特別インタビュー

専門外の経験がキャリアを尖らせる|営業の視点から見たエンジニアの明るい世界

イノコス 営業部長 加藤 耕平 さん 

Kohei Kato ・1979年生まれ。飲食店運営企業に入社し店舗開発を担当。その後、企画・制作の仕事に興味をいだき広告代理店に転職。6年ほど勤務するも、IT業界への興味と、コンパクトな会社ながらも多くのユーザーを抱えるシステムを提供するイノコスに興味をもちに入社。営業マネージャーを経て現職

羨ましさも感じるエンジニアの仕事ぶり

イノコスは、デジタル放送機器の輸入販売や開発、独自クラウドサービスの提供、映像伝送・配信システムのインテグレーションを手掛けるIT企業です。

何度かの転職を経てイノコスに入社して感じたことは、IT系企業の特徴かと思いますが、自由な雰囲気があるということです。オフィスに社員のものらしきロードバイク(自転車)が停めてあったり、ゴルフのアプローチの練習用具が置いてありました。広告代理店も比較的自由な方ではあると思いますが、IT系のそれとは少し違う印象です。

その違いは働き方の違いから生まれるのかもしれません。広告代理店は1日8時間、週5日しっかり働きましょうというスタイルですが、イノコスは違います。

どちらかと言えば、気を抜いて休めるときはゆったりと休み、働くときには驚くような集中力を発揮して仕事をする。そのエネルギーの発揮の仕方がIT企業らしさなのかもしれません。

加藤さんが考えるイノコスで働く魅力

専門分野を決めない方がスペシャリストへの近道に

さて、私はこのイノコスにおいては営業サイドの人間であり、私自身が技術的な仕事をしているわけではありません。しかし日々エンジニアと触れ合ってはいますから、その中で彼らの働き方を見て、外部から見えるネットワークエンジニアの魅力について話してみます。

社内の技術部には10人ほどのメンバーがいて3つのチームに分かれて仕事をしています。システムインテグレーション・チームは海外の放送機器メーカーのハードウェアを使ったシステムを日本の放送局などの顧客企業のために構築するのが仕事です。

開発チームの主な仕事はプログラムの開発。そして運用/サポート・チームがトラブル対応や機器の交換など、納入後の顧客との技術的なやりとりを担当します。加えてイノコスが自社サービスとしてクラウド提供しているスマホやPC向け動画配信プラットフォームの設計や運用も担当しています。

技術部にネットワークエンジニアのスペシャリストはいないものの、3つのチームのいずれでもネットワークエンジニアの知識は必要とされます。またそれ以上にネットワークエンジニアにはプログラムやクラウドに関する知識なども求められます。

つまりネットワークエンジニアとして極まるためには、エンジニア全般にかかわる幅広い知識を持ち経験を広げることが必要だと思うのです。

ですから、たとえば前職が営業担当であったり飲食系に勤めていた者が転職してネットワークエンジニアなどの技術職を目指しても何らおかしくないですし、他分野からの転身を試みる価値はあると思います。

逆説的な言い方ですが、初めからスペシャリストを目指さず、幅広く仕事を経験した方が結果的にエンジニアとしてスペシャリストに近づける。彼らの仕事を同じ会社の内側から見ていると、そう感じます。

私はエンジニアではありませんが、この会社で営業をする以上はエンジニアの知見がなければ社内外で相手にされません。ですから以前も今も必死で勉強しています。

エンジニアの世界は、技術が急速に進化するのに合わせて必要とされる知識も変わっていくため、それをフォローしていくのは並大抵のことではありませんでした。

しかし、逆に言えば次々と変化していく最新の技術を取り込むことで前に進み、常に新しい世界と向き合えると捉えれば、ITエンジニアは仕事として面白いだろうなと思っています。

IT業界の3つの「あり」

技術進化の受け止め方を変えて広がった世界

私にとってターニングポイントになったのは、ある新しい技術進化に対する受け止め方を変えたことでした。その技術進化とはクラウド(※1)技術です。5、6年ほど前にAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が登場し、クラウドビジネスの普及が一気に加速しました。

