特別インタビュー

技術進化とともに自分の価値を高める世界|だからこそ最初の会社選びがキャリアの肝となる

アイティアスリート 代表取締役 中村学さん

Manabu Nakamura ・1981年生まれ。ゲームやパソコン好きの中・高校時代を過ごすが、バンド活動にものめり込み上京。IT系のアルバイトをしながら音楽活動を続けるが25歳でプロを断念。それまでのネットワークエンジニアとしての経験を活かし、通信キャリアや自動車メーカーのネットワーク設計構築を経験。2014年に入社したマイクロネットワークテクノロジーズではICTインフラ部門の部長を務める。2018年に独立・起業して現職

金髪バンドマンの生計を支えたネットワークエンジニアの仕事

高校までは地元の福岡で仲間とビジュアル系バンドを組み、ドラムを担当。高校卒業と同時にプロを目指して上京し、東京でも仲間を募ってバンドとして音楽活動を続けていました。とはいえ、すぐに音楽で生計を立てられるほど甘い世界ではないのでアルバイトで生計を立てなければなりません。それで選んだのがIT系の仕事でした。

小学生でゲームにはまり、子供心にゲームを作るプログラマーになりたいという夢を思い描いていました。中学時代には今度はインターネットの世界にはまり、情報工学を専攻する大学生が講師を務めるサマースクールに参加し、ウェブサーバーの立ち上げ方やサイト作りの方法を覚えました。

その後、バンド活動に熱中し始めた高校時代もインターネットへの関心は衰えず、小遣いを貯めてPCを購入し自宅にサーバーを立ててゲームを楽しんでいたほどです。この頃までにネットワークやウェブに関する知識は一通り身に付けていました。

ネットワークエンジニアの素養を育んだもの

ですから東京で生活費を稼ぐ手段としてIT系の仕事を選んだのは自然な流れでした。PCを操る仕事なら何でもしようと考え、派遣会社に登録して最初は法人向けのPC修理センターの電話受け付けの仕事を得ました。毎日100件以上の電話を受けて対応する単調な仕事でしたが、社会人経験のない19歳の金髪バンド男子の仕事としてはまずまずでしょう。

その後は、バンドをしながらもキャリアを形成するために大手IT機器メーカーやインターネットプロバイダー関連の仕事を続け、25歳を迎える頃にバンドでプロを目指す夢をきっぱり諦め、ネットワークエンジニアとして生きていく決断をしました。

その後はキャリア形成のために21歳の頃CCNAの資格を取得。それで自信をつけた私は電機メーカーのネットワーク機器を販売する会社に転職し、通信キャリアのメールサーバーにかかわる仕事に参加することとなりました。

この頃からやっとネットワークエンジニアとしての仕事を本格的に始めたことになります。1年間マシンルームにこもってひたすら通信キャリアのメールサーバーの負荷を分散するロードバランサーの検証を続け、次の2年間はひたすらネットワークを構築し続けるという仕事内容でした。

その後、製造業の法人ネットワークの設計構築に7年ほど携わり、仕事にはやりがいを感じていましたが、さらなるステップアップのためにスタートアップ企業に転職。入社時には10名足らずだった社員が1年ほどで100名まで増えたような急成長企業で、 ここで私はICTインフラ部門の部長を務め20名ほどの部下を持つまでになりました。その経験も活かして4年程前にアイティアスリートを起業し、今に至ります。

中村さんが起業に至るまで

ネットワークエンジニアの力で地方創生にも貢献

そんな私ですが、今後は地方創生とネットワークエンジニアをつなげていきたいという夢があります。当社には全国各地の多くの企業からネットワーク構築に関する問い合わせが入ります。地方に対応する会社が少なく東京に技術も人材も集中しているからです。

