IT業界

ITインフラをわかりやすく解説|転職に役立つ情報や資格を紹介

「ITにおけるインフラの仕組みについて知りたい」「インフラエンジニアとして活躍するにはどんなスキルが必要?」など、ITインフラがどのように構成されているのかや、インフラエンジニアとして活躍するためにはどのようなスキルを身に付ければよいのかわからずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。 ITインフラは、ITサービスの根幹となる重要な仕組みで成り立っています。 そのインフラを担当するエンジニアになるためには、ネットワークやサーバーをはじめ多くの知識やスキルを学ばなければならず、高度な専門スキルによってITサービスを提供する重要な仕事です。 この記事では、ITインフラの基本から主な業務内容、担当するエンジニアからキャリアプラン、役立つ資格について解説するので、参考にしてみてください。

ITインフラとは?

ITインフラとは、ITの基盤となる重要な設備や構成のことを表しています。

インフラには「基盤・土台」という意味があり、わかりやすいものを挙げるとたとえば生活するうえでよく使われている生活インフラという言葉があります。

これには、「電気」「ガス」「水道」などが該当します。私たちが生活するうえでなくてはならない重要な設備やサービスです。インフラが「基盤」であることの意味がわかりやすいのではないでしょうか。

社会を支える4つのインフラ

つまり、ITインフラは、ITサービスを提供するためになくてはならない設備や技術のことを言います。

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ITインフラを構成する2つの要素

私たちが普段何気なく利用しているITサービスですが、これはたとえば家電製品やスイーツを取り寄せるためにAmazonなどのECサイトを検索し、そこから簡単に購入することができるようなサービスを提供しています。

では、その便利なサービスがどのように提供されているかと言われると、仕組みや必要な構成、装置など多くのIT技術が連動され適切に動作しなければ提供することはできません。

ITインフラは、ITサービスの要となる技術で、「アプリケーション」と「ITインフラストラクチャー」と呼ばれる部分の2つの要素から成り立っています。

ITシステムの全体図

アプリケーションとは、ITサービスの利用者が実際に操作するために作られたソフトウェア全般のことを表しています。ITインフラストラクチャーとは、アプリケーション以外で構成されているもののことです。

この章では、ITサービスの根幹であるITインフラの構成要素についてもう少し詳しく解説します。

アプリケーション

アプリケーションとは、代表的なものとしてスマートフォンを使っている人にはおなじみの「アプリ」と呼ばれるソフトウェアのことといえば理解しやすいでしょう。

たとえば、PayPayというアプリがあります。このアプリでは、まず利用者はPayPayというアプリをインストールして、クレジットカードや銀行口座と連携させておきます。その後、画面を操作しQRコードの画面を表示させたり、備え付けのバーコードを読み取る操作をして、必要な金額を入力して代金を支払うキャッシュレスサービスを提供しています。

このように、アプリケーションは利用者が用途やサービスに合わせて直接操作して、自分が受けたいサービスの提供を受けるための仕組みです

アプリケーションは単体では存在・動作できないので、必ずハードウェアが必要となります。ハードウェアについて詳しくはこのあと説明しますが、つまり、アプリケーションはスマートフォンというハードウェアを通してはじめて利用できるようになるのです。

インフラストラクチャー

インフラストラクチャーは、サービスの提供を受けるための土台の部分です。利用者がサービスの提供を受けるうえで直接操作するのはアプリケーションですが、そのアプリケーションを動かすために必要となるものがITインフラストラクチャーになります

インフラストラクチャーの構成は、「ハードウェア」と「ソフトウェア」の大きく2つに分かれています。ハードウェアは、サービスを利用するために必要となる「物理的なモノ」のことで、ソフトウェアは、物理的なモノの利用するものです。

それぞれどのようなものなのかもう少し詳しく解説します。

ハードウェア

ハードウェアとは、iPhoneに代表されるスマートフォンやPC、サーバーといった物理的なモノのことです。

資料作成に欠かせないエクセルやプレゼンするときに使うパワーポイント、文章作成に使うワードといった仕事ではよく使われるおなじみのアプリケーションは、PCがなければ使えませんよね。

また、インターネットを使うためには、通信機器であるルーターやスイッチに加えて、WEBサイトを管理したり提供するためのサーバーが必要ですが、それらもハードウェアに該当します。

