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データベースエンジニアとは|仕事内容から必要なスキルまで徹底解説

データベースエンジニアとは|仕事内容から必要なスキルまで徹底解説

データベースエンジニアという職種の名前を聞いたことがある人でも、実際にどのような仕事を行っているのか、どうすればなれるのかなどが気になっている人は多いのではないでしょうか。

データベースエンジニアは、現代のデータ社会化において重要な役割を担うエンジニアで、今後もビッグデータやAIの活用によってさらに需要の高まるエンジニアです。

この記事では、データベースエンジニアの仕事内容から、データベースエンジニアへの適性やなるために必要なスキルや資格について紹介していきます。

目次

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データベースエンジニアとは|情報を管理するプロ

データベースエンジニアは、IT業界の職種の一つで、データベースに関連したシステムの設計から構築、運用まで幅広く活躍するエンジニアの総称です。プログラマーとしてデータベースに関連するプログラミングも担当したり、システムエンジニアとしてデータベースに関連するシステム全体の管理を担当することもあります。

多くの場合、データベースにはそのシステムにおける重要な情報が大量に集まってくるので、データベースエンジニアは一般の人が知り得ないデータの傾向なども知ることができるという、非常に楽しい職種でもあります。

データベースエンジニアの仕事内容を知ろう!

データベースエンジニアの仕事は、システムやソフトウェアでデータベースが利用されると発生します。業務用のものだけでなく、一般の方々の娯楽に至るまで、広くデータを集めて活用するサービスが多くなっていて、ほぼ必ずデータベースが活用されています。

それらのソフトウェアの開発段階から運用まで、大切なデータを安全に活用するために、データベースエンジニアが活躍しています。

実際にデータベースエンジニアにどのような仕事があるのかを、システム開発の工程別に4種類紹介していきます。

データベースエンジニアの業務別仕事内容

システムの全体を設計する「設計業務」

データベースを利用したシステムを開発する場合は、まずはそのシステムの全体を設計していきます。これは、実際に作る前の設計図を描くイメージの仕事です。IT関連の業界でも、建築などと同様に、さまざまなことを考慮した設計図(IT業界では設計書や仕様書など)は非常に重要になります。

データベースに関しては、取り扱うデータの量や集まるデータの種類、そして最近ではセキュリティを考慮しての暗号化の必要の有無など、データの取り扱いについてさまざまなことを検討しながら設計していきます。他のエンジニアと協議しながら、最善のデータ管理方法を設計していくことになります。

実際に動くように作る「開発業務」

データベースを利用したシステムの仕様書や設計書といった必要書類が完成すると、実際にシステムを開発していきます。開発というと、まだない技術を新しく作り出しそうに聞こえますが、IT業界の中では新しい技術でなくても、頻繁に開発と呼ばれます。まれに開発ではなく、構築と呼ぶ場合もありますが、基本的には同じ意味合いです。

データベースエンジニアは、システム開発において、データベースを実際に動くように作っていく作業を担当します。データベースを動かすためのサーバーなどの環境構築が含まれることもあります。プロジェクトによっては、データベースエンジニア自身が、そのデータベースを利用するソフトウェアのプログラム作業まで行う場合もあります。

安定したシステムを維持する「運用業務」

データベースを使ったシステムが完成して動き始めると、開発プロジェクトのメンバーは基本的に解散することになりますが、データベースエンジニアはその後のシステムをサポートする業務に移行する場合があります。そのシステムの中でデータが原因と思われる問題の調査対応などを行って、円滑にシステムが利用できるように現場を支えます。

設計や開発などシステム完成前とは異なって、システム開発部門や実際にシステムを利用する方々との連携が増えるため、コミュニケーション能力が非常に重要になってきます。緊急性がともなうこともあって、適切な判断力も必要です。