それに伴い我々の仕事にもクラウド技術が不可欠になったのです。クラウド案件の提案や構築など新しい技術を理解して使いこなすのは難しそうだと感じていました。

しかし何とか食らいついてプロジェクトをまとめ上げてみたら、むしろクラウドの方が根本的に考え方をシンプルに整えられる点でやりやすいことがわかりました。言ってみればクラウドの中身はブラックボックス。

だからこそ、何を入れたら何が出てくるか、何ができるのかだけをシンプルに考えればいいのだという考えになりました。

そう理解したことが、IT全般に対する考えの変化ももたらしたのです。専門知識のハードルは考えていたほど高くはないのだと考えられるようになりました。

もちろん営業レベルの話で技術部のエンジニアたちと同列には考えられませんが、要するに新しい技術も難しく考えすぎず、受け入れることから始めればハードルを乗り越えやすいと気づいたわけです。

技術進化の受け止め方の変化がターニングポイントに

※1 クラウドとは、インターネット上でサーバーやネットワーク環境を構築すること。これにより、自社でサーバーやネットワーク環境を持たなくても、クラウドサービスを利用することでそれらの構築が可能となる。

身近なエンターテインメント業界とかかわり裏で支えられるのもネットワークエンジニアの醍醐味

放送や映像配信にかかわるIT企業で仕事をしていると、エンターテインメント業界にかかわることも多く、それも楽しい事柄のひとつです。無観客ライブのオンライン配信を手掛けたり、テレビ番組をインターネット上で提供するプラットフォームを裏側で支えたりする仕事にもかかわりました。

自分も日頃から楽しんでいるエンタメ分野の仕事にかかわれるのは、私もそうですがエンジニアにとっても非常に嬉しいことです。 ただネットワークエンジニアのスペシャリストには、そうした仕事の醍醐味だけでなく付随して高額な報酬も付いてきます。

私がかかわった案件では、2日間働いてもらったネットワークエンジニアのスペシャリストに1日100万円近い報酬を支払ったこともあります。

人気プロスポーツの試合映像をクラウドに上げ、そこから各放送局などに提供するシステムを構築したのですが、そのためには物理的に多くの機器やスイッチを設計・構築する必要がありました。

そのためにはそのネットワークエンジニアの力が必要不可欠だったのです。そこで、エンジニアのトップクラスになると大変な報酬を手に入れられるのだと感心した覚えがあります。

トップにならずとも設計、構築、保守、運用まで1人でできるようなエンジニアになれば、将来は明るいでしょう。今後、世の中のDXはどんどん進むのに対し、地方や現場でエンジニアが不足するはず。

そこで全部をマルチにこなせる人は引っ張りだこになることまちがいないでしょう。

ネットワークエンジニアの醍醐味や魅力

どんな場でも自分の存在感を示すことが大切

これからの人材に求められるのは学習能力だと思います。これはエンジニアに限らずどんな職種にも共通します。より正確にいえば、能力というより「やろうという気持ちの強さ」です。

同じ案件に携わっても、自分で積極的に学んで吸収した成果を活かして、提案の形でアウトプットできる人は伸びます。

また成長を望む新入社員に対して具体的にアドバイスしているのは、どんなシチュエーションでも自分のプレゼンスを出すように努力しろということ。社内ミーティングだろうが、客先での打ち合わせだろうが、それを徹底的に意識する。

私は新入社員に対して、居ても居なくても同じような存在としてミーティングに参加するくらいなら参加するなと言っています。プレゼンスを発揮する意識を持って参加すれば、社内や客先でのミーティングは、これほど学べる場は他にないとさえ言えます。

これは、我々のような営業職にも、ネットワークエンジニアをはじめとする技術職にも、共通して言えることだと思っています。これからネットワークエンジニアを目指す皆さんにも、ぜひここだけは忘れずに業務に臨んでほしいです。

そうすれば自ずと成長が伴ってくると思っています。

加藤さんと描くネットワークエンジニアの未来

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