ソフトウェア

ここでいうソフトウェアとは、ハードウェアを動かすためのOS(オペレーティング・システム)と呼ばれる、命令を実行したり制御する頭脳の役割があるもののことです。

OSは、アプリケーションを動かすために必要な土台であり、PCにおける代表的なOSとしてWindowsやLinuxがあります。iPhoneを動かすためのOSにはIOSがあります。

また、アプリケーションとOSの間でスムーズに動作させるためのミドルウェアもソフトウェアに該当します。ミドルウェアとは、ソフトウェアとハードウェアの中間に位置して、異なるOSであってもアプリケーションを動かすための橋渡し的な役割があります。

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ITインフラの業務内容

ITインフラの業務内容は、「要件定義・設計」「構築」「テスト」「運用」の4つに分かれています。

ITインフラの業務内容

要件定義や設計、構築は、インフラに精通する知識やスキルを持っているエンジニアが担当する高度な仕事です。

一方、テストや運用は、決められた内容や手順に従って仕事することが多いため、経験が浅いエンジニアが担当することが多いでしょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

要件定義・設計

要件定義は、顧客がどのようなサービスを実現したいのかを詳細に確認するフェーズです。

たとえば、銀行の顧客から「東京の本店からすべての支店のATMと通信させると本店に莫大な通信負荷がかかるうえに、障害が起きたらすべてのATMが使えなくなってしまう。本店が情報を管理しつつ負荷を抑えて、障害のときでもATMに影響がないサービスを提供したい」という要望があったとします。これに対してエンジニアは、その要望を具体的に実現するためのITシステムを作る必要があります。

そのためには、まずは顧客が求めるサービスについてシステムに落とし込める形になるようにヒアリングを繰り返し、顧客と認識が相違しないようにするため、高いコミュニケーション能力を駆使して、必要な情報を細部にわたり確認しなければならないでしょう。

そして得た情報をもとに実現するために必要な構成や機器、採用するシステムなどを設計書としてまとめる必要があります。

そのために、ITインフラに関する幅広い知識と深い理解、そしてプロジェクトを成功に導く交渉力や外部との調整力といったスキルが必要となる高度な仕事です

構築

構築は、設計書に基づいて実際にITインフラを作るフェーズです。

選んだ機器や構成をもとに、サービスを確実に提供するために必要な設定をしたり、OSをインストールします

たとえば、新しい支店を作るための構築作業があり、その支店は本店と必要なデータのやり取りなどおこなう役割を担うとします。そうすると、その支店やデータセンターなどに機器を設置したり設定を追加する作業が必要となります。

また、ネットワークを接続するためには工事業者と配線や電源といった足回りの作業の打ち合わせも必要です。この場合エンジニアは導入計画や作業統括の総責任者という立場で仕事をします。

さらに、構築後に導入したシステムが仕様通りに動いているかチェックするためのテスト計画や障害時の対応方針などを設計書に沿って対応手順書や運用マニュアルとして作ることも担当するのです。

テスト

テストは、テスト仕様書に書かれているチェック項目に従ってシステムが期待通りに動くかを確認するフェーズです。

ITインフラは、正確性や機密性、可用性が重要なサービスです。

たとえば、東京本社から大阪支店に重要なデータを定期的に送信するように運用したい要望があり、実際にサービスを開始したときにデータが大阪ではなく別の支店に送付されてしまったなんてことになったら、インフラサービスとしては致命的な欠陥でしょう。

そのような事態が起きてはならないため、最初に想定される状況や運用が正しくおこなわれるかを繰り返しチェックします

また、情報が漏れたりしていないか、インフラに障害が発生しても、迂回ルートを通ってデータのやり取りが継続されるかなど想定される状況をすべて洗い出して、何度もデータ量や容量を変更したりして、正常に動くことを確認する根気のいる仕事です。

運用

運用は、ITインフラが完成したあと顧客にシステムを引き渡したあと、実際に業務としてサービスを提供するフェーズです。

運用では、常に安定して動くことが重要なため、安全かつ快適に業務がおこなわれるように、異常がないか監視したり顧客の要望に従って設定を追加・変更するなど要望にあわせてカスタマイズします

