー系が特定の機器やサービスに依存したソフトなのに対して、ISVは特定のハードウェアに依存していないため市場も広く、業界の大部分を占めています。
平均年収 (openwork) | 平均年収 (転職会議) | 平均年齢 (転職会議) | |
アドビ | 1321万円 | 687万円 | 40.3歳 |
Microsoft | 1287万円 | 862万円 | 40歳 |
VM Ware | 1278万円 | – | – |
RedHat | 1209万円 | – | – |
ORACLE | 912万円 | 802万円 | 41.6歳 |
トレンドマイクロ | 768万円 | 623万円 | 36.8歳 |
オービック | 663万円 | 602万円 | 36.3歳 |
ワークスアプリケーションズ | 635万円 | 577万円 | 32.8歳 |
日立システムズ | 605万円 | 550万円 | 36.7歳 |
サイボウズ | 502万円 | 535万円 | 35.6歳 |
ソースネクスト | – | – | – |
ハードウェアとは、パソコン本体、キーボード、マウス、プリンターなど手で触ることができる機械のことで、様々なハードウェアを製造・販売しているのがハードウェア業界です。
現在では、インターネットに繋げられる電子媒体(スマートフォン、ゲーム機、家電)もハードウェアの1つとして考えられるようになっています。IoTの普及によって新しい製品開発の需要がますます伸びていくでしょう。
ハードウェアの衰退は技術そのものの衰退なので、今後衰退するとは考えられません。過去の技術発展を振り返るとより大容量の計算をコンピューターにさせるためには、CPUやメモリに代表されるようにハードウェアレベルで集積回路の技術が発展して、その後でさまざま高機能なソフトウェアが生まれて技術発展しています。
特に、IoTにおいてはセンサーやアクチュエーターの技術進歩は目覚ましく、今ではセンサーやアクチュエーターが一体になったMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれる軽量で高機能な集積回路がスマホやプリンターなどあらゆる電化製品で利用されています。
また、IoTの通信で得られたデータをビジネスで活用したい企業はたくさんあるため、センサーやアクチュエーターを開発する企業はより軽量で高速な処理ができるMEMSの開発を念頭に技術が発展していくと考えられます。
ハードウェア業界の仕事内容は、「製品の企画・設計」を行うハードウェア設計寄りの仕事と「製品の開発」を行うハードウェアエンジニア、「製品の販売」を行う営業寄りの仕事が主になります。
ハードウェア業界の主な職種としては、製品のプログラムを作る「組み込みエンジニア」、エラーやバグを確認する「テストエンジニア」、機械トラブルを解決する「サービスエンジニア」、製品を販売する「セールスエンジニア」などがあります。
機械を扱うため専門性が高く、他のIT業界のエンジニアと比べると少し異なるスキルが必要とされます。
DODA | マイナビ転職 | 平均年収.jp | 求人ボックス | |
組み込みエンジニア | 474万円 | 466万円 | – | 458万円 |
テストエンジニア | 455万円 | 440万円 | – | 469万円 |
サービスエンジニア | 451万円 | 438万円 | 300~400万円 | 494万円 |
セールスエンジニア | 658万円 | 551万円 | – | 538万円 |
実際に形のあるものとして流通する機器を作る業界なので、「モノづくりをするのが好きな人」「作ったものが形となるのが好きな人」が向いています。
組み込みエンジニアとして働くためにはC言語やアセンブリ言語でのプログラミング能力が必要となります。
ハードウェア業界で主な企業としては、Apple、Sony、Panasonicなどがあります。
ソフトウェア業界と同様にハードウェア業界でも、特定の会社と依存していない製品を作っている企業が「独立系(IHV=Independent Hardware Vendor)」と呼ばれます。
平均年収 (openwork) | 平均年収 (転職会議) | 平均年齢 (転職会議) | |
シスコシステムズ | 1339万円 | 952万円 | 40.7歳 |
Sony | 927万円 | 728万円 | 40.5歳 |
IBM | 904万円 | 769万円 | 41歳 |
DELL | 877万円 | 672万円 | 39.6歳 |
東芝 | 754万円 | 668万円 | 39.7歳 |
ヒューレット・パッカード | 734万円 | 772万円 | 42.8歳 |
Panasonic | 710万円 | 653万円 | 40.5歳 |