新製品を次々開発するIT業界の中で、安定したシステムを維持管理することが目的という、少し特殊な仕事ともいえるでしょう。

非常事態に備えてデータを守る「保守業務」

データベースを利用したシステムには、定期的なバックアップのような保守作業というものが発生します。これは、非常事態が発生した場合に備えて大切なデータを保全して、可能な限り最新の状態にシステムを早く復旧させるための予防措置です。

自動で行うのが難しい外部メディアへのバックアップ作業などを定期的に手動で行うなど、さまざまな業務を行います。場合によってはデータの傾向や量などから、システムの速度改善案を提案するといった業務を行うこともあります。

一つのシステムに縛られず、複数のシステムを順番に面倒を見て回ることも多く、基本的には同じことの繰り返しになるのが保守の特徴といえます。運用に近い仕事内容ではありますが、緊急性があるものは少なく、基本的には決められたスケジュールで仕事をします。

データベースエンジニアのメリット

データベースエンジニアにはさまざまなメリットがあり、中でも関わることができる業務の幅が広いことが最大の特徴でしょう。データを扱うこと自体には業種などは関係なく、販売管理からゲームまで、本当に幅広い分野でシステムが存在しているので、データベースエンジニアは幅広い業種に関わっていくことができるのです。

また、企業経営に近い情報を取り扱うことも多く、そういった知識を学べる機会が得やすいのも特徴といえます。

企業内の中核を担うシステムを「基幹システム」と言いますが、その中心には必ずデータベースが存在します。企業の利益などを分析する場合にも、必要な情報はデータベースから取り出して算出するので、経営者が必要とする情報などについて大変多くの知識を得ることができます。

データベースエンジニアのデメリット

データベースエンジニアの最大のデメリットは責任重大であることです。

多くの場合、データはシステムの心臓に当たるので、ここに少しでも間違いが存在するとシステム全体が意味のないものになるほど致命的な欠陥になります。銀行システムを含め、データにはお金が関係していることも多く、冷汗がでるほど責任感が問われる職種です。

また、データベースエンジニアの仕事は、きついと言われます。忙しいというだけではなく、保守の作業などは業務時間外に行うこともあって、勤務時間が不規則になったり、短い作業時間で急いで対応をしなければならないなど、楽ではありません。夜間のオフィスで寒い中バックアップ作業を行うこともあるかもしれません。

データベースエンジニアの年収は520万円

データベースエンジニアの平均年収は、2021年10月時点の求人ボックスの情報では547万円で、令和二年の日本国税庁発表の平均給与が433万円なので、平均よりも高いことになります。ただし、データベースエンジニアの給与幅は広く、求人としては350万円くらいから1000万円くらいまでの幅があるのが現状です。

平均年収.jp 求人ボックス
データベースエンジニア 500~1000万円 547万円

給与の幅はスキルに依存するところが多く、スキルが高い人は多くの仕事や工程に関わることができるため高い給与を得られる傾向があります。たとえば設計ができる場合は600万円以上、さらにそのほかのスキルがあれば1000万円を超えるような人もいます。

逆に決められた作業を行うだけのデータベースエンジニアの給与は、それほど高くない傾向にあるでしょう。

データベースエンジニアの将来性

データベースエンジニアは、データベースを利用したシステムを設計・構築していく仕事をしますが、ここ数年でその仕事には変化が起きています。その主な原因はクラウドの活用にあります。

クラウドの中にはデータベース機能を搭載したものも多く、データベースエンジニアほどの専門的な知識が必要ない場合があります。そのため、自社でサーバーを立ててそこでデータベースを管理するオンプレミス構成だけを対象とするデータベースエンジニアになるのはオススメできません。

今後はデータベースに関するスキルとともに、クラウド活用に関する知識も要求されつつあります。両方を提案し最善の方法を決定できると、今後もさまざまなシステム開発で活躍できることでしょう。

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データベースエンジニアに求められるスキル

データベースエンジニアに必要とされるスキルは、データベースに関する単純な知識だけではありません。膨大な量のデータを効率よく管理していくためにも、広い視野で物事を考える思考力なども求められます。

