
CCNAの合格点は? 試験改定後の傾向や勉強方法を解説
2022.04.27
ネットワークエンジニアに転職したい方、経験者でスキルアップを考えている方の中には「ネットワークスペシャリストってどんな資格?」「難易度や取得のメリットは?」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか?
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク関連の国家資格の中で最高峰に位置する資格です。
この記事では、ネットワークエンジニアを極めるなら取得したい「ネットワークスペシャリスト」の資格の内容や取得のメリット、勉強方法まで解説していきます。
目次
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ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の中で最高峰である高度情報処理技術者試験の一つです。経済産業省が定めるITスキル標準の最難関であるスキルレベル4に相当します。
ネットワークスペシャリスト試験の対象者について、試験を実施している情報処理推進機構(IPA)は「ネットワークの固有技術からサービス動向まで幅広く精通し、目的に適合した大規模かつ堅牢なネットワークシステムを構築し運用できるネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す方」と定義しています。
受験者はネットワークの技術的な知識だけでなく、サービスの安定稼働のための技術を理解しておく必要があります。
国家資格の最高峰である「高度情報処理技術者試験」は、「プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル」の上級試験で、9個の分野に分類されています。その中でも「ネットワークスペシャリスト試験」はネットワークに特化した資格試験です。
ネットワークの知識だけでは合格することは難しく、ネットワークに関連したセキュリティやサービスについても理解しておく必要があり、年によってはサーバの知識も必要とされる問題も出題されます。
試験区分 | 略号 | 技術分野 |
---|---|---|
ITストラテジスト試験 | ST | 経営とIT戦略 |
システムアーキテクト試験 | SA | 業務とITデザイン |
プロジェクトマネージャ試験 | PM | ITマネジメント |
ネットワークスペシャリスト試験 | NW | ネットワーク |
データベーススペシャリスト試験 | DB | データベース |
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 | ES | IoTと組み込み |
ITサービスマネージャ試験 | SM | ITシステム運用 |
システム監査技術者試験 | AU | システム監査 |
情報処理安全確保支援士試験 | SC | セキュリティ |
試験では、実際の実務に沿ったシナリオ形式で問題が出題され、ネットワークの知識や技術を使っていかに問題を解決するかが問われます。
関連記事:システムアーキテクトとは|国に認められた上級システム設計者の証
IPAの統計情報によると、毎年の合格者の平均年齢は33歳前後です。社会人経験10年前後で合格している方が多いのが特徴です。
平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | |
受験者平均年齢 | 35.0才 | 35.2才 | 35.4才 | 35.9才 | 36.1才 |
合格者平均年齢 | 32.8才 | 33.1才 | 33.5才 | 33.6才 | 33.4才 |
参考サイト:IPA 統計情報
ネットワークスペシャリストドットコムによると、最年少合格者が10代、最高齢合格者が60代となっており、ネットワークスペシャリストの受験者層は学生・社会人など関係なく幅広い事がわかります。
また、過去には13歳で合格した方や67歳で合格した方もおり、難易度は高い試験ではありますが年齢に関係なく合格可能な資格であるといえます。
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試験の難易度は、ネットワークに関する知識量や実務経験の有無などで個人差がありますが、国家資格の最高峰なので、最高の難易度であるのは間違いありません。