であれば大阪や福岡など各拠点に支社なり子会社なりを設けて各地のネットワーク・ニーズに対応する方が効率的ですし、地方の問題解決にもつながり地方創生に貢献できます。一方でネットワークエンジニアになりたくて仕事を求めて上京する若者がいますが、同じ仕事ができるなら地元で働きたいという者も少なくないと思います。彼らの働く場所を確保する意味でもアイティアスリートとして地方進出していきたい。それが現在の私の夢です。

職業的メリットが多いネットワークエンジニアの仕事

ここまでキャリアを積んできて思うことは、ネットワークエンジニアになるためのハードルは決して高くはないということ。未経験者でもネットワークについて学び、たとえばCCNAのような資格を取得すれば仕事に就けます。

現代社会ではネットワークエンジニアが不足しており、エンジニアは引く手あまたです。さらに仕事の現場で経験を積み知識やスキルを向上させていけば、キャリアのステップアップもできるうえ、待遇も上がっていきます。またネットワークに関する知識やスキル、プロトコルは万国共通でグローバルに通用するため働く場所を選びません。

英語さえできれば海外でも活躍できます。実際にドバイへ移住してネットワークエンジニアの仕事で生活している知り合いもいます。若い人がこれから始める仕事として、ネットワークエンジニアという職業は非常に魅力的で良い選択肢になると思います。

ネットワークエンジニアは、経験年数というよりも自分のなかに技術的蓄積を重ねていくことによって収入が上がる職業です。技術的蓄積さえあれば年齢に関係なく抜擢され大幅な昇給につながることも普通にあり得ます。

ネットワークエンジニアの魅力とは

とはいえ、ただ単に仕事をこなしていればキャリアが上がっていくというわけではありません。常日頃からネットワークに関する新情報に敏感に反応しキャッチアップしていく心構えが求められます。専門雑誌を読んだり、技術系のニュースサイトを毎日チェックしたり、自分の周りに情報アンテナを張って日々勉強する姿勢が必要です。

そうした技術情報の収集という意味でも人と良くしゃべる人、それも一方通行で言いたいことだけをしゃべるのではなく、言葉のやり取りを通して相手の状況や相手が言わんとすることをより良く理解しようと努力できる人がネットワークエンジニアの仕事には向いています。

さらには、技術的視点から将来を語れるようになるとより良いでしょう。ネットワーク構築は、たとえば5年後になっても通用する内容でなくてはなりませんから、技術的進化も予測しつつ5年後の状況も想定したうえで仕事を進める必要があります。

たとえば「5Gの世界が〇年後には本格化するから、それを見越してこのようなネットワークを構築をしなければならない」といった判断ができなくてはなりません。なおかつ目的を確実に達成するためにロジカルに考え物事を進めていく力も重要です。

そしてこういったスキルを培うために重要なことは、日々の仕事のなかでの機器メーカーやその代理店との打ち合わせ、顧客とのミーティングなどを通じて得られる新情報を無駄にしないこと。知らない技術や知識についての話があれば貪欲に質問して自分のものにしてしまうくらいに、日々の業務の中で自分を高める機会を逃さず活かし切ることです。

中村さん

新技術に触れられる会社を選ぶことが重要

そう考えるとネットワークエンジニアにとってのファーストキャリアは大変重要で、組織としてきちんと最新の技術情報を蓄え、人材を育てる環境がある会社を選ぶべきです。たとえばネットワークエンジニアを労働力として派遣することを主力事業にしている会社に入った場合、仕事を通じて自分を高める機会は多くありません。

私自身もアルバイト時代から長年にわたってIT系の人材派遣会社に登録して仕事をしていたので、それがよくわかります。その後、IT系のスタートアップ企業で会社の急成長も経験しましたが、この会社では成長するにしたがって他社への人材派遣的なビジネスが増加。それに伴いネットワークエンジニアが成長する環境を失っていく流れを感じました。

人材派遣的なビジネスであれば、会社として技術的な情報収集をする必要性は低く、機器メーカーやその代理店との打ち合わせも必要ないからです。そもそも機器メーカーとつながろうというビジョン自体がありません。 そのような環境はネットワークエンジニアの成長に適したものではないと思います。

