特別インタビュー

エンジニア以外の経験も貴重な武器|「自走」で成長の機会を手繰り寄せよう

日本M&Aセンター フルスタックエンジニア 大藤 孝太さん

日本M&Aセンター フルスタックエンジニア 大藤 孝太さん

Kota Oto・新卒でインテリア小売業の大手企業に入社し、店舗マネジメントや接客、在庫管理などを経験。その後、プロマジシャンとしての活動を経て、未経験ながらエンジニアとして再就職した。航空管制システムや電気自動車の制御システムの開発をおこない、AWSに興味を持ったことをきっかけにIT系のコンサルティング会社に転職。AWSを用いたクラウド自動基盤の構築・運用を担当した。現在は日本M&Aセンターでフルスタックエンジニアを担う

接客で培ったコミュニケーション能力がエンジニアとしても武器になった

実は新卒で就職活動をするにあたって、最初はやりたいことがありませんでした。そこで、とにかく幅広い業務経験を積める会社に入り、働く中でやりたいことを見つけようと考えたのです。

その中でインテリア小売業の大手企業から内定をいただきました。その企業は、数年おきにさまざまな部署・職種への配転をおこなう「配転教育」に力を入れていて、1、2年のスパンでいろいろな業務を経験できる点が魅力に感じ、入社することに決めたのです。

入社してからは、基本的に店舗運営の業務がメインだったのですが、アルバイトスタッフのマネジメントや接客、クレーム対応や在庫管理など幅広い経験をすることができました。

特にいろいろな顧客と何千回も接した接客の経験は、エンジニアになった今も活きていると感じます。エンジニアはただコードを書くだけではなく、エンドユーザーと呼ばれるシステムを実際に使う人や社内の関係者とコミュニケーションをとる機会が多々あります。そうした場面で、接客で培ったコミュニケーション能力が武器になるのです。

私は新卒からエンジニアになろうと思ったわけではなく、はたから見ると遠回りに思えるかもしれません。しかし、エンジニアになった今、決して無駄な経験はないと実感しています。

プロマジシャンへの挑戦でわかった好きと仕事を両立する難しさ

新卒の会社で2年ほど過ごす中で、元々興味を持っていたマジシャンとしてご飯を食べていきたいと思うようになりました。

マジックは中学3年生から社会人になるまで続けてきた趣味の一つ。そんな好きなことを仕事にしたいと思い、マジシャンとして独立しようと考えたのです。若いうちしか挑戦できないという思いも、独立を決める要因になりました。

しかし、いざマジシャンとして独立してみると、毎月の収入を自分で稼ぐ必要があり、ボーナスも出ません。これまで当たり前にもらっていた給料がなくなり、会社員のありがたみを実感した時期でしたね。

同時に好きなことを仕事にするのは、とても難しいとも感じました。マジックを仕事にするとなると、営業や人脈づくり、イベント主催者とのやり取りなど、マジック以外の部分も自分でやる必要が出てきます。そのため好きだからといって必ずしも成功したり、仕事を楽しいと感じたりするわけではないことも学びました。

専門的なスキルを身に付けたいと考えマジシャンからエンジニアへ

日本M&Aセンター
フルスタックエンジニア
大藤 孝太さん

プロマジシャンを1年ほど続けましたが、これ以上マジックだけで生活していくのは難しいと感じました。

マジックを披露するイベントは夜が多く、昼夜逆転の生活になり、とてもハードだったのです。30〜40歳になったときのことを考えると、金銭的にもワークライフバランス的にもこのままやっていくのは厳しいと思いました。そこで、会社員に戻る決心をしたのです。

会社員に戻るといっても、これからは専門的なスキルを身に付け、極めていきたいと考えていました。プロマジシャンとしての生活は厳しいものでしたが、同時に、個人に対してお金が支払われることに仕事のやりがいを感じたのも事実です。そこで会社員になったとしても、自分自身が身に付けたスキルに対して給料が支払われる状態の方が、仕事のモチベーションは湧きやすいと思いました。

そのようなことを考えているとき、大学の授業でプログラミングを勉強して楽しかったことを思い出し、未経験でもエンジニアとして入社できる会社に就職することにしました。このとき入社した会社は、エンジニアを始めるきっかけになったので、私にとってターニングポイントです。

エンジニアの経験がないと、技術力をアピールできず、面接などでつまずくこともあるかもしれません。ただ、技術力以外にもこれまでの社会人経験が武器になります。私も新卒時代の店舗マネジメントや接客経験が、未経験でもエンジニアとして採用してもらえるきっかけになりました。

最初の1年半ほどはエンドユーザーとエンジニアの橋渡しや調整業務がメインでした。そこから開発をやりたいと手を挙げて部署を異動させてもらい、航空管制システムや電気自動車の制御システムの開発をおこなうようになりました。

特に電気自動車の制御システムを開発した経験は印象に残っています。燃費を向上させるためのシステムだったのですが、実際の車に搭載してテスト運転してみると、システムのおかげで燃費が良くなることが目に見えてわかるのです。開発したシステムの効果が見えたことで、初めてエンジニアとして仕事の面白さを感じることができました。