データベースエンジニアに求められるスキル

ここでは技術的な内容について、具体的にどのようなスキルや思考力が必要とされているのかを紹介していきます。これからデータベースエンジニアを目指そうという方は、ぜひ参考にしてみてください。

データベースに関する技術的な知識

データベースエンジニアはIT業界の技術職の一つなので、当然ながらデータベースに関する技術的な分野においては知識が必要になります。

プログラマーやシステムエンジニアといった職種でもデータベースに関する基本的な知識は必要になりますが、データベースエンジニアはそういった職種の人達よりも高度で専門的な知識が要求されます。

大きな違いの一つには、設計や開発といったリリース前の知識とは別に、リリース後の運用面を見すえた技術的な知識の必要性が挙げられます。データベースエンジニアに必要となる具体的な知識について、以下に3つ紹介します。

データベースに関する技術的な知識

データベースエンジン

データベースは、それ自体がデータを蓄えるシステムであり、ソフトウェアでもあります。当然ながら1種類ではなく、世の中には多くのデータベースが存在していて、業界ではそれらのことをデータベースエンジンと言います。

データベースエンジンの有名なものには、SQL ServerやOracle、PostgreSQLなどがあります。これらは開発会社も異なりますが、動作する環境が異なったり、得意なことがあったりと、それぞれに特徴があります。

それぞれのデータベースエンジンの特徴を理解したうえで、システム開発する際に最適な提案ができる必要があり、また実際のサーバー環境のうえで、データベースが動くように構築できる能力が必要となります。

問い合わせ言語「SQL」

データベースにデータを入れたり、取り出したりといった作業には、SQLという共通の問い合わせ言語が用いられるのが一般的です。データベースエンジニアは、それらの文法はもちろん、現場で使える効率的な問い合わせ方法について熟練している必要があります。

この分野については、プログラマーやシステムエンジニアでも得意な人も多く、場合によってはそういった職種の人たちと協議して最善の方法を検討することもあるでしょう。

SQLでデータを制御する知識があるということは、データベースの設計をするうえでも非常に重要となります。熟練したデータベースエンジニアは、設計されたデータベースの構造を見るだけで、その設計者の力量や知識量を見抜けるようになるでしょう。

関連記事:SQLとは|基本構文からエンジニア就活まで徹底解説!

運用ノウハウ

データベースエンジニアの仕事には、データベースを利用したシステムを構築するだけでなく、そのシステムが動き始めた後の定期的なバックアップや最適化など、運用におけるさまざまなノウハウも必要となります。

これには、データベースが動作する環境であるOS(オペレーティングシステム)の知識や、長期運用にともなうデータベースエンジンの特性などを理解しておく必要があります。

技術的な知識ではありますが、書籍やインターネットの情報などから得ることが難しい知識でもあり、データベースエンジニアとしての長い経験によって培われ、身についていく技術でもあります。現場で前任者や先輩などからそのデータベースシステムの特徴など、運用に関する知識を教わることも多いでしょう。

論理的な思考力

技術的な分野の話ではなく考え方についてですが、プログラマーやシステムエンジニアといったほかのIT職種と同じように、論理的に物事を考える能力が必要となります。

抽象的だったり、曖昧なものはほとんど存在しないコンピューターの世界では、一つずつ確実に積み上げていって、必ず最終目標に辿りつく必要があり、そういった考え方ができることは非常に重要なことです。

データベースエンジニアは運用のサポートを行うこともあります。障害が発生した場合などには、砂漠の砂のような大量のデータの中から、問題の一粒の砂にたどり着く道を発見して、その原因の究明と関係者への報告といった仕事をしなければなりません。特に調査をする際には、筋道を立てて原因を追い詰めていく論理的な思考力が要求されます。

全体を把握して個々を考える能力

データベースエンジニアには、広い視野と細かい注意力の両方を同時に発揮して、バランスよく考える能力が必要です。一般的には非常に細かいデータを延々と管理しているようなイメージがあるかもしれませんが、意外なことに広い視野で物事を考える能力も必要となります。

