IT業界

メガベンチャーとはどんな企業?ITエンジニアにとってどのように違うのか?

メガベンチャーとはどんな企業?ITエンジニアにとってどのように違うのか?

ITエンジニアとして仕事をするにあたって、「大手企業」と「ベンチャー企業」のどちらを選ぶべきなのか、悩んでいる人は少なくありません。

もちろん、どちらが良くてどちらが悪いという事ではありませんが、実情が分からなければどちらを選んでも不安を抱えることでしょう。

今回はITエンジニアにとって、大手企業とベンチャー企業はどのように違うのかを説明していきます。

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大手企業とベンチャー企業

学生に限ってのデータですが、昨今、大手企業志向の学生が非常に多くなっています。

マイナビが2021年卒の学生にとったアンケートでは、大手企業志向の学生が55.1%と過半数を越しており、今後も増えていくことが予想されます。

しかし、学生の中には一定数成長できる環境を求め、ベンチャー企業を志望する学生もいるでしょう。

mynavi企業志向

出典:マイナビ 2021年卒大学生就職意識調査

給与面に差はあるのか

一般的に大手企業の方が安定しているといわれています。ボーナスもあり、有給や福利厚生もしっかりしている企業が多いでしょう。

しかし、ベンチャー企業だからといって必ずしも大手企業に劣っているわけではありません。

またそのベンチャー企業が将来的に大きく成長した場合、大きく成長してから入社した社員よりも待遇がよいというケースもあります。

安定を求めるか、将来性を求めるかは個人の自由といえるでしょう。

仕事内容について

大手企業でもベンチャー企業でも、「仕事をして給料をもらう」という基本的な内容に違いはありません。

しかし、「自由度」という面では大きな差があります。

IT業界の大手企業では多くの場合、仕事内容が細かく分業化されており、「仕事は与えられるもの」であるケースが多々あります。

そのため、与えられた仕事を効率よくこなしていくタイプの人には大手企業が向いているといえるでしょう。

待っているだけで仕事が来るという状況が示しているように、会社の安定感はあります。

逆にベンチャー企業の場合には、仕事を待っているだけの人材はあまり必要とされません。

自分から色々な提案をして仕事を作り出すことが求められます。

そのため、新しいITの情報に常にアンテナを伸ばす必要があり、自分のいる業界の動向や将来の展望などについても日々考えを巡らせるようになるでしょう。

もちろん、大手企業のように待っていれば仕事が来るような状況ではないため、当事者意識と危機感を強く持って仕事を得るための方法を考えなくてはなりません。

安定感を求める方にはストレスを感じる部分といえそうです。

キャリア形成について

大手企業の場合には、ある程度年功序列のような考え方が残っており、入社年次が浅い従業員が急に役員に抜擢されるようなケースは少ないでしょう。

大規模な業務を上流工程から経験できるのであればよいですが、なかなか自分が希望する仕事には就きにくいと言われることもあります。

ベンチャー企業の場合には、社長自身の年齢が若いことが多く、あまり年齢にこだわらない場合が多いため、若くてもリーダーシップがあったり、プレゼン力があったりする従業員であれば、どんどん昇進できる場合もあります。

ただし、能力が足りていないと判断をされてしまうと簡単に降格してしまうこともあります。

成果主義のため昇進降格の機会も多く、そこにやりがいを感じられる人には向いているといえるでしょう。

身につくスキルの差はあるのか

大企業で身につくスキルは、やはりチームで事業を運営するスキルでしょう。

自分の立場や役割ふまえ、その中でどう行動すべきかを考える習慣が身につきます。

また、関係各所や関連会社とのやりとりの中で、コミュニケーション力や、調整力は磨くことができるでしょう。

大きなプロジェクトでは、社内の別部署や異業他社との協業することもあるので、自分の専門以外の知識も身につけることができます。

さらに大企業の場合には、今までの経営資源や課題解決のノウハウなどからも、知識やスキルを勉強することができるでしょう。

企業規模が大きいぶん課題解決のためのノウハウがたまるスピードも早く、それを吸収する機会も多いのです。

また、研修が充実している企業も多く、着実に成長することができる機会がある点も見逃せないポイントです。

将来的にITエンジニアとして独立や転職を考える場合、大手企業のプロジェクトに参加したという点が評価される場合も多いです。

ベンチャー企業の特徴は若手から積極的に活躍できる所にあります。

仕事への取り組み方の主体性や自発性も身につくでしょう。

入社して間もなく、自身でプロジェクトを回すことも想定されますので、自分の頭で考えて行動する習慣、チームをマネジメントする力、プロジェクトの企画力、提案力などの力を身につけることもできるでしょう。