まずは試験の難易度を理解するために、シラバスを確認して現時点における自分のネットワークの知識と比較するところから始めましょう。IPAから試験範囲と簡単な内容についてシラバスが公開されていますので、こちらをダウンロードして確認しましょう。
参考サイト:「ネットワークスペシャリスト試験(レベル4)」シラバス(Ver.4.0)
ネットワークスペシャリストは、ITスキル標準のスキルレベル4に相当します。同じスキルレベル4のネットワークの資格としては、CCIE(Cisco技術者認定資格)があります。
CCIEは選択式試験と実機試験の2つに合格する必要があり、ベンダー資格の中では難関資格の一つです。試験体系や内容は異なりますが、ネットワークスペシャリストの難易度もCCIEとほぼ同等であるといえます。
また、CCIEはルータやスイッチを中心としたCisco独自のネットワーク技術がメインですが、ネットワークスペシャリストはネットワーク技術に加えて、ネットワークに関する企画・要件定義から開発・運用・保守まで幅広く理解しておく必要があります。
関連記事:ネットワークエンジニアにおすすめ資格一覧|年収や難易度まで紹介
ネットワークスペシャリストに合格するためには午前に2回、午後の2回の合計4回の試験に合格する必要があります。
午前Ⅰの試験ではネットワーク以外にも、数学やコンピュータの基礎理論など、IT全般の基礎知識に関する問題に加えて、セキュリティやマネジメントの分野からも幅広く出題されます。その他、経営や監査、法律に関する問題も出題され、こちらはネットワークエンジニアとして経験や知識豊富方でも、実務で経験する事があまりないため、新しく勉強が必要になります。
また、午後の2つの試験は両方とも課題に対する問題解決を行うシナリオ形式の問題で、長文読解力も必要になります。
ネットワークスペシャリストに合格するためには、午前2回、午後2回の合計4回の試験すべてで100点満点中60点以上取得する必要があります。例えば、4回の試験のうちどれか一つでも59点以下になってしまうと、他の3つの試験が満点でも不合格になります。
午前のⅠの問題数は30問、午前Ⅱの問題数は25問の選択式なので、60点の合格ラインを越えるためには、午前Ⅰの試験では最低でも20問以上、午前Ⅱの試験では最低でも15問以上の正解は必要です。ただ、午前試験Ⅰには配点が3点のものもあるため、全問正解を狙うつもりで挑みたいところです。
午後Ⅰの試験は、3つのテーマのうちから2つを選んで解答する記述式です。配点についてはそれぞれ50点です。問題数は25問程ですが各問題の配点割合は公表されていません。
午後Ⅱの試験は、2つのテーマから1つを選択して解答する記述式です。こちらも午後Ⅰの試験同様に各問題の得点の割合は公表されていません。
午前I | 午前II | 午後I | 午後II | |
解答数 / 出題数 | 30問 / 全30問 | 25問 / 全25問 | 2問 / 全3問 | 1問 / 全2問 |
配点割合 | 各3点または4点 | 各4点 | 1テーマ 50点×2 (配点非公表) |
1テーマ 100点 (配点非公表) |
IPAが発表しているネットワークスペシャリストの合格率は、最新の令和元年の試験で14.4%です。得点分布については、午前試験では60点から80点の割合が多いのに対して、午後試験では合格ラインを下回る50点台の割合が多くなっています。このことから合否の分かれ道は、午後の試験にあることがわかります。
平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | |
受験者 | 12,407 | 11,946 | 12,780 | 12,322 | 11,882 |
合格者 | 1,811 | 1,840 | 1,736 | 1,893 | 1,707 |
合格率 | 14.60% | 15.40% | 13.60% | 15.40% | 14.40% |
また、午前Ⅰの試験の受験者数が、午前Ⅱの試験の半分になっていますが、これは応用情報技術者試験に合格した場合は午前Ⅰの試験が免除されるため、受験者の半数程は応用情報技術者試験に合格してネットワークスペシャリスト試験を受験しているためと考えられます。
ネットワークスペシャリスト試験の受験に応用情報技術者試験の合格は必須ではありませんが、応用技術者試験に合格してない方でネットワークスペシャリストを受験される方は、午前Ⅰの試験で応用技術者試験同等の知識が必須になる事を理解しておきましょう。
ネットワークスペシャリストは難易度の高い資格ですが、未経験でも合格は可能です。平成27年度の試験では13歳の最年少合格者も出ています。逆にネットワークエンジニアの経験者であっても不合格になるケースも少なくありません。