NEC | 709万円 | 652万円 | 40.6歳 |
日立 | 707万円 | 647万円 | 37.8歳 |
富士通 | 643万円 | 611万円 | 38.1歳 |
Apple | 606万円 | 592万円 | 34歳 |
情報処理サービス業界は、別名「システムインテグレータ(SIer=エスアイアー)」とも呼ばれています。顧客の悩みや課題を解決するために、IT技術を使ったシステムやサービスを開発・運用する業界です。
システムの開発からサービス利用後の運用まで行うため、システムに必要なハードウェアの選定、サービスに必要なソフトウェアの選定、ネットワークやweb開発に必要なエンジニアチームの編成など、あらゆるIT業界の仕事を幅広くカバーする業界になります。
SIer業界のシステム開発は、システムを作ってもらいたいユーザーが、SIer系企業にネットワークやサーバー、アプリケーションまで広範囲な部分までシステム開発を発注して大規模なシステムを作ってもらうケースが多くなります。
そのため、システムの開発を請け負ったSIerだけでシステム開発が完結することは少なく、1次請負のSIerで要件定義、2次請負のSIerで設計を行い、3次請負のSIerで構築・テストという流れでピラミッド構造で分担されてシステムが作られることがあります。
それに対してソフトウェア業界の「受託ソフトウェア開発」では、システムを作ってもらいたいユーザーが、自分たちに必要な機能に合わせて必要なソフトを作ってもらいます。
ユーザーから受託ソフトウェア開発を依頼される企業は、もともとその分野において専門の開発技術を持っていて、製品やサービス販売の実績がある自社開発企業です。ソフトウェア開発を依頼された会社はユーザーに必要なソフトウェア開発を自社のエンジニアが行い、もともとある自社製品やサービスで培った技術を使って顧客向けにカスタマイズして開発をします。
情報処理サービス業界の仕事内容は、企業へ情報システムを導入する際に行うすべてのサービスになります。例えば、解決する課題のヒアリング、パソコンや通信機器の選択、導入するソフトウェアの開発から管理・運用まですべてを請け負っています。
情報処理サービス業界の主な職種としては、プロジェクト全体を管理する「プロジェクトマネージャ」、解決策を提案する「ITコンサルタント」、製品を販売する「セールスエンジニア」、データを分析する「データサイエンティスト」などがあります。
サービス導入の際に顧客のニーズを聞き出すため、コンサルティング要素が強いのが特徴です。
DODA | マイナビ転職 | 平均年収.jp | 求人ボックス | |
プロジェクトマネージャ | 664万円 | 591万円 | – | 601万円 |
ITコンサルタント | 584万円 | 551万円 | 610万円 | 598万円 |
セールスエンジニア | 658万円 | 551万円 | – | 538万円 |
データサイエンティスト | 516万円 | 551万円 | 655万円 | 698万円 |
お客様の本当の課題を見つけ出して解決する仕事なので「他人の話を聞くのが好きな人」が向いているといえます。
そのためヒアリング力やコミュニケーション力が必須のスキルとなるでしょう。また、問題点の発見や解決案の提案をしていく仕事なので、課題解決力や提案力が必要となります。
情報処理サービス業界で主な企業としては、NTT DATA、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、野村総合研究所(NRI)などがあります。企業の母体との関係性から「メーカー系SIer」「ユーザー系SIer」「独立系SIer」「ITコンサル」の4つに分類することができます。この他に母体が海外企業のものを「外資系SIer」として分類する例も見られます。
富士通や日立などの電子機器メーカーがSIの子会社を持ったものが「メーカー系SIer」、NTT DATAや野村総合研究所(NRI)などITとは直接関係のない金融機関や商社がSIの子会社を持ったものが「ユーザー系SIer」、親会社がないのが「独立系SIer」、コンサルティング企業がSI業務を行うのが「ITコンサル」です。
平均年収 (openwork) | 平均年収 (転職会議) | 平均年齢 (転職会議) | |
野村総合研究所 | 990万円 | 811万円 | 35.7歳 |
デロイトトーマツ | 909万円 | 747万円 | 34.7歳 |
アクセンチュア | 860万円 | 731万円 | 35.7歳 |
NTTデータ | 756万円 | 664万円 | 36.4歳 |
日鉄ソリューションズ | 737万円 | 687万円 | 37.5歳 |
伊藤忠テクノソリューションズ | 710万円 | 667万円 | 38.4歳 |