結果によってはマネージャーに昇進することもあるでしょう。

そうなれば早いうちに部下を持ち、管理する力も身につきます。

ベンチャー企業の場合には一人がいくつもの職種の業務に取り掛かることもあるので、自然と複数のスキルが身につくこともあるようです。

自分がやってみたいことにチャレンジする機会が多く、プロジェクトを任せてもらえる可能性もあります。

少人数のところが多いので、エンジニアとして自身の専門分野以外の、経営にかかわることや運営にかかわることなども見えやすく、学ぶ意欲があれば、様々な分野のことを吸収できる機会が用意される場合が多いです。

将来、起業を考えているのであれば、一度ベンチャー企業で働き、経営や財務、法務など会社経営に関する知識を吸収するのが早道かもしれません。

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メガベンチャーとは

近年、メガベンチャーという言葉をよく聞くようになりました。

ベンチャーというからにはベンチャー企業に関わることであることは想像できますが、正しくはどのようなことをいうのでしょうか。紐解いていきましょう。

メガベンチャーとは「ベンチャー企業といわれる会社が大成功して大規模になった会社」の事を指します。

文字通り、大規模なベンチャー企業のことです。

通常のベンチャー企業とメガベンチャーの違いはどこにあるのかというと、特に明確な定義はありません。

これは「どのような企業がベンチャー企業と呼ばれるのか」という定義が不明瞭であることと非常に似ています。

ただ、メガベンチャーの場合は業界人の多くが「この会社はメガベンチャーだ」と言っている場合が多いです。

上場すればメガベンチャーと言えるのか?

ベンチャー企業と聞くと「最年少上場」、「企業から最短上場記録達成」などという言葉がセットになっているでしょう。

確かにベンチャー企業からメガベンチャーに成長した企業は、上場している場合が多いように見受けられます。

上場していれば必ずメガベンチャーであるとはいいきれませんが、上場しているかしていないかは、メガベンチャーと判断するための非常に重要な基準となってくるでしょう。

やはり上場すると世間的にも注目されますし、安定した経営環境で優秀な人材を取り入れることが出来ます。

そういったことが要因となり、上場はメガベンチャーと呼ばれるための一つの指標とされているのです。

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従業員数から見るメガベンチャーの指標

メガベンチャーの他に、ミドルベンチャーという言葉もあります。

これは従業員数でカテゴリー分けされており、様々な有名企業が名を連ねています。一例を挙げてみましょう。

メガベンチャー(従業員1000人以上)

社名 時価総額 従業員(連結) 平均年収 設立 上場
リクルート 67,329億円 49,370名 964万円 1963.8 2014.10
楽天 14,560億円 20,053名 755万円 1997.2 2000.4
Zホールディングス(ヤフー) 34,977億円 14,168名 1,105万円 1996.1 1997.11
LINE 13,009億円 7,913名 770万円 2000.9 2016.7
エムスリー 47,692億円 7,127名 822万円 2000.9 2004.9
サイバーエージェント 8,280億円 5,139名 681万円 1998.3 2000.3
GMOインターネット 3,152億円 5,132名 597万円 1991.5 1999.8
KADOKAWA 2,240億円 4,492名 833万円 2014.10 2014.10
エス・エム・エス 2,673億円 3,128名 529万円 2003.4 2008.3
ディー・エヌ・エー 2,321億円 2,322名 790万円 1999.8 2005.2
メルカリ 6,889億円 1,792名 2013.2 2018.6
グリー 1,320億円 1,710名 2004.12 2008.12
コロプラ 1,172億円 1,565名 587万円 2008.10 2012.12
ぐるなび 299億円 1,477名 563万円 1989.10 2005.4
エムティーアイ 562億円 1,164名 580万円 1996.8 1999.10
カカクコム 5,727億円 1,160名 684万円 2000.5 2003.10
ZOZO 8,261億円 1,158名 545万円 2000.4 2007.12
CARTA 331億円 1,149名 843万円 1999.10 2014.7
ラクス 3,745億円 1,094名 591万円 2000.11 2015.12
mixi 2,246億円 1,037名 661万円 2000.10 2006.9