CCNAなどのベンダー資格では、実機の設定などのオペレーション経験や知識が合格のための近道となりますが、国家資格であるネットワークスペシャリストの場合は、最初は知識量が勝負になります。
過去10年程のネットワークスペシャリストの最年少合格者は毎年10代です。そのため、高校や大学受験のような、暗記とその応用力を何度も繰り返していく勉強スタイルで合格を目指すのが良いでしょう。
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ネットワークスペシャリストを取得することのメリットは、ネットワークの国家資格の最高峰であるため、ネットワークに関する高度な知識を備えているという証明になる点です。そのため、未経験者であっても試験に合格することは転職活動において有利に働くことは間違いありません。
平成27年度に労働政策研究・研修機構が行った調査では、情報通信業の人材採用において「基本情報技術者」や「応用情報技術者」を重視すると回答した企業は半数以上になっていることからも、国家資格が就職や転職で重視されている事がわかります。
基本情報技術者や応用情報技術者の上位資格にあたるネットワークスペシャリストの取得は、経験者はもちろん未経験者であっても、大きなスキルアップとなり転職に有利に働きます。
資格名 | 資格区分 | 重視する傾向 |
---|---|---|
基本情報技術者 | 国家資格 | 63.3% |
応用情報技術者 | 53.1% | |
オラクルマスター | ベンダー資格 | 30.6% |
Cisco技術者認定試験 | 22.4% |
参考サイト:「企業における資格・検定等の活用、大学院・大学等の受講支援に関する調査」平成27年
プロジェクトに参加する条件として、資格を保有していることが指定される場合があります。そのため、プロジェクトに人材を送り込むためにも、社員に資格を取得して欲しいと考える企業は多いです。
特にネットワークスペシャリストなどの国家資格は、官公庁などのプロジェクトで参加者の条件として指定される場合が多いです。官公庁などの国レベルのプロジェクトはすべての企業が参加できるわけではなくハードルが高いです。
国レベルのプロジェクトの受注は企業にとって大きなメリットです。そのため、ネットワークスペシャリストを取得した社員に対して手当を支給したり、社内のリーダーポジションを与える企業も多く、取得するメリットは大きいです。
ネットワークスペシャリストの資格取得で得た知識は「エンジニア」と「マネジメント」の両方に活かすことが可能です。
実機の設定やオペレーションなどの技術スキルメインのベンダー資格とは異なり、ネットワークスペシャリスト試験は、堅牢なネットワークシステムを構築・運用するためのエンジニアのスキルアップを目指しており、ネットワーク業務のほぼすべてを網羅した試験内容になっています。
そのため上流から運用・保守まで、エンジニアとマネジメントの両方をこなすフルスタックエンジニアとして活躍することも可能です。
ネットワークエンジニアのキャリアパスについて知りたい方はこちらも見てくださいね。
関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパスとは|目標別の成功方法を解説
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ネットワークスペシャリストの試験内容は、ネットワークの要件定義から、設計・構築、運用・管理、評価にいたるまでネットワークの業務範囲のすべてから問題が出題されます。
受験者は技術的な知識だけでなく、その技術や知識をどう使って堅牢なネットワークの構築・維持ができるかを試す問題も出題されます。そのため、マネジメント、セキュリティなどのネットワーク技術以外の知識も必要となります。
ネットワークスペシャリストの試験を受験するにあたって必要な前提資格はありません。未経験者でも合格は可能ですが、ほとんどのネットワーク初学者にとっては難易度の高い資格です。
その場合は、まずネットワークの初心者向きの資格としてCCNA(Cisco技術者認定資格)の取得を目指して、ネットワークの基礎から勉強するというのも一つの選択です。
また、ネットワークスペシャリスト試験ではコンピュータに関するIT全般の基礎的な知識も必要になるので、基本的な知識習得のためには可能であれば応用情報技術者の取得もしておきたいところです。