監視とは、インフラを構成する通信機器やサーバー、ネットワークそのものに異常がないかを24時間体制で見守る仕事です。

監視中に異常を検知した場合は、速やかに原因を追究し障害を復旧させるべく対応します。

ITインフラエンジニアの種類

ITインフラを担当するエンジニアには、「ネットワークエンジニア」「サーバーエンジニア」「データベースエンジニア」「セキュリティエンジニア」「プリセールスエンジニア」など、さまざまなエンジニアがいます。

通信インフラ系エンジニアの全体図

この章では、代表的な5つのエンジニアについて解説するので、参考にしてみてください。

関連記事:インフラエンジニアの仕事内容|やりがいから就活まで徹底解説
     インフラエンジニアとは|ITインフラ全般を支えるエンジニア

ネットワークエンジニア

ネットワークは、ITインフラの基盤となる通信技術です。つまり、ネットワークエンジニアは、ITインフラの基盤となる通信部分を担当するエンジニアです。

ネットワークエンジニアは、サーバー同士やインターネット、PC、プリンターといったさまざまなハードウェア同士をつなぎ、それぞれのハードウェアがお互いに通信できるようにします

ネットワークを構成する機器には、ルーターやスイッチがあります。ルーターは主に通信経路を決定したり、制御するための装置です。スイッチは、おもにサーバーやPCなどを1つに束ねて必要なグループ、たとえば人事部や営業部など部署を分けて通信するようにLANを構成したりする装置です。

ネットワークエンジニアは、これらのネットワーク機器を操作したり、保守したりします。

関連記事:ネットワークエンジニアの魅力ややりがいとは?
     ネットワークエンジニアの仕事内容をすべて紹介|業務内容や雇用形態

サーバーエンジニア

サーバーは、利用者の要求に応じて、欲しい情報やデータなどを提供する機器です。サーバーエンジニアはサーバーに搭載している「Linux」や「Windows」といったOSの設定や調整、ミドルウェアのインストール、運用、監視作業をするエンジニアです

サーバーには多くの種類があり、代表的なサーバーとして、WEBサーバー、メールサーバー、DNSサーバー、FTPサーバーなどがあります。

サーバーエンジニアは、これらのサーバーが快適に利用できるように、パフォーマンスを管理して、必要に応じて増設したりカスタマイズしたりします。サーバーにトラブルが発生した際は速やかに原因を追究して復旧させるのも重要な仕事です。

関連記事:サーバーエンジニアとは|仕事内容から必要なスキルまで徹底解説

データベースエンジニア

データベースとは、仕事に使うデータや情報などを決まった形式のもとで整理・保管しておく機器の総称です。

図書館の仕組みと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。たとえば、やみくもに本を棚に置いていては、読みたい本がどこにあるのかわからず、一冊一冊探すことを考えるとどのくらい膨大な時間がかかるのか検討もつかないでしょう。

一方で、あいうえお順や本の種類ごと、あるいは両方をミックスしたりして、決められたルールのもとで保管しておけば読みたい本を素早く探すことができるということが理解できるのではないでしょうか。

データベースエンジニアは、データを管理して、利用者が素早く欲しい情報にアクセスできるように設計したり、パフォーマンスを向上させたりするのが仕事です。また、SQLを使ってデータの抽出などをおこなうため、プログラミング言語にも精通している必要があります。

関連記事:データベースエンジニアとは|仕事内容から必要なスキルまで徹底解説

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、ITサービスを安全に利用するうえで近年急速に需要が高まっている情報資産を守る専門家です。

ITサービスが進化した現在、生活や企業経営においてなくてはならない技術であると同時に、取り扱う情報の価値が飛躍的に高まりました。

たとえば、昨今Amazonで買いものをする人が増加してきました。全国どこにいても欲しいものが家に居ながらにして手に入るという手軽さが非常に魅力的である反面、クレジットカード決済により代金を支払うため、インターネット上にクレジットカード情報を登録する必要があります。

もしこの個人情報が盗まれてしまえばクレジットカードを不正利用され、知らないうちに何十万円、何百万円と被害が出てしまうこともあるでしょう。このような事故が起こらないよう、セキュリティエンジニアは近年巧妙化するサイバー攻撃から情報資産の安全を守るエンジニアです

