
CCNAの合格点は? 試験改定後の傾向や勉強方法を解説
2022.04.27
INTERVIEW 特別インタビュー
特別インタビュー
Suguru Shimabukuro・自動車整備士の仕事を辞めてネットワークエンジニアへの転職を決意、CCNAの資格取得を目指す。2013年に資格を取得し派遣会社に登録、エンジニアとしてのキャリアをスタート。2015年ウィルオブ・ワーク入社。通信キャリア系や官庁系のネットワーク設計・構築にかかわり2021年にリーダーへ昇進。現在は官庁系ネットワークを担当
まったく別の業界からこの世界に転職して11年目になりますが、現在はネットワークエンジニアとして仕事をしながら、並行してエンジニア・チームをまとめるリーダーの役割も任され、充実した毎日を送っています。
ネットワークエンジニアという新しい人生を切り拓けただけでなく、チームをマネジメントする仕事のやりがいも知り、さまざまな気づきを与えてくれたエンジニアへの転職は大成功だったと思います。
もともとは自動車整備士でした。専門学校で国家資格の自動車整備士資格を取得し、生まれ育った沖縄の会社に勤務していたのですが、仕事を始めて3年ほど経った頃に将来を考え「このままで良いのか」と疑問を感じるようになりました。
それで義理の兄に仕事の悩みを打ち明けたのがすべてのきっかけです。仕事の相談に乗ってくれた義兄はネットワークエンジニアで、その仕事の魅力についても説明してくれました。
誰もが日常的に使う携帯電話やスマホ。その裏側にはネットワークの存在があり、ネットワークエンジニアという人たちがそのネットワークを支えている。そんなことさえ知らなかった自分には、とても新鮮な話でわくわくしたのを覚えています。
自分もそんな世界で働いてみたいと思い始め、義兄も興味があるなら挑戦してみればと背中を押してくれたので決心がつきました。
上京してIT系専門学校で勉強し、半年ほどでCCNAの資格を取得しました。
1人暮らしを支えるために工場で働きながらの資格取得の勉強は簡単ではなく、過去に戻ってもう一度やれといわれたらできないかもしれません。当時はネットワークエンジニアになるという夢をかなえるためだから頑張れたのだと思います。
大変ではありましたが、その甲斐はありましたね。まったく別の領域への挑戦でしたが、この世界に魅力を感じた自分を信じて夢に向かって頑張る。それができれば新しい世界が拓けるものだとわかりましたから。
CCNA資格を取得して派遣会社に登録したらすぐに仕事が決まりました。順調にネットワークエンジニアとしてのキャリアのスタートを切ることができたと思います。
でも1年以上経っても任される仕事は保守・運用の仕事場ばかり。ネットワークエンジニアとしてもっといろいろな仕事をしたかったので、正社員として幅広く働ける会社を探しました。
そのなかで出会ったのがウィルオブ・ワークです。
会社にとって当時は「ネットワークエンジン事業部」(現在のシステムインテグレーション事業部)を立ち上げインフラ特化事業を始めたタイミング。「新しい事業部の成長と一緒にエンジニアとして成長し、キャリアアップしていきませんか」という提案に惹かれて入社しました。
派遣で仕事をしていた頃は保守・運用しか経験していなかったので設計や構築の仕事にもかかわれるようになってうれしい反面、最初は苦労の連続。先輩が話している内容が理解できない部分もあり、それまでの知識だけでは歯が立ちませんでした。
でもそれがやる気を刺激してくれた面もあってCCNAの上位資格であるCCNPの取得を目指す意欲が湧いたのです。CCNPに合格して自分としてもネットワークエンジニアとしての力がついたと自信を持てました。
先ほど転職の理由を、保守・運用の仕事場ばかりで物足りなくなったと説明しましたが、ネットワークエンジニアのキャリアを保守・運用からスタートしたのは良かったと思います。
右も左もわからないうちに設計・構築を担当していたら、挫折するか仕事が嫌いになっていた可能性があります。
すでに動いているシステムの保守・運用であれば、すでにしっかりした手順書があるので、これに沿って作業をすれば業務上の役割は果たせます。またその間にネットワークシステムの仕事の感覚を養えます。だから保守・運用からのスタートは正解。
ただし手順書通りの作業で事が足りるとしても、コンフィギュレーション、つまり設定がどうなっていて、どうしてこういう手順が必要なのか興味を持ち、自分から積極的に学ぶ姿勢を持っているべきです。そうでなくては次のステップにつながりません。
仕事のターニングポイントは入社1年後から5年間近く携わった中央官庁の基盤ネットワークの構築です。
別の官庁とのネットワーク構築を毎年増設していくのですが、大規模案件なので他社のエンジニアとともにプロジェクトを進め、打ち合わせをする機会も多く、たくさんの優秀なエンジニアたちから刺激をもらいました。
一緒に仕事をする優秀なエンジニアたちと同じレベルに少しでも近づき、もっとコミュニケーションを深められるようになりたい思いで自分を高めるための努力を重ねました。
今どういう技術を学ぶべきなのか、資料のレビューはどのようにおこなうのが適切なのか、エンジニアとしての思考方法とはどうあるべきなのかなど、自分より優秀なエンジニアたちから学ぶべきことは、とてもたくさんあります。
中央官庁の基盤ネットワーク構築に関わった約5年間は、見方によっては毎年同じような仕事の繰り返しだったともいえます。ただしやることは似ていても、まわりのエンジニアの顔ぶれや、自分の成長度合いによって仕事へのアプローチは毎年変わります。
