CCNAの合格点は? 試験改定後の傾向や勉強方法を解説
2022.04.27
INTERVIEW 特別インタビュー
特別インタビュー
Tsukasa Uehara・大学卒業後、新卒でSIer企業に入社し、ネットワーク、仮想化ソフトウェアの提案・構築、保守運用業務に従事。転職後、官公庁のホームページのDRサイト構築や、UTMを利用したサイバーセキュリティ対策環境の構築を担当した。その後、地元の会社を経てクラウドに挑戦したいとの思いからBlueMemeに入社。社内クラウド環境の設計・構築・運用保守に加え、顧客のインフラ環境の設計などを担当する
元々、エンジニアになる予定はありませんでした。父親が大工をしており、大学を卒業した後は、地元の沖縄に戻ってその手伝いをしようと思っていました。ただ、大学4年生のとき、具体的な進路がまったく決まっていないことを大学の職員の方が心配してくれて、企業が集まるイベントへの参加を促してくれたのです。それが、転機となりました。
イベントに行くと、会社説明をしていたSler企業の人事担当者の方から「東京の本社で面談をするから一度来てみなよ」と言われました。言われた通り面談に行った結果、大学での経験なども買われたようで、内定をもらうことができたのです。東京での滞在をもう少し楽しもうという気持ちで、内定をもらったSler企業に就職することにしました。
この出会いは本当に偶然で、大工ではなくIT企業に就職することになるとは思ってもいませんでした。やりたいことが特にはなかったため、とりあえず信用できる大学職員の言うことを聞いてみようとイベントに参加し、面談に行った結果、IT業界に足を踏み入れることになったのです。
入社前は、どんな業務をおこなうのかまったくイメージはついていませんでした。しかし、現場での研修やその成績を踏まえて配属されたのが、インフラの構築をおこなう部署。大学は理系で、プログラミングをやっていたこともあり、その経験やスキルを活かす道へ進むことができました。
私はとりあえず調べて、やってみるという性格です。インフラの構築をおこなう仕事には決まったマニュアルや正解があるわけではないため、自分の「とりあえずやってみる」という性格が合っていたのだと思います。指示されるまで待つのではなく、自分で調べて試してみるという環境で、自分の力を発揮することができました。
その当時、インフラエンジニアはまだまだニッチな職種で、誰も教えてくれない状況。そんな自分で学ばざるを得ない環境が私には最適でした。
2年目になると、常駐していた大手SIerのチームメンバーととても仲良くなり、仕事も一層面白くなってきました。エンジニアと聞くと一人で黙々と作業をするイメージを抱く方も多いかもしれませんが、むしろそれは逆で、当時の私はみんなで議論したり考えたりしながら、新しいアイデアを生み出す楽しさを味わうことができました。
今振り返ってみると、私が携わっていたSIerの仕事は正解がないからこそ、チームで議論しながら、最適解を模索する姿勢が大事になるのです。
この常駐先では、仮想化技術に特化したインフラ環境の構築をおこなっていました。仮想化とは、アプリケーションごとに異なるネットワークやサーバーなどを組み合わせて集約する技術です。
仮想化をおこなうためには、ネットワークやサーバーだけでなく、ストレージやOSまでさまざまな要素を組み合わせる必要があり、常駐先で仮想化の業務に携われたことで業務範囲も広がりました。
私としてはある1つのことを突き詰めるよりも、インフラ全体に触れられるという幅広さに惹かれる部分がありました。さらに外資系企業のオフィスでの仕事だったので、日本企業のオフィスとは違った環境で働く経験も新鮮だったことを覚えています。
このときの経験は、私のエンジニアとしてのターニングポイントになりました。チームで働く楽しさを感じたのはもちろん、仮想化技術に触れたことでさまざまなツールを組み合わせてインフラを提供するのが、インフラエンジニアの役割だと理解したためです。
1つの分野に特化するよりも、いろいろな技術やツールを理解したうえで、最も適切な組み合わせを提案する考え方が確立されていきました。どんな技術やツールがあるのかを把握していないと適切な提案ができないからこそ、最新技術のキャッチアップを意識するようになったのもこの頃ですね。
チームで働く楽しさを感じ、業務範囲を広げる中で次第にこれまでの経験を活かしてもっと規模の大きい案件に挑戦したいと思うようになりました。今までは割と周囲の言うことを聞いてキャリアを選択したところがあったのですが、初めて自分の「やりたい」に気づいた瞬間でした。
また、親が大工をしていることもあり、私の業界や担っている業務内容を話してもなかなか伝わらないことにもどかしさを感じていました。ただ、知名度のある企業や組織で仕事をやった経験なら理解してもらえると思い、親や親戚に話せるような仕事をしたいと考えていたところでした。