関連記事:セキュリティエンジニアとは|仕事内容と年収から必須資格まとめ

プリセールスエンジニア

プリセールスエンジニアは、顧客がITインフラの導入を検討しているときに、営業に同行してインフラの知識やスキル面からどのように実現できるかなど、ニーズを把握して必要な構成や機器などを顧客に提案する仕事です。

顧客には自分の会社に発注してもらえるように、ニーズに対して具体的な完成イメージをプレゼンしたり、実際のサービスの流れをサンプル動画として作って、より丁寧に提案したりします

ITインフラの要望を形にしたり提案する際に、金銭面の提案や調整をする営業だけでは、その場で技術的な質問や提案に回答できず顧客に良い印象を持ってもらえない可能性があります。

そこで、購買につなげるため専門のエンジニアが同行し技術面で営業をサポートします。この役割を担うのがプリセールスエンジニアです。

ITインフラエンジニアに求められるスキル

ITインフラエンジニアには、多くの種類の仕事があることを解説しました。

そのため、ITインフラエンジニアとして仕事をするためには、幅広い知識やスキルが必要です。具体的には、下記のスキルが必要となるでしょう。

ITインフラエンジニアに求められるスキル

この章では、それぞれのスキルについて解説するので、参考にしてみてください。

ネットワークスキル

ネットワークは、ITインフラの要とも言うべき技術なので、ネットワークがないとITインフラは成り立ちません。

そのため、ネットワークに関する知識やスキルはITインフラエンジニアとして必須のスキルです

具体的には、ネットワークがどのように通信しているかという仕組みの基礎となる「OSI参照モデル」、OSI参照モデル間で通信に使うプロトコルと呼ばれる通信規約の中でも特に重要な「TCP/IP」、通信に必要な「IPアドレス」や「MACアドレス」」の理解が必須です。

基礎を学んだあとは、ルーティング技術であるEIGRPやOSPFに代表されるルーティングプロトコル、LANやWAN、VTPやSTPなど幅広いネットワークスキルを学んで、ネットワーク全般も理解しなければなりません。

サーバースキル

サーバーとは、利用者にサービスを提供するための多くの重要な情報を格納している機器です。そのため、サーバーの知識はネットワークと並びインフラエンジニアにおける必須のスキルです。

サーバーの知識として必要なのは「OS (オペレーティングシステム)」「仮想化」「各種サーバーごとの役割とハード・ソフトウェアの理解」です

OSはWindowsとLinuxの大きく2つあり、そのどちらを使ってサーバーを構築するかで、利用できるアプリケーションやスペック、ハード・ソフトウェア、実務での運用方法が異なります。

また、大規模ITインフラともなると用途ごとにサーバーを用意する必要があります。たとえばWEBサーバーを通して利用者にWEBサービスを快適に提供するためには、どの程度のスペックが必要なのか、同時接続数はどれくらいかなどによって、搭載するCPUやメモリを決定したり、障害時にもサービスが提供するための仮想化といったサーバーに関する深いスキルがなければなりません。

セキュリティスキル

インターネットを使ってサービスを利用するうえで、セキュリティは欠かすことができない技術です。

現在はサイバー攻撃が巧妙化していて、サービス利用者が安心して利用できるように情報資産を守らなくてはなりません。たとえば、サイバー攻撃によって顧客情報を盗まれてしまった場合は、信用失墜による利用者の激減、個人情報漏洩による賠償金など企業の存続にかかわる重大な危機を迎えることになるでしょう。また、情報漏洩は外部からだけとは限りません。もしかすると、企業に勤めている内部の人が盗むことがあるかもしれません。

そうした状況に対応するため、セキュリティスキルを持つエンジニアの需要は高くなっています。

セキュリティ機器であるファイアウォール、IPSなどの専門の機器のスキルから個人情報保護に代表される法律の理解と幅広い知識とスキルが必要なので、インフラでは特に重要なスキルのひとつといえるでしょう

クラウドスキル

クラウドは、従来ITインフラの主流であった物理的な装置や設備を自社で用意せずとも、インターネット上ですでに構築されている環境を使って、サービスを提供する新しい技術です。