日本ユニシス | 669万円 | 605万円 | 39.6歳 |
大塚商会 | 631万円 | 557万円 | 35.3歳 |
NECソリューションイノベータ | 604万円 | 567万円 | 38.7歳 |
SCSK | 596万円 | 576万円 | 38.2歳 |
富士通マーケティング | 592万円 | 550万円 | 36.9歳 |
日立ソリューションズ | 586万円 | 566万円 | 38歳 |
富士ソフト | 513万円 | 490万円 | 35.7歳 |
DTS | 506万円 | 507万円 | 37.6歳 |
目まぐるしい変化を遂げてきたIT業界ですが、今後も伸び続けていくのでしょうか、それとも衰退していくのでしょうか。IT業界全体での将来性や今後注目されている最新技術について解説していきます。
IT業界の市況は今後も好調でしょう。経済産業省の発表している「特定サービス産業動態統計調査」においても情報サービス業、インターネット附随サービス業、インターネット広告は売上を伸ばし続けている業界だとデータから読み取れます。
売上高合計(百万円) | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|---|---|
情報サービス業 | 10,993,032 | 11,321,617 | 11,583,822 | 12,064,266 |
インターネット附随サービス業 | 1,551,665 | 1,613,582 | 1,650,950 | 1,747,830 |
インターネット広告 | 649,716 | 726,260 | 777,622 | 834,377 |
また、総務省統計局が発表している「産業別常用労働者1人平均月間現金給与額」においても、情報通信業は近年4年連続で給料が上がり続けている業界と分かります。
平均月間給与額(円) | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|
調査産業計 | 313,801 | 315,590 | 319,442 | 323,547 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 550,254 | 557,079 | 551,840 | 557,248 |
情報通信業 | 483,730 | 487,441 | 490,647 | 498,227 |
金融業,保険業 | 471,964 | 466,011 | 486,011 | 482,116 |
参考資料:総務省統計局「日本の統計(産業別常用労働者1人平均月間現金給与額)」
以上のデータを見ると、IT業界は依然として売り手市場であり、給与も上昇している事が伺えます。
IT業界が今後も成長していく業界である一方で、IT業界を支えるエンジニアの需要はどうなっていくのでしょうか。結論としては、ITエンジニアの需要は今後も増え続けていきます。
経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、今後も供給人数は微増するのに対し、不足人数がどんどん増加していくことが想定されています。
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
供給人数(人) | 994,070 | 1,004,879 | 1,018,099 | 1,031,538 | 1,045,512 | 1,059,876 |
不足人数(人) | – | – | – | 220,000 | 260,835 | 303,680 |
関連記事:経済産業省「IT 人材需給に関する調査」
IT需要の伸びが低く想定した場合でも2030年に16万人の不足、需要が高く伸びた場合は2030年に79万人と不足数が拡大します。このように、ITエンジニアの人口推移は「予想外に見通しが悪い」のが現状です。人材不足ということは売り手市場であるため、安定した需要が見込めるという事になります。
今後は、ITに関する知識だけで完結する技術だけでなく、ほかの分野の技術のメリットとITのメリットをうまく組み合わせてより高い利便性を実現できるシステムを作れるエンジニアが必要になってきます。
昔と比べてネットワーク環境が高速になり、クラウドの登場により開発手法もシンプルでかつ高機能なものが短期間でできる時代になってきています。さらに開発の現場ではプログラミングなしで開発ができるノーコードツールも登場して、エンジニアでなくとも便利なツールの使い方を理解すれば開発ができる環境も少しずつ増えています。IT技術だけに留まらず幅広く知識や技術を習得できるエンジニアが求められていくでしょう。
関連記事:IT業界の将来性はない?今後も需要のあるエンジニアとは?