出典:会社四季報オンライン(2020/10/30現在)

ミドルベンチャー(従業員1000人以下)

社名 時価総額 従業員(連結) 平均年収 設立 上場
マネーフォワード 2,231億円 779名 607万円 2012.5 2017.9
Sansan 2,154億円 713名 635万円 2007.6 2019.6
クックパッド 409億円 502名 760万円 2004.9 2009.7
じげん 346億円 483名 424万円 2006.6 2013.11
フリー 3,999億円 409名 653万円 2012.7 2019.12
クラウドワークス 191億円 331名 519万円 2011.11 2014.12
ラクスル 1,438億円 299名 531万円 2009.9 2018.5
リブセンス 75億円 283名 605万円 2006.2 2011.12
Gunosy 177億円 251名 600万円 2012.11 2015.4

出典:会社四季報オンライン(2020/10/30現在)

このように、メガベンチャーはベンチャーの枠を超えて、一般的にも認知度が高い企業が名を連ねています。

一方、ミドルベンチャーの場合は一部企業に関しては既に名が売れている企業がありますが、一般的な認知度はまだまだこれからといった企業が多く見受けられます。

このように、上場しているかしていないかだけではなく、従業員数でもカテゴリ分けできるのがメガベンチャーであり、前述した通り、明確な定義はないともいえるでしょう。

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なぜメガベンチャーが注目されるようになったのか?

一昔前であれば名の知れた大企業に入り、一生あんたいした生活をすることが一般的な理想とされていました。

しかし現代においては大企業といえども倒産する可能性は大いにあり、また、終身雇用神話も崩れつつあります。

また、昔ながらの大企業に入ると、その企業の末端からキャリアがスタートします。

漫画「課長島耕作シリーズ」のように、地道に出世していくのも決して悪くありませんが、ベンチャーではいきなり責任あるポジション、実務的な仕事が任され、結果を求められる場合が非常に多いです。

現在の優秀な学生は地道な出世よりも、最初から責任あるポジションを望む人が多いことから、ベンチャー企業への人気が高まりました。

その結果、優秀な人材がベンチャー企業にも入社するようになり、その優秀な人材の働きによってメガベンチャーのような規模に成長していったといっても過言ではないでしょう。

メガベンチャーへの転職は簡単?難しい?

メガベンチャーと呼ばれる企業は非常に資金力もあり、その後のキャリアにも非常に良い影響を与えるので、転職市場でも人気を博しています。

当然、競争率も非常に高くなっており、簡単に入ることが出来ないのが現状です。

求められるスキルや能力も高く、激務なところが多いので、仕事に対して一定の熱量がなければ仕事を続けていくのは厳しいというのが現実です。

つまり、メガベンチャーだから良いというわけではないので、自分のキャリアと持っているスキルを照らし合わせて、就職、または転職活動をするのがベターな動きとなるでしょう。

まとめ

大手企業でもベンチャー企業でも、メリットデメリットがあることがお分かりいただけたことでしょう。

メガベンチャーに入社すれば好待遇が待ち受けていますが、激務の中、日々スキルを磨かなくてはならないという日々も待ち受けています。

自分にとってどのような企業が合っているのか、まずは自分自身での自己診断から始めてみるのもいいかもしれませんね。

自分が目指す道と照らし合わせて、ベストな選択ができるといいですね。

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記事の監修責任者

飯塚 寛也

エンジニアとして移行調整・NW更改作業・クラウドシステムの設計・構築等を手掛ける。 入社2年目でネットワーク最高資格であるCCIEの筆記試験に合格。 人材開発室にてCCNA/CCNPの勉強会を50回以上開催、100名以上の合格者を輩出し、スクール事業の礎となる。
監修責任者からのメッセージを読む
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