ITインフラの主流であった「オンプレミス」から「クラウド」への移行が進んでいる現在、クラウドスキルを持っているエンジニアの需要は非常に高くなっています

※オンプレミスとは、サービスを提供するために必要な機器や構成、場所などを自前で調達し運用すること

クラウドには、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)に代表されるWEBサービス(システム)があります。そのシステムを使用してサービスを展開すると、企業は、維持・管理費、人件費、初期費用などコスト削減に加えてすぐにでも利用できるというメリットがあります。

インフラの将来性を考えると、クラウドスキルは必要なスキルのひとつでしょう。

プログラミングスキル

ITインフラを構成する仕事の中でプログラミングが必要なのは、データベースにかかわるときです。

では、それ以外の場面でプログラミングスキルが不要かというとそういうことはなく、プログラミングスキルがあれば、業務の効率化など非常に役立つ場面が多くあります

たとえば、毎日定期的にネットワークやサーバーの状態をチェックします。このような単純作業は、エンジニアが手作業で確認するよりもスクリプトを組んで自動で実施した方が効率的です。

また、何十台というサーバーに同じ設定を入れるという場合や、セキュリティホールが見つかって何百台という機器に同じパッチを充てる必要がある場合など、一つ一つ手作業でファイルを開いて投入していると時間がかかってしまいます。プログラミングを作って同時に設定した方が効率的なので、こういった場面でプログラミングスキルは非常に役立つでしょう。

このように、インフラエンジニアにはプログラミングスキルが必要です。

関連記事:プログラミングの将来性は? 業界の動向から言語選択まで徹底解説

ITインフラエンジニアの3つのキャリアプラン

インフラエンジニアは、ITサービスを支える重要な仕事としてやりがいがある反面、トラブルがあったときには解決するまで根気よく対応が求められる責任ある仕事でもあります。

またインフラエンジニアの需要は高く今後も成長が見込まれるとともに、経験を積み重ねキャリアプランを達成していくと高収入が見込める魅力ある仕事となっています。

では、インフラエンジニアになると将来どのようなキャリアプランがあるのか気になる人も多いでしょう。

インフラエンジニアとしてのキャリアプランは次の3つがあります。

プログラマ以外のITエンジニア

管理職である「マネジメント」、ITインフラの技術を極める「スペシャリスト」、企業の経営にかかわる「ITコンサルタント」です。

それぞれどのような業務をするのか詳しく解説します。

マネジメント

インフラエンジニアのキャリアプランのひとつに、管理職であるマネジメントに進む道があります。

インフラエンジニアで培ったネットワークやサーバー、セキュリティなど幅広いスキルを活かしつつ、大規模インフラ設計や構築をするプロジェクトマネジメントへ進むことができます。技術にかかわることだけでなくマネジメントという顧客との交渉や折衝、外部の業者との調整、人員配属など人材の管理、スケジュール管理といった細かな業務も担当します

そのため、マネジメントをおこなうためには、技術的なスキルに加えて、コミュニケーションスキルや交渉・調整力など高いヒューマンスキルが必要です。

マネジメントを目指す場合は、普段からチームメンバーとコミュニケーションを取りつつ、ひとりひとりの状況を把握するようにしましょう。たとえば、メンバーの仕事の進捗状況を随時確認したり、何かトラブルを抱えていないか、サポートは必要か、逆に余裕がある場合は、他のメンバーのサポートを依頼するなど、自分が管理者であるという意識を常にもって仕事やメンバーと接するようにするとヒューマンスキルを磨くことができます。

スペシャリスト

スペシャリストとしてインフラエンジニアとして技術をとことんまで極める道もあります。

スペシャリストはインフラに精通した高い技術力と幅広い知識が必要です。インフラの仕事をスピード感を持って納品して、同時に品質の高いサービスが提供できるエンジニアを指します。ネットワークやサーバー、セキュリティ、クラウド、データベースをはじめ、さまざまな知識とスキルを極め、他のインフラエンジニアでは対応することが困難なサービスでも、高い技術力と幅広い知識で解決できるようになる職人のようなイメージです

スペシャリストを目指す場合は、つねに新しい技術や情報をいち早くキャッチして、将来性の高い技術は他のエンジニアに先駆けて磨くように意識しておきましょう。

ITコンサルタント

ITコンサルタントとして企業経営にかかわり、今後の方向性や企業戦略を助言するアドバイザーになる道もあります。

ITコンサルタントは、インフラに関する広く深い知識やスキルに加えて、それぞれの企業の状況や戦略に基づいて、今後進むべき方向性を見極め、ITインフラを通して企業のさらなる発展のために尽力する仕事です。