成長を続けているIT業界ですが、インターネットやコンピュータなど現在使われているサービスについては、そこまで需要成長は見込めないでしょう。ですが、まだ定着していない新技術の分野で今後も市場の拡大が見込まれています。
ここでは、今後成長が期待されている注目技術を紹介していきます。
IoT(Internet of Things)とは、パソコンやスマホ以外のも様々なモノがインターネットにつながり相互に通信する「モノのインターネット」のことです。
冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品、机や椅子などの電子機器以外の家具、服などのウェアラブルデバイスまでもが対象となっています。これらのIoTでの通信を実現するために、5Gなどの高速で大規模なネットワークが必要となります。
この分野ではネットワークエンジニアが求められます。
IoTや5Gの通信になると無線ネットワークの知識が必要です。特に、IoTはデータを取得するためのネットワークで、場合によっては ネットワークの敷設が難しい山奥のような環境にセンサーを設置して雨や風のような過酷な自然環境の中で機器を設置してネットワークを作らなければならないこともあります。ネットワークの知識や技術だけでなく、どうやったらデータを取得できるかという発想力も必要になってきます。
クラウドとは、インターネットなどのネットワーク経由で利用できるサービス全般のことです。
クラウド上にデータを補完することで、万が一パソコンが壊れてもデータを損失するリスクをなくすことができます。また、会社に行かなくてもブラウザからアクセスできるため、在宅ワークの実現が可能になります。
この分野ではクラウドエンジニアとDevOps(デブオプス)エンジニアが求められます。
クラウドを使ったシステム開発になるため、クラウドの知識が必要です。特に、近年では会社のリソースをクラウドとオンプレミスのどちらで管理するのが良いか検討している企業がたくさんあります。そのため、オンプレミスに関してもサーバーを仮想化して効果的なリソースの使い方を理解できている、インフラエンジニアやサーバーエンジニアの知識があるとなお良いです。
AIとは、Artificial intelligenceの略称で人工知能のことです。最新の人工知能では、データを分析して自動的にデータの中から特徴を抽出してくれる「ディープラーニング」と呼ばれる技術が発達しています。
また、これまでの技術では扱うことが困難だった大量で多様なデータを蓄積し、解析する「ビッグデータ」や「データマイニング」がIT技術の進化により実現してきました。
この分野ではデータサイエンティスト、アナリスト、機械学習エンジニアなどのAIエンジニアやデータベースエンジニアなどが求められます。
AIの構築やビッグデータの利活用にデータベースの知識とデータ分析能力の2つが必要になります。また、AI を作るためのデータが必ずしもまとまってるとは限らないため、どのようなデータを集めて、どんな特徴量があれば良いかを、収集から分析 ・加工まで一貫してできる人材が求められます。
VRとはVirtual Realityの略称で仮想現実のこと、ARとはAugmented Realityの略称で拡張現実のことです。VRが仮想世界へ行くというコンセプトであるのに対して、ARはCGを投影し、現実世界に仮想現実を呼び出すというコンセプトです。
現段階では、VRに対応している動画だけを見ることしかできませんが、今後はVR動画が主流になっていくことでしょう。
「デジタルトランスフォーメーション」とは、デジタル化による技術革新のことです。
仮想通貨やモバイル決済によるキャッシュレスといった、金融サービスのデジタル技術革新である「フィンテック」をはじめ、農業のデジタル化「アグリテック」、教育のデジタル化「アドテック」など数多くの業界でデジタル化が進んでいます。
DXを実現したい企業の目的はさまざまですが、社内で効果的なデジタル化を進めるためには、最低でもクラウド、Web、データ分析に関する職種のエンジニアは必要です。クラウドエンジニア、Webエンジニア、データ分析系エンジニアの3つの職種が求められると考えられます。
リソースの管理方法については自社で管理するのかそれともクラウドで管理するのかが課題になればクラウドエンジニアの技術は必要です。どういう形でシステムを使っていくかという場合においては、アプリケーションを個々のPCにインストールするようなことはせず、ネットワークに接続してWebシステムを使うのが一般的なのでWebエンジニアが必要になり、データ利活用をしたいと考えればデータ分析は必要なので、データサイエンティストやアナリストのような職種が求められます。
IT業界の全体像がわかったところで、IT業界全体のメリットについて紹介していきます。IT業界の主な魅力として以下の5つが上げられます。
それでは、それぞれについて詳しくみていきましょう。
先ほどの章でも紹介しましたが、情報通信業は2番目に給料が高い業界で、近年4年連続で給料が上がり続けています。IT業界全体の売上も伸び続けているので、将来性があり安定している業界であるといえます。
IT業界自体がなくなることは考えにくいので、将来的にも経験が無駄にならないのは魅力といえるでしょう。