データベースは、さまざまなデータが絡み合った蜘蛛の糸のような構造をしているため、全体を俯瞰で見渡したうえで、バランスを考慮しながら個々の事象について検討して、対応をしなければなりません。

そして当然ながら、細かなデータの細部についてまで間違いのない、完璧な状態であることは絶対条件なので、小さなことも見逃さない注意力も必要になるでしょう。

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データベースエンジニアに向いている人の5つの特徴

データベースエンジニアは技術職なので、技術的な知識は必要ですが、適性がない人が技術職になってしまうと、実際の業務で苦しむことになるでしょう。この章ではデータベースエンジニアに適性がある人の特徴を紹介するので、自分の性格などと比較して参考にしてみてください。

データベースエンジニアに向いている人の5つの特徴

当てはまらないから向いていないと悲観する必要はありませんが、適性がある人の方が、日々のデータベースに関する業務をいっそう楽しみながら取り組みできる可能性は高いでしょう。

多くの情報を分析するのが好きな人

日々の生活の中や学校などの集団生活の中でも、紙にまとめられた情報やExcelなどの表計算ソフトなど、数々のデータと出会う機会があるでしょう。そういったデータだけでなく、さまざまな人間関係や、歴史のような学問も含め、入手した情報からさまざまな分析や予測をすることが楽しめる人は、データベースエンジニアへの適性があるといえるでしょう。

データベースは、個々のデータが紐のように論理的な関係を持った状態でつながって存在しています。それらを手繰っていきながら、さまざまなことを考えなければならないのがデータベースエンジニアの仕事でもあるので、そういったことを楽しめる人は非常に有利でしょう。

物事を広い視野で考えることができる人

データベース自体は細かなデータが大量に存在している集合体で、構造も非常に大きなものが多いのが特徴です。

そのデータベースを利用したシステムともなると、さらにアプリケーションやサーバーといった要素が絡み合って、相互につながった状態で動いているので、全体を把握するのが大変な規模であることはよくあります。

データベースは全体の中心に存在していて、全体に対して目を配らなければならない、システムの心臓とも言える要素です。

物事に対して、一歩引いた立場から客観的に広い視点で考えられる人は、システムのすべてを考えるデータベースエンジニアへの適性があるといえるでしょう。

違う発想を思いつける人

他のエンジニアと同じくデータベースエンジニアも発想が必要な局面が度々あります。データベースシステムは、長い期間の間に大量のデータを蓄積するので、既存の方法では管理に不都合が生じることがあるため、従来の方法に固執せず、未来を見すえて最善の方法を立案できる必要があります。

これは結構難しく、どうしても既存の方法に思考をひきずられて考えてしまいがちで、突飛な方法はリスクの観点から歓迎されないこともよくあります。しかし、抜本的な改革こそ必要な局面があるのも事実で、そういった際に真新しい考え方を提示できる人は非常に頼りにされます。

コミュニケーションが得意な人

データベースエンジニアの仕事は、コミュニケーションが必要なさそうに誤解されがちですが、どの工程でもコミュニケーション能力が非常に重要になります。

データベースを設計する際には、各担当者からデータベース設計におけるヒントを得ることも重要です。将来的な拡張方針などを知ることができれば、そういった未来のことを考慮した設計に活かせることもあるでしょう。

システムの運用については、半分以上がコミュニケーションといっても過言ではありません。システム利用者は技術者ではない場合がほとんどで、一般的な人の話を聞いて、技術的な解釈に落とし込み、さらに解決後は一般の人が理解できる言語に再度翻訳して説明しなければなりません。

間違いが嫌いで細かいことまで正確な人

データベースエンジニアの仕事は、本当に小さなデータの間違いも許されない、細心の注意を必要とする仕事です。金額のデータが1桁違うと大惨事になることは、エンジニアでない人にもご理解いただけるのではないでしょうか。