ですから、はたからみて同じ仕事の繰り返しに見えるような5年間でしたが自分にとっては、仕事へのアプローチを毎年変化させることでエンジニアとして大きく成長できた貴重な時間、そしてエンジニアとしての転機になったと思います。
仕事へのアプローチが変わることで自分が成長した体験について説明しましたが、立場が変わることで仕事を通じて得られる喜びの中身が変わっていくことも体験してわかったことです。
まずネットワークエンジニアとして純粋な喜びを感じる場面は、多くの人が同じことを言うと思いますが、ネットワークが正常に機能していることを示す信号が得られたとき。いわゆる「Ping(※1)が飛ぶ」という状態が最初に確認できたときは快感ですね。
それからネットワークを設計・構築してテストも終えて運用担当へ引き渡し、無事にサービスインできたときの達成感は、やはり格別です。
あるいはネットワークエンジニアとして新しい知識を身に付けて、別のエンジニアと情報交換できる範囲が広がったり、より深い会話ができるようになったときも素直にうれしいものです。
立場が変わって新たな喜びが加わったのは、2021年にリーダーに昇進してからです。
私を含めて11人のチームを束ねる役割も任されていますが、毎月定例会を主催しチームメンバーと面談し、仕事の進捗状況をヒアリングしたり、メンバーのメンタルに寄り添ったりしながら、チーム全体のモチベーションが高まる環境づくりに取り組んでいます。
リーダーを任され、責任感や仕事の喜びも増しています。事業部の成長とともに自分もキャリアアップするという入社時に思い描いた道を実際に歩めている実感がしています。
リーダーのその先にある、たとえばプロジェクトマネージャーを目指すことも可能で、ウィルオブ・ワークでは本人の努力次第でそうしたキャリアアップの道筋が用意されているのも魅力です。
※1 pingとはサーバーからネットワークを通じてデータが送信されて返答されるまでの応答速度を確認する方法のこと。「pingが飛ぶ」とは、ネットワークがうまくつながっている状態を指す
ネットワークエンジニアに向いているのはチームワークを尊重できる人だと思います。知識やスキルは大切ですが学べば身に付けられるもの。しかし知識やスキルがあってもチームと一緒になって目標を目指せるようでないと、成すべきことを成し遂げられません。
自分が言うべきことを言うのはもちろん大切なことです。ですがそれだけでは駄目。個人プレーではうまくいかないことが多いのがこの世界です。私は仕事の場で相手の話にも耳を傾け一生懸命に理解するよう努めており、それが仕事を楽しく続けていく秘訣でもあると信じています。
そうやって周りを大切にする一方で、自分もわからないことや困ったことがあれば助けをもとめます。人に助けてもらうことに対して素直になる。それが大切です。壁にぶつかっても自分の力だけで乗り越えようと無理をしていた頃は何かと上手くいかないことが多かったですね。
逆に素直にまわりの人たちに頼れるようになってからは良い循環が生まれました。頼るのは相手にとって迷惑だと勘違いしていましたが、自分が頼られる立場になってみてわかりました。頼られるのは自分が信頼されている証しだと。
だから自分も頼るべきことは頼ろうと思えるようになったのです。
ネットワークの世界でも最近はクラウド技術の重要性が増しており、クラウドエンジニアの需要も高まっています。
クラウド型のネットワークに対して、サーバー、端末などの機器を物理的につなぐシステムはオンプレミス型と言いますが、クラウドもオンプレミスもネットワークの基本構造は同じです。
ですからクラウド型の世界が広がっても、ネットワークエンジニアとしてオンプレミスの体験をしておけば決して無駄にはなりません。ネットワークの基本が同じなのだから当然のことです。
少し専門的になりますが、ネットワークには国際標準で定められている7つの階層があり、データ送信の場合は、第七階層のアプリケーションで作られたデータは、最終的に第一階層の物理層を出てネットワークケーブルを通ってネットワークへ送られます。これが基本。
クラウド型も基本的な考え方で共通する部分が少なくありません。先に存在していたオンプレミス型のネットワークを参考に、後発のクラウド型が作り上げられたのですから当然といえば当然です。
なのでオンプレミスを学べばクラウドへの応用は難しくありません。基本の仕組みがわかるからです。ネットワークエンジニアの知識と経験はクラウドの時代にも重要です。
ネットワークエンジニアの仕事は技術を駆使して作業を進めていく現場でのおもしろさややりがいがあります。
一方でリーダーを任されるようになって、チームのマネジメントをおこなう仕事にも興味を感じています。一人ひとりのエンジニアが力を発揮しやすいチームを構成し、エンジニアが働きやすい環境を整える仕事ももっと学んでいきたいですね。
右も左もわからないエンジニアの世界に飛び込み、エンジニアとして活躍の場を与えてもらえた者として、同じような道をたどる後輩たちにより良い環境を整えるのは業界への恩返しにもつながります。
もちろんそれはネットワークエンジニアとしてもっともっと経験を積み自分の力を高めてからの話。また自分の適正を見極めてからの話になりますが、そんなキャリアの方向性もありだと思っています。
将来的にどのようなキャリアパスを目指していくのか最終的な判断はまだ先になります。ですが、こんな道を進もうかな、あんな方向に進むのも魅力的だなと、未来に対して複数の選択肢を持てるのもネットワークエンジニアの魅力のひとつだと感じます。
取材・執筆:高岸洋行
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