IT業界では最新の技術を用いたサービスの開発も多いため、社会に新しい価値を生み出すやりがいのある仕事に携わることができる点が魅力的です。
ここ数年のインターネットを始めとしたサービスが私たちの生活スタイルを変えてしまったように、社会のあり方自体を変えてしまうような刺激的な仕事ができます。
IT業界では、実際の経験を積みながらスキルの向上ができます。そのため、将来的に自分がどんな人材になりたいかをイメージして、その人材になるための実績とスキルを身につける人が多いです。中には、IT企業間を転職してスキルを身につけたら独立する人もいます。
特にITスキルは専門的な技術で世界共通のスキルとなるため、手に職をつけることができるのが魅力です。やればやっただけ仕事の実績になっていくので、実力が身に付きやすい業界と考えられます。
IT業界は基本的に「実力主義」の企業が多く、「年功序列」を採用している企業は少ないのが現状です。仕事で結果を出し続けていけば、 年齢に関係なく早い段階での昇給が見込めます。
就職後も絶えず結果を残さないといけないというプレッシャーもありますが、結果を出せばそれがきちんと反映されるのが魅力です。
すべての企業ではないですが、企業によってはオフィス訪問不要のリモートワークで働ける企業があります。IT企業で働いている女性の中には、結婚出産を機にリモートワークに移行する方も増えてきています。
また、決まった労働場所がなくオフィスを持たない個人事業主も増えてきています。職場に行く必要はなくなることで働き方の選択肢も広がっていくのもメリットのひとつでしょう。
IT業界の数々のメリットを紹介してきましたが、一方で、デメリットはあるのでしょうか。ここでは、IT業界で想定されるデメリットについて紹介します。
IT業界で想定されるデメリットは以下の2つです。
・繁忙期は残業時間が多い傾向にある
・企業によっては福利厚生に問題がある
どの業界でも残業が多いことはデメリットとして挙げられていますが、IT業界の繁忙期は特に残業が多い傾向にあります。特に製品やサービス開発など締め切りのあるプロジェクトは、締め切りに間に合わせるために残業することが多くなりがちです。
現在では、ほとんどのIT企業が「完全週休二日制」と「各シーズンごとの大型連休」を導入しています。しかし、歴史が浅いベンチャー企業の中には福利厚生が整っていない企業があります。
中には、年間休日が100日を切るような企業、労働基準局へ申告している労働時間より長時間労働させている企業もあるので、福利厚生について、面談時に制度が整っているかどうか確認しておくと良いかもしれません。
最後に、IT業界で働く上で向いている人の3つの特徴をご紹介します。以下の特徴に当てはまっている人はIT業界に向いているかもしれません。
普段から「なぜそうなるのか」ということについて、順序だてて論理的に考えることが得意な人が向いています。ITシステムやインターネットサービスを構築・運用するために、論理的思考(ロジカルシンキング)が最も重要な能力といえるでしょう。
コンサルタント業などの例外を除けば、基本的に機械を相手にすることになるため、「どうすれば完成するか」「なぜ動かないのか」といったことを考えるために論理的な思考が必要になります。
チームワークを大切にして、チームの成功のために自分の役割を果たせる人が向いています。IT業界のプロジェクトは基本的にチーム単位で行われます。チーム内で分業をしてシステムを完成させることも多いので、チームワークを大切にできることが重要です。
また、分業をしていると他の作業の内容が分かりづらくなることも多いため、密にコミュニケーションをとることで、疑問点や不安点を解消できることも大切なことになります。
同じ作業の繰り返しでもコツコツと地道に努力できる人が向いています。プログラミングやコーディングなど、作業内容によっては単純な作業を繰り返すことになることもあります。その中でもしっかりと作業を完了することができる継続力が大切です。
また、IT業界は技術革新が早く、常に最新の情報をキャッチし続ける必要があるため、そういった勉強を続けていけるかも重要になります。
IT業界の全体像とIT業界内の5つの領域について詳しく紹介してきました。5つの領域はそれぞれ独立しているわけではなく、多くの企業が領域を横断して幅広いサービスを提供しています。
IoTやクラウド、AIなど今後も最新技術が登場していく日進月歩の分野なので、これからも変化し続けながら成長していくでしょう。
この記事を読んで「IT業界で働いてみたい」と興味を持った方は、IT業界内の違いを理解したうえで、自分がやりたい仕事や描きたいキャリアプランをたてて、ぜひIT業界の就職・転職に挑戦してみてください。
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飯塚 寛也
2022.04.27
2022.01.24
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2020.06.04
通信インフラ業界の魅力は、ほかの業界では経験できない大規模なプロジェクトにかかわれかかるところです。仕事を依頼する企業は携帯電話会社やISPなどで大手企業が多くなるため、プロジェクトにかかわる人間の数や扱うネットワーク機器の台数も増えて業務を通じてやりがいを感じられます。また、無事にプロジェクトが完了したときに得られる達成感も非常に大きいです。