細部まで完璧な状態に仕上げる必要があるので、普段の生活などでも細かいことも気にしたり、間違いを許せないような性格の人は、適性があるといえるでしょう。

芸術品のように美しいデータのつながりが、まるでアートのようであったとしても、その芸術には寸分の狂いもなく、すべてが計算されつくされた幾何学模様のようなものです。計算され尽くされた、間違いのない世界が好きな人は、データベースエンジニアに向いています。

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データベースエンジニアに適した資格3選

データベースエンジニアに資格が必須というわけではありません。無資格で活躍されている方も大勢いますが、さまざまな場面で持っていると有利になる資格が存在しています。

ここで紹介する資格を持っていると、特に初対面の相手に自身の能力を証明することができるので、技術的な側面においてデータベースエンジニアへの適性があることを示すことができます。

データベースエンジニアに適した資格3選

資格合格には勉強も含めて大変な労力を必要としますが、以下を参考にして、ぜひ取得してみましょう。

データベーススペシャリスト

データベースエンジニアとして、ぜひとも取得したい資格の一つに「データベーススペシャリスト」という経済産業省が認定している国家資格があります。最も難しい分類であるスキルレベル4に相当する高度情報処理技術者試験に分類され、合格率は10%を切る年もあります。

試験内容には、データベースの設計や問い合わせ言語のSQLに関するものなどが含まれます。選択式の午前の試験と、論述式の午後の試験に分かれていて、論理的に物事を説明できる文章力も必要とされます。実務経験がある人を対象とした試験なので、合格者の平均年齢は30歳前後ですが、受験資格に年齢制限などはなく毎年10代の受験者からも合格者が出ています。

Oracle Master

経済産業省の認定試験である国家資格とは別に、IT関連のソフトウェアなどを提供している各事業者の認定試験としてベンダー資格というものがあります。データベース関連で特に有効な資格として「Oracle Master(オラクルマスター)」があります。

Oracle Masterは、日本オラクル社が提供するデータベースであるOracleを効率的に扱うことができる技術力を証明する資格です。Oracleデータベースはシステムに導入されていることも多く、このデータベースに対する技術証明ができると、現場ではかなり信頼されます。

また、そのほかのデータベースに対しても、一定の知識や技術力を有していると判断されることも多いので、ベンダー資格ではありますが効果は絶大です。

基本情報技術者試験

高難易度の資格ではありませんが、多くの場面で有効な国家資格が「基本情報技術者試験」です。ITに関する広い知識を問われ、データベースは基礎的なことだけが含まれます。

データベースエンジニアは、確かにデータベースに対する専門的な知識を要求されますが、それ以外の部分との連携も多く、広い知識は強力な武器にもなります。

また、この資格はデータベースエンジニアだけでなくIT関連の職種のほとんどに有効で、認知度も非常に高いので、最低スキルレベルを証明する非常に有用な資格といえるでしょう。

試験内容もすべてが選択式で、取得自体の難易度も高くないため、基礎的な知識を個人の勉強で身に着けて取得することは十分可能でしょう。

基本情報技術者試験について、もっと詳しく勉強方法などをまとめた記事があるので、そちらも参考にしてぜひ取得を目指してみてください。

関連記事:基本情報技術者試験の攻略ガイド|日程から勉強方法まで完全網羅

データベースエンジニアになるには

データベースエンジニアになるためには高いスキルを習得する必要があり、それと同時に十分なコミュニケーション能力を有していることを証明する必要もあります。難易度の高い職種なので、IT業界のほかの職種からキャリアアップとして目指すことも一般的です。

データベースエンジニアになるには

ここでは、それぞれの職種で身に付くスキルや、有利になる点について紹介します。これからIT業界への転職をご検討されている方にも参考になるように、IT関連の職種が未経験の場合を含めていくつか紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

プログラマー・システムエンジニアから

プログラマーやシステムエンジニアは、データベースを利用する側の職種です。システムエンジニアは、プログラマーよりも設計に近い部分で仕事をしますが、基本的には効率よくデータベースを利用することを考え、システムを構築していく職種です。