仮に合格していなくても4回の試験のうち午前Ⅰの試験では応用情報技術者レベルの問題が出題されますので、応用情報技術者相当の知識は必須になります。
関連記事:Cisco技術者認定資格とは? 種類・難易度と受験方法を解説
ネットワークスペシャリスト試験に合格するためには、午前に行われる「午前Ⅰ」と「午前Ⅱ」の2回の試験と、午後に行われる「午後Ⅰ」と「午後Ⅱ」の2回の合計4回の試験すべてで100点満点中60点以上の取得が必要になります。
仮に4回のうちのどれかの試験で59点以下であれば、他の試験が満点でも不合格になるので注意が必要です。また、4回の試験のうちどこかで不合格になった時点で採点そのものが行われなくなる事も頭に入れておきましょう。
例えば「午前Ⅰ」の試験に合格して「午前Ⅱ」の試験で60点に満たない場合はその時点で不合格となり、それ以降の午後の試験の採点は行われません。
ネットワークスペシャリスト試験では、特定の条件を満たした受験者に対しては、午前Ⅰの試験が免除されて、午前Ⅱの試験から受験が可能です。そのためには下記の3つのうちどれか1つの条件を満たす必要があります。
①受験日より過去2年以内に応用技術者試験に合格した
②受験日より過去2年以内に高度情報技術者試験に合格した
③受験日より過去2年以内に高度情報技術者試験の午前Ⅰに合格した
免除を希望する場合は「応用技術者試験の合格証書番号」「高度情報技術者試験の合格証書番号」「高度情報技術者試験の午前Ⅰの通過者番号」のどれかが必要になりますので、条件を満たす方は大切に保管しておきましょう。
参考サイト:情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の一部(午前Ⅰ試験)免除制度
ネットワークスペシャリストの試験は全部で4回です。「午前Ⅰ」は技術、管理、経営のIT全般の知識を広く問う問題。「午前Ⅱ」はネットワーク技術の知識中心の問題で、午後の2回の試験はネットワーク技術の知識を使って課題解決を行う問題です。
出題内容も広範囲なため幅広い知識が必要です。午前の試験についてはいくつかは過去問が再び使われる事もあり、過去問を何度も繰り返し解いて傾向を掴む事も大切です。
テクノロジ系(技術)、マネジメント系(管理)、ストラテジ系(経営)のすべての分野から出題されます。ここ数年の傾向としては、テクノロジ系50%、マネジメント系25%、ストラテジ系25%の割合になっています。
技術系の問題が半分を占めていますが、数学系の基礎理論から、コンピュータシステム、ネットワーク、データベース、セキュリティと均等の割合で出題されます。この試験の合格のためにはネットワーク以外の知識も必要となるため、過去問で傾向をつかみシラバスの試験範囲を繰り返し学習しておきましょう。
ネットワーク技術に特化した基本的な問題が80%と、残り20%はテクノロジ系(技術)、マネジメント系(管理)、ストラテジ系(経営)の分野から出題されます。問題の出題割合からネットワークの知識だけで合格可能なレベルです。
毎年の得点分布でも4回の試験の中で1番平均点が高い試験です。様々な通信プロトコルの基本的な動作から、ネットワークセキュリティまで広範囲に渡って出題されますが、ネットワークの知識があればどれも基本的で正解できる問題ばかりです。未経験者の方でもネットワークの基本的な動作を一つ一つ確実に理解して過去問を繰り返して学習する事で合格は可能です。
長文形式の問題で読解能力も必要となるため、一番最初に合否が分かれる試験です。午前試験のように知識だけで解答できる問題ではなく、ネットワークの知識をいかに使って課題を解決するかというシナリオ形式になっています。
合格のためにはまず、問題で与えられたネットワーク構成図を理解して、どんな通信が行われて、最適な通信フローが何かを正しく理解するのがポイントです。
午後Ⅰの試験と同じ形式の長文形式の問題ですが、午後Ⅰの試験よりも難易度は上がり大規模で複雑なネットワークのシナリオ問題になっています。
午後Ⅰの試験同様にネットワークの動作を理解するという点が合格へのポイントになりますが、午後Ⅰの試験のレベルに加えてマネジメントの要素を必要とする問題も出題されます。
ネットワーク構成図以外にも、要件のために与えられた図や表を理解して課題を解決するという能力も必要になります。
ネットワークスペシャリスト試験の出題形式ですが、午前Ⅰは問題数30問で選択式、午前Ⅱは問対数25問で選択式で、午前は知識重視の基本的な問題です。
午後Ⅰは3つのテーマから2つを選択して解答する長文形式の記述式、午後Ⅱは2つのテーマから1つを選択して解答する長文形式の記述式で、午後はネットワークの知識を使って課題解決を行うシナリオ形式の問題です。試験時間を含めてまとめると下記のようになります。