そのため、企業戦略や将来必要とされる技術を見極める情報収集能力、経営層と対等な立場で立ち居振る舞いができる高いコミュニケーションスキル、方向性そのものを決定させるだけの提案力や交渉力といったスキル、信頼関係を構築する人柄などが重要となります

インフラエンジニアとして仕事をしながら、企業の利益になるような情報収集をおこなったり、顧客に積極的に話しかけるようにしましょう。そして会話の中から困っていることはないか探したり、企業のHPやプレリリースなどから新しい戦略を見つけた際は、最新情報をもとに「このようなサービスがニーズにマッチしていますよ」とアドバイスしたりなど、顧客に信頼されるよう的確な助言を試みると良いですね。

強い信頼関係を築いて実績を積み重ねていくとITコンサルタントへの道も拓けてくるはずですよ。

ITインフラにおける企業選びのポイント

ITインフラにかかわる企業は数多くありますが、実際に務めるとなるとどの企業に就職すれば良いかわからず悩んでいる人も多いでしょう。

ITインフラエンジニアの企業選びで、重要なポイントが2つあります。

1つは、「上流工程に携われる企業」であること、もう1つが「ホワイト企業」であることです。

インフラエンジニアが企業を選ぶときのポイント

この2つが満たされた企業で仕事をすることが、将来必要なキャリアパスを形成しつつ求められるエンジニアとして安定して働くことができるでしょう。

この2つの条件に当てはまらなければ、どんなに有名な大企業に務めたとしてもインフラエンジニアとして将来大成できなくなってしまう可能性があります。

なぜこの2つがポイントなのか詳しく解説します。

上流工程に携われる企業にする

インフラエンジニアの仕事は、大きく「上流工程」と「下流工程」の2つに分けることができます。

上流工程は「設計」「構築」、下流工程は「運用」「保守」「監視」業務が該当します。先ほど紹介した「マネジメント」や「ITコンサルタント」は上流工程のさらに上位業務に該当します。

上流工程に携われなければ、インフラエンジニアとしての成長はある一定のところで止まってしまい、将来求められるエンジニアであり続けることができなくなってしまいます

なぜなら、IT業界は技術革新が早く次々に新しい技術が開発されています。社会や企業から求められるエンジニアは、最新技術を駆使して、上流工程を担当できるスキルを持ったエンジニアです。最適なキャリアプランは、保守や監視などを担当して実務を通してスキルを磨き、ゆくゆくは上流工程を担当することが望ましいでしょう。

そのため、キャリアパスとして上流工程がある企業を選ぶことは、将来のキャリア形成を考慮すると非常に重要です。

ホワイト企業を選ぶ

いくら上流工程へのキャリアパスがあり、将来役立つスキルが身に付く企業に就職しても、ホワイト企業でなければ長く安心して勤めることができないでしょう。

インフラエンジニアの仕事は、ネットワークやサーバー、セキュリティなどの知識やスキルを駆使して仕事をする専門職です。また、ITインフラは24時間365日安定して動くことが求められているサービスであり、障害が発生した際は、迅速に復旧させなければなりません。

大規模障害が発生すると、休日・深夜にかかわらず現場に駆けつけて対応しなければならず、復旧するまで何日も泊まり込みで対応しなければならないこともあります。そのような緊張の中で毎日仕事をするので、障害が続くと心身ともに疲れてしまう人もいるでしょう

そのため、後日代休がしっかり取れるのか、リフレッシュ休暇など仕事を離れて気分転換できたり、家族と過ごす時間が多いなど、ワークライフバランスに優れたホワイト企業を選ぶことも重要です。

例文で解説! インフラエンジニアの志望動機

インフラエンジニアを目指している人の中には、どのように志望動機を組み立てて企業にアピールすればよいのかわからず悩んでいる人も多いでしょう。

インフラエンジニアは、需要が高く、将来性も高い仕事である反面、エンジニアの数が不足しています。その分、未経験者や他のエンジニアの経験者がジョブチェンジする場合でも、ポイントを押さえてしっかり理由を語ることができれば難しくはないでしょう。