これらの職種に就くと、システム全体の中でのデータベースの役割などが理解できます。データベースがシステムの各要素とどういった関係性をもっていて、何に注意をしなければならないのかといったことが理解できるでしょう。

また、現役のデータベースエンジニアと一緒に会議に参加する機会も得られるので、彼らの発言から学べることも多いでしょう。IT業界における仕事の流れも理解しやすいので、別の業界から転職してデータベースエンジニアを目指す場合は有力候補です。

プログラマーやシステムエンジニアについては、別途詳しく紹介をした記事があるので、そちらもぜひ参考にしてください。

関連記事:プログラマーとは|仕事内容や年収から向いている人や資格まとめ

     IT業界の花形 システムエンジニア | 仕事内容から年収まで解説

保守の担当から

データベースシステムの保守の担当者からも、データベースエンジニアへキャリアアップを目指すことが可能です。データベースシステムの保守をすることで、主にデータベースを活用したシステムにおける運用ノウハウが蓄積できるのが特徴です。

書籍やネットの情報などから得られる知識とは異なり、運用におけるノウハウという技術は、現場で経験を積まないと習得が難しいので、運用経験があるということは非常に強力な武器になるでしょう。

保守担当は高額な給与を得られないことも多い職種ではありますが、向上心を持って技術的な知識も身に着けて、積極的にコミュニケーションも取ることで、多くの人の信頼を勝ち取っていけば、自然にデータベースエンジニアへの道が開けてくることでしょう。

未経験から

IT業界まったくの未経験からデータベースエンジニアに挑戦することは困難ではありますが、不可能ではありません。ただ、データベースの運用については経験が重要視されることも確かで、就職活動などでは少し工夫が必要になるでしょう。

有効な方法は、求人の募集要件に「未経験可」と記載がある募集を検討することです。採用後の教育体制が整っている企業などでは、初期スキルや経験を重要視せず、適性をもとに採用判断をする場合があります。転職サイトなどを活用してこのような募集を注意して探してみましょう。

また、プログラミングスクールなどを利用する方法も有効です。未経験の場合は特に、スキルの習得から就職まで面倒を見てくれるサービスは非常に心強いでしょう。

未経験からまずエンジニアを目指す場合に必要な情報をまとめた記事もあるので、そちらも参考にしてみてください。

関連記事:未経験からプログラマーになれる?|おすすめ言語や面接対策を紹介

     未経験でもなれるネットワークエンジニア|売り手市場のインフラ業界

データベースエンジニアからのキャリアパス5選

データベースエンジニアは、IT技術職の中でも非常に高いスキルを要求される職種ではありますが、この職種からさらにキャリアアップをすることもできます。

ここでは、キャリアパスとしてよくある5つの職種を紹介します。実際のデータベースエンジニアが、現場でどういった知識や経験を得て、それがキャリアアップ後にどのような影響を与えるのかも具体的に解説しています。

データベースエンジニアのキャリアパス5選

日々の業務で学ぶべきことや未来の自分の道筋を確認するために、ぜひ参考にしてみてください。

① プロジェクトマネージャー

データベースは、システム開発のプロジェクトにおける中心的な位置づけであることが多く、データベースエンジニアをしていると、プロジェクトに参加している各部門と頻繁に調整などを行う機会があります。そういった経験を生かして「プロジェクトマネージャー」へとキャリアアップしていくことは、よくあることです。

設計開発から、運用までの広い知識を有しているため、プロジェクトの最初から開発完了後までを見すえたロードマップを構築できて、マネージャーとして非常に優れた働きができるのが最大の強みです。

データベースエンジニアの職務範囲に固執せず、システムエンジニアや他のエンジニアと密なコミュニケーションを心掛けて、社内外からの信用を十分高めていくことが非常に重要です。

プロジェクトマネージャーについて詳しく解説した以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:プロジェクトマネージャー| 仕事・年収から役立つ資格まで解説!