ちなみに当社は技術研究のためのラボを持っており、しかも本社とラボを同じビルに統合したのでネットワークエンジニアが日常的にラボを利用して機器の取り扱いや最新技術を学びやすくなりました。また機器メーカーやその代理店は、自社のネットワーク機器を使ってもらうのが商売ですから、技術的側面に関心をもつ当社のような相手を積極的に訪問し、機器の説明をしてくれます。それが当社の情報力や技術力、人材育成力にもつながっているわけです。

企業選びに必要な視点

増え続ける人材ニーズと明るい将来性に間違いなし

活躍の場であるネットワークインフラの業界の実態について、よくご存知ない人も多いのですが、ネットワークエンジニアの将来性は非常に明るく、この先も人材需要は高まる一方だと考えられます。そして先ほども軽く述べた通り現在ネットワークエンジニアはまったく足りていませんし、今後も足りない状況が続くことは間違いありません。

事実、私がネットワークエンジニアの道一本で生きていくと決めた頃も、ドットコム・バブルで業界が湧きたち、ホリエモンのライブドアやヤフーが上場。そしてiPhoneが登場するなど、すごい勢いで進むインターネットの進化と成長を20代前半で目の当たりにしていたわけです。この先もこの業界はこのようにずっと成長していくだろうと確信をもっています。

今は技術の進化で1人のネットワークエンジニアがこなせる仕事内容・仕事量が飛躍的に拡大しています。かつては接続作業のために機器の目の前まで行ってPCを開き、機器と機器とをケーブルで物理的につないでネットワークを設定する必要がありました。それが現在ではクラウドのポータルを開いてPCで作業をすれば1人のエンジニアが数千台、数万台のネットワーク設定を済ますことも可能です。

しかし、それでエンジニアの需要が減ると考えるのは間違いです。ネットワークエンジニアが1人でできる仕事量が増えるよりも、さらに早いペースでネットワークに接続しなければならないデバイスが急増しています。いまや家庭の照明もネットワーク化する時代です。また最近増大しているサイバー攻撃からネットワークを守るためには、ネットワークエンジニアが持つセキュリティー分野の能力が不可欠です。

社会インフラとしてのネットワークの重要性の高まりやネットワーク技術の進化に伴い、ネットワークエンジニアに託される仕事の重要度が上がり、仕事の内容もどんどん高度化していきます。その意味では、いまはネットワークエンジニアの仕事を始める好機でもあります。

なぜなら技術の進化とは、あくまでも既存の技術をベースに、それを発展させることで実現するものだからです。つまり現時点でネットワークエンジニアの基礎を身に付ければ、これから高度化していく仕事を通じて、より高い技術を身に付けられるわけです。それは将来にわたって価値の高い人材として社会で活躍していけることを意味します。

ネットワークエンジニアの将来が明るい理由

社会を創り社会を支える、そのやりがいはどの仕事よりも大きい

ネットワークエンジニアの仕事が私は大好きです。たとえばゲームやウェブサイトを作るプログラマーも悪くない仕事だと思います。とくに仕事の成果を多くの人々の目に見える形で示せるのは魅力的なことです。

でもネットワークエンジニアの仕事は、多くの人の目には見えないかもしれませんが、顧客、機器メーカー、ウェブ屋さん、アプリ屋さんなど多くの関係者と協力して一つのモノを創り上げていくクリエイティブな仕事です。その意味では、プログラムエンジニアもネットワークエンジニアも同じといえるでしょう。

もっと言えば、いまやネットワークは社会インフラであり、ありとあらゆる人々がこれを使い恩恵を受ける、そんなネットワークを自分が創り、支えていることによって実感できるやりがいは大変大きく、各種エンジニアの中でも一番かもしれません。数多くの人に、そんなネットワークエンジニアのやりがいを感じてほしいです。

中村さんと描くネットワークエンジニアの未来

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