そこで、インフラエンジニア未経験者と他のエンジニア経験者が、どのように志望動機を作れば良いか例文を提示して解説するので、参考にしてみてください。

エンジニア未経験

インフラエンジニア未経験者でIT業界そのものが未経験の場合は、アピールすべき点としてエンジニアとしての資質が高いことを具体的に示しましょう。

インフラエンジニアに求められる資質は、次の3つです。

インフラエンジニアに向いている人の3つの特徴

そのため、将来有望な資質を持っていること、その企業でなければ達成できないことを盛り込んでアピールすると効果的でしょう

それでは、一例を挙げるので参考にしてみてください。

志望動機

「私はこれまで営業として、顧客のニーズを正確に把握するためコミュニケーション力を活かして提案や交渉経験を積み重ねて参りました。

課題解決なので、顧客の悩みをよく聞くのはもちろんチームや他部署の関係者と協力関係を構築して、課題を一緒に解決してまいりました。

御社は、インフラを通した社会貢献を理念とされ、官公庁のインフラを手掛ける企業の中でシェア率No.1であり続けています。私は将来、国や行政を支えるインフラを通して人びとに安心・快適に生活できる環境を提供するインフラエンジニアとして活躍したいとのキャリアビジョンを持っています。

これまで培った経験を御社でぜひ活用し貢献し、御社の掲げる社会貢献を達成したいため志望しました」

インフラエンジニア以外の経験者

他のエンジニア経験者であれば、仕事は違えどITインフラについてある程度理解していなければならないでしょう。

そのため、未経験者のような資質を持っていることに加えて、インフラエンジニアとして即戦力になりうる人材であることをアピールしましょう

それでは、一例を挙げるので参考にしてみてください。

志望動機

「私はこれまでWEB系エンジニアとしてブログラミングをおこなってまいりました。業務の中でインフラエンジニアの人と一緒に仕事をする機会も多く、話をしているうちに、インフラはITシステムの基盤として社会生活や企業経営になくてはならない重要なサービスとしてインフラエンジニアに興味を持ちました。

そして、インフラエンジニアに必要なネットワークやサーバーのスキルを学び、私もインフラを通して人びとの生活や安全を支え社会貢献できるエンジニアになりたいと思いました。

御社は、証券会社や銀行など金融系機関を得意先として取引され、大規模なプロジェクトを多く手掛けられています。

これまで培った経験をもとに、プログラミングによってインフラの最適化や効率化を図りつつ、利用者に快適にストレスなくサービスを利用していただきながら、自分自身は将来大規模なプロジェクトの管理者として御社の信用と発展に貢献したいため志望いたしました」

インフラエンジニアに役立つ資格5選

インフラエンジニアとして仕事するためには、多くの専門的な知識やスキルが必要になります。

特に「ネットワーク」「サーバー」「データベース」「セキュリティ」のスキルはインフラエンジニアとして仕事をするうえで必須といえるでしょう。

そこで、インフラエンジニアに役立つ資格を5つ紹介します。それぞれどのような資格か解説するので、取得の際の参考にしてみてください。

CCNP

シスコシステムズ社が認定する資格は、ネットワークの知識やスキルが証明できる世界基準の資格として非常に有効です。

今回紹介するCCNPは、同社が認定している5つのレベルのうち、プロフェッショナルレベル3に該当する資格です。

シスコ認定資格

シスコシステムズ社は、ネットワークにおける世界No.1のシェアを誇る企業であり、同社が認定する資格を取得していると、ネットワークの仕事をするうえで世界で通用するような資格となっています。CCNPは、プロフェッショナルレベルだけあって、取得するには深いネットワークの理解が必要なので、簡単に取得できる資格ではありません

逆に、CCNPを取得しているとネットワークの設計や構築といった上流工程を担当できる知識が証明できる資格としてインフラエンジニアの仕事に役立つでしょう。

関連記事:CCNPとは|年収・難易度から勉強方法までを実例付きで解説
     CCNPの難易度は? 取得のメリットや勉強方法を解説!