② アプリケーションエンジニア

データベースはシステムの中でも非常に重要で、そのデータをもとにしてアプリケーションはさまざまな動作をしなければなりません。

データベースエンジニアは、データの流れを設計し構築しますが、さらに末端までデータの流れを面倒見たいと考える人は、アプリケーション構築のスペシャリストとして「アプリケーションエンジニア」へキャリアアップすることもあります。

アプリケーションエンジニアは、広い意味ではプログラマーですが、広く専門的な知識から、現場では別扱いとなるのが一般的です。他のエンジニアよりも広い視点から捉え、効率的な設計や構築ができるのが大きな強みです。

人の目に触れるアプリケーションの構築に携わることで、新しい喜びを感じられる非常にやりがいのあるキャリアパスです。

③ AIエンジニア

現在IT業界で特に注目されている技術の一つがAIです。AIは、膨大な情報をもとに最適な方法を検討する仕組みで、その膨大な情報はデータの集合体なので、データベースエンジニアから、AIに関して特化した「AIエンジニア」になることは、非常に理にかなっています。

データの取り扱いを多く経験したデータベースエンジニアは、AIの機械学習から分析に大きなアドバンテージがあります。

データベースの取り扱い以外に、AIアプリケーションを構築するPythonやC++などのプログラミング言語の習得は必須になりますが、多くの企業がAIによる業務効率化などを検討している現代のIT社会では、非常に将来性があるキャリアパスといえるでしょう。

関連記事:最先端の技術職AIエンジニアとは? 仕事内容から将来性まで解説

④ ITコンサルタント

IT業界の中心ともいえるデータベースに関して多くの経験を持っているデータベースエンジニアは、ITの活用などを的確にアドバイスする立場である「ITコンサルタント」という職種にキャリアアップすることも可能です。

新しいソフトウェアの設計開発だけでなく、運用や保守などを含めた長い期間でIT資産の活用を助言できることが最大の強みです。

ITコンサルタントを目指す場合は、データベースに関する分野に留まらず、システムの目指す方向性などを広い視野で理解して、開発を進める責任者との密接なコミュニケーションによる強固な人脈形成が必要になります。

そういった人達から信頼を得られれば、技術的なエンジニアとしてではなく、適切な助言を求められるコンサルタントしての道が開けてくるでしょう。

⑤ データアナリスト

膨大なデータを取り扱うデータベースエンジニアには、データの傾向を知る機会が得られ、データに基づいた意見が、プロジェクトの方向性を決定づけることも少なくありません。そういった経験から、データ分析の重要性を認識したエンジニアは、「データアナリスト」への道へ進むことがあります。

データアナリストは、データサイエンティストと呼ばれることもあり、データに基づく判断基準を意思決定者に助言する立場にある人です。データの取り扱い経験を活かして、蓄積したデータから有用な情報を抽出できるのが最大の特徴です。

データの中で、意思決定者である経営者層などに有用なものを見抜く、経営的な思考力が要求されます。目の前の業務だけではなく、より広い視点で物事を考える努力が必要でしょう。

データベースエンジニアへのよくある質問

データベースエンジニアは、特にIT業界の外からは仕事内容が分かりづらいようで、さまざまな質問を目にします。ここでは、なかでも代表的な質問について、それぞれ回答を記載しています。

データベースエンジニアに対して不安に思うことなどを解消して、改めてデータベースエンジニアを目指す励みにしていきましょう。

孤独な職種ですか?

データベースという人ではないものを管理するイメージがあるからか、孤独と思われることがあるようですが、実際には孤独な職種ではありません。

データベースエンジニアの仕事の中で、設計や開発といった工程では、プログラマーやシステムエンジニアを始めとした各種技術職の人との頻繁な打ち合わせなどがあり、運用においてはシステム利用者と技術者の橋渡し的な役目となって、業務の半分以上が人とのコミュニケーションといえるくらい、孤独とは縁遠い仕事です。

保守については、一人で作業することもありますが、それでも保守の計画や報告などもあるので、孤独になることはほとんどないでしょう。

きつい仕事って本当ですか?