できることが増えて成長実感を得られなくなり次の挑戦へ

次にIT系のコンサルティング会社に転職することになるのですが、きっかけは技術研修に参加したことでした。そこで「AWS(アマゾン ウェブ サービス)」に触れる機会があり、クラウド上で、世界中のあらゆるサービスの土台を担っている点に魅力を感じました。

既存システムのクラウド化が加速していた時代だったので、需要のある技術だとも思い、のめり込んでいったのです。

そのとき、研修で講師をしていた人に、一緒に仕事をしないかと誘ってもらい、AWSのインフラエンジニアとして転職することにしました。その会社では、基本的にクライアントから依頼を受け、AWSを用いたクラウド基盤の構築や運用業務をメインにおこないました。

オンプレミスとAWS(クラウド)の違い

その企業では受託の仕事がメインだったので、しばらく仕事を続けていると、自分のできる範囲が狭いように感じ始めました。

基本的にAWSを用いたインフラ構築・運用がメインの仕事であり、それ以外の仕事を任されることはありません。そのため、仕事でできることが増えるごとに成長実感を得られなくなっていったのです。

さらに、AWSのインフラを極めるためにはアプリケーションの知識も必要だと感じ始めた時期でした。なぜならAWSで動かすシステムはアプリとインフラが融合しているケースも多く、システムの構造をきちんと理解するためにはアプリの経験も必要だと感じたのです。

そこで、インフラ以外の業務にも携わりたいと思い、事業会社である現在の日本M&Aセンターに転職しました。

大藤さんのキャリアヒストリー

「システムを実際に使う人」に感謝されることが何よりの喜び

現在は事業会社で働いていますが、前職で受託の仕事を通じていろいろな会社を見れたことは自分にとって非常に大きい経験でした。いろいろな会社の技術や運用方法を見れたことが、エンジニアとして強みになっていると思います。その経験のおかげで、事業会社では会社のニーズをもとに、手段にこだわらない開発ができています。

たとえば現在の日本M&Aセンターに入社してからインセンティブ計算システムを作りました。これまで経理担当者がインセンティブの計算をMicrosoft Excelでおこない、給料に反映していたのですが、それを自社のシステムに置き換えるというものです。

インセンティンブ額に誤りがあると問題になってしまいますが、計算を属人的におこなっていたり、多重の確認がおこなわれていたり、はたまた金額の根拠となる計算式が明示されていなかったりして、社員からの問い合わせも多くありました。そこで、人の手を介すことによるミスをなくし、計算過程を可視化する目的でシステムを開発しました。

このときインフラの構築だけでなく、企画やアプリの開発も含めて1人でおこないました。M&A仲介の会社であり、システム構築の有識者が多いわけではない中で、これまでの経験やインターネットに散らばっている情報をもとになんとかシステムを作り上げることができたのです。これが、いきなり事業会社からキャリアをスタートしていたら、一気通貫での開発はできなかったと思います。

システムを開発したことで、おかげさまで経理の方からとても感謝していただきました。実際に使う人から、直接感謝されるシステムを開発できたのは何よりの喜びです。

成長実感を得やすい点がネットワークエンジニアの魅力

これまでの経験を振り返り、ネットワークエンジニアの魅力は2つあると考えています。

1つは、今後も継続して需要がある仕事だということです。私の場合、クラウドのインフラの話になってしまいますが、現在さまざまなサービスのクラウド化が世の中的に進んでいます。そのため、クラウドサービスの需要は今後も拡大し続ける中で、その基盤となるインフラのニーズもなくなることはないと考えています。

2つ目は、やった分だけスキルが身に付き、成長を実感できる点です。私は過去、接客などの経験もありますが、身に付いたスキルがわかりづらく、成長実感をなかなか得られないことにもどかしさを感じたこともありました。

その点、ネットワークエンジニアは経験やスキルを積み重ねていくことで、できることも増え、成長実感を得やすいと思います。私自身も、エンジニアとしてできる範囲が広がり、成長実感を持てること自体がすごく楽しいのです。

大藤さんが考えるネットワークエンジニアの魅力

「自走」を常に意識して少しずつでも手を動かす

これまで、エンジニアとして自走できるかを意識して仕事をしてきました。言われたことだけをやるのではなく、自分で考えて動くことで成長の機会を手繰り寄せる。それが結果的に、キャリアアップにつながります。

特に最近のクラウドサービスの傾向としてインフラだけを見ると構築がどんどん楽になってきています。そのためインフラだけでなくIoT(もののインターネット)やAI(人工知能)など、関連する情報を能動的にキャッチアップして組み合わせていく姿勢が大切だと思います。

最後になりますが、エンジニアになりたての頃はエラーでつまずいて嫌になることもあるかもしれません。ただ、そこで立ち止まってはエラーも解消しませんし、エンジニアとしての成長も遅くなります。

そのため、検索して対処法を見つけたり、エラーの原因を特定するために検証したりなど、少しずつでも手を動かすことを意識してください。その積み重ねが、エンジニアとして成長し、キャリアアップのきっかけになります。

大藤さんと描くネットワークエンジニアの未来

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