LPIC レベル2

LPICは、LPI(Linux Professional Institute)の認定資格で、Linuxサーバーの技術者であることを認定する資格です。

LPICは、レベル1からレベル3の3段階に分かれていて、数字が上がるほど上位資格となっています。

LPICグレードランクの一覧

LPICレベル2は、Linuxサーバーの操作や管理に加えて、Linuxサーバーの構築に関する知識やスキルが問われます

個人で使用するPCのOSはWindowsを使っている人がほとんどだと思いますが、企業で使用するサーバーはLinuxを使っているケースが多いでしょう。Linuxは、オープンソースのOS(オペレーティングシステム)であり、誰でも無料で利用できて、必要に応じてカスタマイズも可能と使い勝手が良いのが大きな特徴です。

そのため、サーバーの知識やスキルを学ぶためにLPICを取得することは非常に役立つ資格といえるでしょう。

関連記事:LPICの難易度を例題も交えて徹底解説|基本情報から就活への活かし方も紹介

オラクルマスター Silver

オラクルマスターとは、オラクル社が認定しているデータベースに関する資格です。

同社はデータベースにおける世界シェアNo.1であり、オラクルマスターを取得すると世界で通用するデータベースの技術者として証明できる資格となっています。

オラクルマスターは、「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4つのレベルがあり、Platinumが最も上位の取得難易度が高い資格となっています。

データベースエンジニアに適した資格

オラクルマスター Silverは下から2番目に位置する資格ですが、主にデータベースの運用・管理に関する知識とSQLに関するスキルを身につけることができます

インフラエンジニアとしてデータベースを扱う知識やスキルがあることは非常に重宝されるため、取得するとエンジニアの幅を広げることができるでしょう。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストは、国家資格の中でも最上位のレベル4に該当する非常に取得難易度の高い資格となっています。

IT系国家試験の一覧_NW

ネットワークスペシャリストで問われる内容は、ネットワークに関する全般におよび、広く深い内容が問われます。

ネットワークの知識に加えて、実際の実務形式で課題解決に関する問題やマネジメントに関する内容も問われるため、プロジェクトマネジメントができるスキルをも証明できる反面、その分非常に取得が難しい資格となっています

また、取得難易度が高いこと、国家資格なので取得したときの評価は非常に高く、インフラエンジニアとして上流工程以上のキャリアを目指すうえでぜひとも取得しておきたい資格のひとつです。

関連記事:ネットワークスペシャリスト試験とは|難易度から勉強方法まで紹介

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティに関する国家資格です。ネットワークスペシャリストと同じく、国家資格の中でも最上位のレベル4に該当する非常に取得難易度の高い資格となっています。

IT系国家試験の一覧_SC

以前は、情報セキュリティスペシャリスト試験と呼ばれていたため、こちらの名前で知っている人もいるのではないでしょうか。

セキュリティに関する資格ですが、出題範囲は、ネットワークやデータベース、アプリケーションも含まれるなどIT技術に関する知識も問われ、実務形式で課題解決に関する問題や要件を回答する問題があるなど非常に取得が難しい資格となっています

また、近年巧妙化するサイバー攻撃に対する情報資産の防御が重要なので、トラブル解決に関する問題も出題されています。

セキュリティは、今やITインフラになくてはならない重要な技術であり、その重要性は近年のセキュリティ事故が与える信用の失墜と賠償額の大きさから、企業も特に重要視している技術です。

ITインフラを理解してインフラエンジニアを目指そう!

ITインフラの構成から業務内容、求められる知識やスキルについて、理解できたでしょうか。

ITインフラは、ITサービスの基盤であり重要な技術であるとともに今後ますます発展する将来性の高い仕事です。ITインフラエンジニアには、マネジメントやスペシャリスト、ITコンサルタントといったキャリアパスも豊富にあるので、高収入が見込める仕事でもあることも魅力のひとつです。

そのためには、キャリアパスが実現できる企業選びが重要なので、資格取得などスキルが証明できるようにしっかり準備しておきましょう。

ITインフラを理解してインフラエンジニアを目指しましょう。

転職に迷ったらやってみよう!【エンジニア診断】

記事の監修責任者

飯塚 寛也
エンジニアとして移行調整・NW更改作業・クラウドシステムの設計・構築等を手掛ける。 入社2年目でネットワーク最高資格であるCCIEの筆記試験に合格。 人材開発室にてCCNA/CCNPの勉強会を50回以上開催、100名以上の合格者を輩出し、スクール事業の礎となる。
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