データベースエンジニアへの転職を相談すると、きつい仕事だからやめとけと助言されることもあるようです。確かに重大な責任もあり、多くの技術的なスキルも要求されるので、決して楽ではないでしょうが、それは大きなやりがいでもあって、他の職種以上の達成感を得られる仕事であるともいえるでしょう。

IT業界に限らず仕事は楽ではないでしょう。その仕事を少しでも楽しむために、自身の適性にあった仕事を選択することは重要です。データベースエンジニアへの適性がある人は特に、楽しみながらデータベースと関わっていけることでしょう。

IT職種の中で年収は良い方ですか?

IT業界の中にはさまざまな職種があり、その中におけるデータベースエンジニアの年収が気になる人も多いようなので、参考程度ですが以下に簡単な年収の表を記載しておきます。

求人ボックス DODA マイナビ転職 平均年収.jp
プロジェクトマネージャー 618万円 664万円 591万円
セキュリティエンジニア 585万円 600万円
データベースエンジニア 547万円 500~1000万円
ネットワークエンジニア 546万円 455万円 439万円 655~800万円
サーバーエンジニア 546万円 463万円 439万円
システムエンジニア 506万円 473万円 445万円 550万円
プログラマー 437万円 417万円 353万円 426万円
WEBエンジニア 430万円 419万円 387万円 490万円

ただし、この表は職種ごとの平均的な年収を記載しているもので、IT業界では各職種の年収に特に大きな幅があります。

データベースエンジニアの平均年収は、プロジェクトマネージャーに次いでいるように、一般的には高い傾向にあると言えますが、低めになっているSE(システムエンジニア)の人でも1000万円くらい稼いでいる人も大勢います。逆にデータベースエンジニアの求人でも300万円くらいからの募集もあるほどです。

IT業界についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:みんなの憧れ!IT業界とは|職種や企業、年収までわかりやすく解説

将来性が不安なのですが?

データベースエンジニアについて非常に多く見かける質問として、将来性に対する不安が挙げられるでしょう。

データベースの需要があり続けることは疑いようがないですが、近年のクラウドの登場によって、従来の設計開発とは異なった活躍が期待されはじめています。

サーバー機器を準備して、その中で動くデータベースを構築するような仕事は、クラウドの登場によりある程度減少しています。運用後のシステムについても、クラウドでは多種多様な機能を提供していることも多く、現場ではそういった機能を有効利用することを検討しています。

データベースエンジニアには、従来の知識や価値観に固執するのではなく、それらも包括しての最善を提案できる技術力が求められる時代になってきています。

必要なスキルを習得しデータベースエンジニアを目指そう

データベースエンジニアは、IT業界のデータを取り扱う高度なエンジニア職種の一つであり、大きな責任がある一方で、大変なやりがいを感じることができる楽しい仕事です。多くの人から頼りにされ、IT業界だけに留まらない広い知識や経験が身に付いて、キャリアパスも魅力的なものが多い職種でもあります。

データベースエンジニアになるのは簡単ではありませんが、ぜひこの記事を参考にして必要なスキルなどを習得して、それぞれの方法でデータベースエンジニアを目指してみてみましょう。

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記事の監修責任者

飯塚 寛也

エンジニアとして移行調整・NW更改作業・クラウドシステムの設計・構築等を手掛ける。 入社2年目でネットワーク最高資格であるCCIEの筆記試験に合格。 人材開発室にてCCNA/CCNPの勉強会を50回以上開催、100名以上の合格者を輩出し、スクール事業の礎となる。
監修責任者からのメッセージを読む
株式会社アプエンテ 職業紹介責任者(010-190717133-004) 情報処理技術者試験 ネットワークスペシャリスト試験(第NW-2021-04-00112号) Cisco認定試験 CCNP Enterprise 認定/CCNA

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