午前I | 午前II | 午後I | 午後II | |
試験時間 | 9:30~10:20 (50分) |
10:50~11:30 (40分) |
12:30~14:00 (90分) |
14:30~16:30 (120分) |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 (四肢択一) |
記述式 | 記述式 |
解答数 / 出題数 | 30問 / 全30問 | 25問 / 全25問 | 2問 / 全3問 | 1問 / 全2問 |
受験の申し込みはIPAのホームページから申し込みが可能です。2021年時点ではインターネットからの申込みのみとなっており、その他の申込み方法はありません。申込にはメールアドレスが必要になります。個人の申込みのみ可能で、団体経由での申込みはできなくなってます。
受験料は5,700円です。支払い方法は下記の3つから選択できます。
・クレジットカード決済
・ペイジー(Pay-easy)による払込み
・コンビニ利用による払込み
「ペイジー(Pay-easy)による払込み」については、別途払込手数料(186円)や金融機関によっては時間外手数料が必要となり、「コンビニ利用による払込み」については受験手数料に加えて、別途払込手数料(186円)が必要になりますのでご注意ください。申込時の注意点については下記のIPAのよくある質問も確認しておきましょう。
受験料 | 支払い方法 | 手数料 |
クレジットカード | 5,700円(税込 | – |
---|---|---|
ペイジー(Pay-easy) | 242円(税込) | |
コンビニ | 242円(税込) |
参考サイト:IPA よくある質問
試験の申込手順は下記の通りになります。
1.IPAの公式サイトにアクセス
2.申込画面で必要情報を入力する
3.支払い方法を選択
令和3年からネットワークスペシャリスト試験は、毎年4月の第3日曜日に実施されることになりました。合格発表は約2ヶ月後の6月下旬です。試験の解答の発表は、高度情報処理技術者試験の場合は2回に分けて行われます。
午前の試験について受験日の終了後当日に公開され、午後の試験については、約2ヶ月後の合格発表日の直前になります。受験後の試験の結果の通知はありません。合格者のみに合格証書が送付されます。申込から受験、合格発表のスケジュールは下記のようになります。
CCNAなどのようなベンダー資格には認定期間があり、認定期間の間に再合格しないとその資格は失効してしまいますが、ネットワークスペシャリストを含め国家資格には認定期間は設けられていません。
ただ、IT技術は日々進歩しますので国家資格に合格してから何年も経っている場合は、自身のスキルアップや最新技術の知識の確認を兼ねて再受験を行うのもいいかもしれません。
また、IPAでは資格の有効期限を定義していませんが、ネットワークスペシャリストに合格した方が2年以内に試験を受ける場合は午前Ⅰの試験が免除されるので、2年が資格の有効期間と考えてもいいかもしれません。
ネットワークスペシャリスト合格に必要な勉強時間は個人差があります。ネットワークの知識が豊富な経験者の方で60時間くらいで合格した人もいれば、経験者でも何度かチャレンジして合格したという方もいます。
まったくの未経験者の方であれば高校や大学の受験を受けるような気持ちで、半年以上のスケジュールを立てて勉強時間を確保する必要があります。まずは個人の環境にあった合格のための無理のないスケジュールを立てましょう。
令和3年からネットワークスペシャリスト試験は毎年4月の第3日曜日に実施されます。全体のスケジュール感としては勉強開始日から次の試験日までの期間を目安に計画を立てましょう。
ITの基礎理論やネットワークの知識がある方であれば自分の苦手なところを洗い出して重点的に勉強するという方法でいいですが、未経験者の方であればいつ受験するかを決めて、シラバスを確認して参考書と過去問で一つ一つ確実に知識の定着が図れるスケジュールを立てたいところです。
また、申込の受付期間の時期が限られているので、勉強に夢中になって申込を忘れてしまったという事がないようにIPAのサイトもこまめにチェックしましょう。
参考サイト:IPA ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークスペシャリスト試験では過去問が流用される場合があります。特に午前の試験では過去問が使われる場合がありますので過去問を繰り返し解いておくことは重要です。
