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ネットワーク通信の基礎「ルーティング」の要点をわかりやすく解説!

「ルーティング基礎」の要点をわかりやすく解説!

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ルーターとは

ルーターは、OSI参照モデルのネットワーク層で動作する機器のことです。

パケットに含まれるIPヘッダの情報(宛先IPアドレス)を確認したあと、ルーティングテーブルを参照してパケットを転送します。データリンク層においては、Ethernetヘッダのタイプフィールドを確認することで、ネットワーク層で使用されるプロトコルを識別しています。

IPはレイヤー3で一番使われているプロトコルで、IPv4のほかにIPv6などもあります。

ルーティング

ルーティングとは、ネットワーク上でデータを送信する際に、宛先IPアドレスをもとに最適な経路を選択してデータを送信することです。ルーターなどのレイヤー3の機器がルーティングをおこないます。

ルーターとルーティング

たとえば、「大久保駅に行きたい人」がいたときに、「駅への生き方を教えてくれる人」のようなものがルーターのおこなうルーティングの役割です。

下図において、PC1からPC2への通信が発生する場合、PC1からのパケットには、送信元アドレスが「192.168.1.1」、宛先アドレスはPC2のIPアドレスである「192.168.3.1」という情報が含まれています。

まずルータAがパケットを受け取ったら宛先アドレスを確認して、ルーティングテーブルの情報を参照します。下図の場合、ルーターAのルーティングテーブルには3行の情報があります。宛先IPアドレス「192.168.3.1」に該当するネットワークは3行目の「192.168.3.0/24」です。このネットワークの範囲には「192.168.3.1」~「192.168.3.254」までのアドレスが含まれているので、これが今回の宛先ネットワークになります。

ルーティングの仕組み

つぎに、ネットワークに届けるためにネクストホップを参照します。ネクストホップとは、該当のネットワークに届けるために次に経由するIPアドレスのことです。

この図でいうとルーターBの「fa0/0」に設定されている「192.168.2.253」というIPアドレスがルーターAから見た「192.168.3.0/24」のネクストホップになります。送出インターフェースは該当のネットワークに到達するためにパケットが送出される自分のインターフェースのことです。

つまり、ルーターAは「192.168.30./24」に届けるために、自分の「fa0/1」のインターフェースから送出して、ルーターBの「192.168.2.253」にパケットを転送する。

ルーターBがパケットを受け取ると、ルーターAと同じくルーターB自身のルーティングテーブルを参照して、宛先ネットワーク「192.168.3.0/24」に送るために、直接接続しているインターフェース「fa0/1」からパケットを転送します。

このようにして、PCAからPCBへ通信できるようになっています。

ダイナミックルーティング

ダイナミックルートを使ったルーティングをダイナミックルーティングといいます。また、ルーティングプロトコルというプロトコルによって、学習したネットワークのことをダイナミックルートといいます。

ダイナミックルーティングは、スタティックルーティングとは異なり、あるネットワークへの経路が障害などで使用できなくなっても、自動的に迂回経路を探して、自動的(動的)に経路を切り替えることができます。

ただし、自動的とはいうものの、各ルーティングプロトコルの設定は必要になります。

ルーティングプロトコルを動作させる都合上、スタティックルーティングと比較してダイナミックルーティングのほうがルーターの負荷は高くなってしまいます。

設定の工数としてはダイナミックルーティングのほうが少ないため、現在の企業ネットワークにおいては、ダイナミックルーティングのほうが多用されています。

項目 スタティックルーティング ダイナミックルーティング
経路の設定 ip routeコマンドで手動設定 ルーティングプロトコルで動的に学習
経路の更新 変化なし 動的に経路学習して更新する
ルーター負荷 CPU/メモリを消費(消費量はプロトコルによる)
管理負荷 小(ルーティングプロトコルに対しての知識が必要)
用途 小規模ネットワーク向け 大規模ネットワーク向け

スタティックルートの場合

下のようなトポロジの場合、トポロジ上のすべての経路を学習させるためには、R1に3つ、R2に4つ、R3に3つ、R4に4つの合計14のスタティックルートを設定する必要があります。

そのためには「ip routeコマンド」で宛先アドレス、サブネットマスク、ネクストホップを指定するコマンドを14回も打ち込むことになり、それだけ管理者の負荷は高くなってしまいます。

スタティックルート

ダイナミックルートの場合

ダイナミックルートでは、各ルーターがほかのルーターに通知(アドバタイズ)します。

そうすると、同じルーティングプロトコルが動作しているルーター同士で、自分と直接接続しているネットワーク(自分が知っている情報)を通知(アドバタイズ)しあい、通知された情報は、さらにほかのルーターに通知します。

ダイナミックルートの場合は、各ルーターでルーティングプロトコルを有効化し、直接接続しているネットワークを通知する設定をするだけなので、ネクストホップを調べる必要もなく、設定工数を減らすことができます。

ダイナミックルーティング

AD値(アドミストレーティブディスタンス値)

ルーターにはスタティックルートとダイナミックルートを混在させることができます。また、ダイナミックルートのなかでも「RIP」と「OSPF」など異なるダイナミックルートを複数設定することもできます。

そのような状況で、ある1つのネットワークに対して複数の経路情報があった場合、どの経路を最適経路としてルーティングテーブルに登録するかを判断する指標が「AD値」です。

それぞれのルーティングプロトコルやスタティックルートなどの登録情報源によってAD値が異なります。ルーターは最もAD値が低い(信頼度が高い)経路を最適経路としてルーティングテーブルに登録します。AD値は0~255までの範囲です。

信頼度 AD値 情報源
高い











低い
0 直接接続
1 スタティックルート
20 eBGP
90 EIGRP
110 OSPF
120 RIP
200 iBGP

表:シスコ機器におけるデフォルトのAD値(一部掲載)

下図においてR1は192.168.4.0/24の情報源として以下の2つがあります。

  • 192.168.2.2をネクストホップとしたスタティックルート
  • 192.168.5.5をネクストホップとしたOSPFのルート
AD値(スタティックルート)

シスコ機器における各AD値はスタティックルートが「1」OSPFが「110」です。この場合スタティックルートのAD値が最も小さいので、ルーティングテーブルにはスタティックルートで学習した情報が登録されます。

ルーター1のルーティングテーブルの記載のとおり、「192.168.4.0./24」の情報源は「S(スタティックルート)」、ネクストホップが「192.168.2.2」、送出インターフェースが「fa0/1」になっています。

ただし、OSPFで学習した経路はあくまでルーティングテーブルに登録されないだけで学習はしています。

下図において、ルーター1とルーター2の間の「192.168.2.0/24」のネットワークがダウンした場合、ルーティングテーブルにはOSPFで学習した経路が登録されます。

AD値(ダイナミックルート)

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記事の監修責任者

飯塚 寛也

エンジニアとして移行調整・NW更改作業・クラウドシステムの設計・構築等を手掛ける。 入社2年目でネットワーク最高資格であるCCIEの筆記試験に合格。 人材開発室にてCCNA/CCNPの勉強会を50回以上開催、100名以上の合格者を輩出し、スクール事業の礎となる。
監修責任者からのメッセージを読む
株式会社アプエンテ 職業紹介責任者(010-190717133-004) 情報処理技術者試験 ネットワークスペシャリスト試験(第NW-2021-04-00112号) Cisco認定試験 CCNP Enterprise 認定/CCNA

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