そこで、公共機関や自治体、テレビ局など比較的規模感の大きい案件に携われる会社に転職しました。このとき印象に残っているのが、オリンピック関連のウェブサイトの保守・運用をおこなう案件です。3人という少数での運用体制でしたが、大きな障害もなく無事に役目を終えた経験は、良い思い出です。
大きな案件をやり終えた達成感から、だんだんと地元に戻りたいと思うようになりました。そこで地元での就職活動を経て、今度は金融系の会社のIT部門に就職することになります。しかし、仕事をおこなう中でどうしてもこれまでやった案件と規模感を比べてしまい、IT部門に予算をかけられない現状にもギャップを感じるようになっていきました。
加えて「クラウド」という言葉が注目を浴びていた時期で、また新しい挑戦をしたいと考える中で、たどり着いたのが今の会社です。BlueMemeはOutSystemsというローコード開発基盤を採用しており、ローコードならば開発経験がないインフラエンジニアでもシステム開発ができることから、さらに広い知見を持てるのではないかと思い入社しました。
入社後は実際にOutSystemsの資格を取得し、システム開発者として複数のプロジェクトに携わりました。その後、社内でのインフラエンジニアの不足が問題になったことから、転職前に思い描いていた通り、現在はクラウド基盤の構築をメインに担当しています。
OutSystemsでのシステム開発経験をしたことで、開発メンバーがOutSystemsでの開発におけるインフラ面でどのような課題に直面しているのかがよく理解できます。それにより、よりいっそう開発チームをサポートできるようになりました。
これまで手掛けてきた仕事は、仮想化技術に特化したインフラ環境やクラウド基盤の構築がメインで、インフラエンジニアの中でもネットワークエンジニアと呼ばれる仕事をしてきました。こうした過去の経験を振り返り、改めてネットワークエンジニアの魅力を考えると、2つあると思っています。
1つは、システム開発やアプリ開発の上流から下流まで、すべてに携われる点です。たとえばアプリの仕様を決める段階でも、ネットワークエンジニアであればこれぐらいのユーザー数を見込む場合は「ロードバランサー(複数のサーバに負荷を分散させる装置)」が必要になる、という提案ができます。こうした、リスク管理の視点で見たときに、ネットワークエンジニアの求められる領域は上流から下流まで多岐にわたるといえます。
2つ目は、普遍的で土台となるスキルを身に付けられる点です。たとえばOSなどのソフトウェアが変わってもネットワークの技術はそこまで変わることがありません。もちろん、「Wi-Fi(ワイファイ)」などの新しい規格が出てくることもありますが、いずれにせよ土台となるネットワークの技術には普遍性があるわけです。
ネットワークエンジニアの技術というのは、インターネットを利用してサービスを提供する限り、必要不可欠だといえます。
これからネットワークエンジニアを目指す方にお伝えしたいのは、まずは一度会社に入ってみて、仕事経験してみることが大切だということです。
その会社の雰囲気や仕事内容は、入ってみないことにはわかりません。そこで期待されることや求められることは次々と出てくるため、それをクリアしていくことで自ずとエンジニアとしての技術は高められると思います。
さらに、現在ではアカウントを作成することで、クラウド基盤を構築するサービスなどは自分で触ることができます。ネットワーク機器も安価な製品が市場に出回っているため、自分で購入して試してみると、ネットワークの原理が学べるかもしれません。やはり、実際に触ってみないことには、技術は身に付きません。
そして、やりたいことがはっきりしてきたら、その思いを追求できる会社に身を置いてみてください。私もチームでの仕事経験や業務範囲を広げる中でやりたいことが出てきて、それがかなう環境に転職しました。
一方で、やりたいことがなかなか明確にならないこともあるでしょう。その場合、単純なことかもしれませんが、やりたいことが見つかるまで、いろいろな業務にトライすることが大切です。やってみないことには、やりたいかどうかを見極められないためです。
私自身、元々は周囲の人に言われるがまま動いていましたが、その結果、いろいろな挑戦の機会を得ることができ、結果として自分の意志でやりたいと思える仕事に就くことができました。そのため、入り口はなんだって良いと思います。それ以上に、いろいろなことにトライする姿勢が、自ずと道を切り開くのだと考えています。
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