インターネット誕生以来ずっと使われているTCP/IPの基礎技術は今後も使われていくため、過去問の流用に限らず似たような形式で問題が出題されます。イーサネット、IPアドレス、TCP/UDP、HTTP、FTP、メールなどのTCP/IPプロトコルが誕生してから現在まで変わらず使われている技術は確実に理解しておきましょう。
ネットワークの実務でもIPアドレスの計算、ルーティングプロトコルのメトリック計算などがあるように、ネットワークスペシャリストの試験でも同様に実務で行う計算は問題として出題されます。
また午前Ⅰの試験でも数学の知識が必要となる事を考えると、すべての試験で計算問題が出題される可能性があります。午前の試験では1問1答の形式ですが、午後のシナリオ問題で計算を間違えてしまうとそれ以降の解答にも影響が出る場合があります。
特にIPアドレスの計算については、問題を解くために必ずどこかで必要になってきますので、アドレスの割り当て範囲やネットマスクの計算には慣れておきましょう。
ネットワークスペシャリストの合格のためには個人の環境にあった勉強方法を見つけるのも大切です。自分のネットワークの知識がどれくらいあるか、どれくらい勉強時間を確保できるかを考えた上で個人の環境に合った勉強方法を見つけましょう。ここでは、3つの勉強方法についてご紹介します。
ネットワークスペシャリストは国家資格というだけあって、ネット上には無料でありながら有益なサイトが多数あります。うまく活用すれば未経験者の方でも学習サイトを使って合格も可能です。その中でも勉強に最適な3つのサイトをご紹介します。
ネットワークスペシャリスト試験を受験する方なら必ずアクセスする定番サイトです。過去10年程の試験問題を無料でダウンロードできます。午前の試験については解説もついてますのでこちらを繰り返し解いて午前の問題の傾向をつかむと良いでしょう
参考サイト:ネットワークスペシャリストドットコム
過去の午前、午後試験の考え方や解き方が解説されています。ネットワークの知識がある方であればこのサイトだけで合格を狙えるだけの勉強材料があります。
参考サイト:ネットワークスペシャリスト試験をWebだけで独学合格する対策リンク集
ネットワークスペシャリスト試験で出題される範囲のネットワーク技術についてわかりやすく解説されています。
参考サイト:ネスペイージス
完全に未経験者の方向きの勉強方法です。ネットワークスペシャリスト試験の合格をサポートするスクールもあり、お金はかかりますがリアルタイムで講師に質問して疑問点を解決できます。
また、スクールなので実際に通う必要がある場合は開講日に合わせてスケジュールの調整が必要です。スクールが平日しか空いてない場合は、平日に働いてる社会人の場合は時間の確保が難しくなる可能性もあります。
リアルタイムでなくとも、講師へ技術的なサポートだけ希望するという事であればメールで質問出来るweb形式のスクールもあります。通学の時間短縮や自分のすき間時間と相談してこちらを利用するのも良いでしょう。
経験者・未経験者問わず、最もスタンダードな勉強方法です。合格のためには参考者を1冊は欲しいところです。過去問は学習サイトから無料でダウンロードできますので、技術解説メインの参考書と合わせて勉強の効率アップをしましょう。
ここでは、ネットワークスペシャリスト試験のための教科書を2冊紹介します。
ネットワークスペシャリスト試験の定番の教科書です。600ページとボリュームは多いですが、試験範囲の各ネットワーク技術について詳細に解説されています。これ1冊を繰り返し勉強して、知識の定着を図ることでネットワークスペシャリスト試験の午後試験にも十分対応は出来ます。
こちらもネットワークスペシャリスト試験の定番の教科書ですが、図や画が多く視覚的に理解できる解説書になっています。
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークの知識だけで合格することは難しい試験です。特に午後の試験では、要件に対してサービスの安定稼働のためにネットワークをどうやって構築するかが問われ、実務で直面するであろう課題とほぼ同じシナリオになっています。
今後、ネットワークエンジニアとして極めるために、スキルアップの一つの手段としてネットワークスペシャリスト試験の合格を目指しましょう。
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飯塚 寛也
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