特別インタビュー

成長分野を見極めエンジニアに|重大ピンチを乗り越え手にした自信

イーツ 技術運用部・運用課長 渡邉賢太郎さん

Kentaro Watanabe ・大学では文系学部に学ぶも、在学中にIT業界に就職する意思を固め2011年の大学卒業と同時にイーツに新卒入社。ネットワークオペレーションセンターでのシフト勤務からスタートし、現場のシフトリーダー、シフト全体の統括リーダー、同チーフを経て入社後わずか6年で運用課長に昇進。現在は運用課長の仕事を超えて人事・採用や新サービス開発などまで幅広い仕事に携わる

文系出身ながらIT分野での活躍を目指しエンジニアに

新卒でイーツに入社して以降、この会社でエンジニアとしてのキャリアを歩んできましたが、もともと大学では心理学を学んだ文系出身者です。どちらかといえばIT業界で働くことやエンジニアとしてのキャリアには縁遠い経歴でした。

自分にとって心理学は関心があり面白い分野でしたが、就職や職業に活かすのは難しいだろうというのが学生時代に出した結論です。それで、いわゆる手に職をつける必要がある、この先の人生で食べていくのに困らない技術は何かと考えました。そして最終的に行き着いたのが、成長が期待されるIT業界で必要とされるエンジニアという技術職だったわけです。

就活を始める前の比較的早い段階でエンジニアになろうと決めていたので、少しでも就活で有利になるよう資格取得を目指しました。ITに関する基礎知識を証明する国家資格「ITパスポート」がそれです。IT分野を専門的に学んだわけでもなく、IT業務の経験もない未経験者にとっては資格取得が就活の武器になると考え、大学3年になる前には取得しました。

大学を卒業したのは就職氷河期と言われた頃でしたが、何とかIT系2社の内定に漕ぎ着けました。イーツを選んだのは社員の働きぶりを正当に評価してくれる会社だと思えたからです。募集要項の中身や公開されている社員のキャリア情報をじっくり見た結果として、また面接での会社の印象を思い返してみても、そのように考えることができました。今でもその判断は間違っていなかったと思っています。

渡邉さんがエンジニアになるまで

大トラブルを乗り切って自分に自信

最初の仕事はデータセンターで障害対応を含む保守・運用サービスを担うものでした。その後も、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアといった、いわゆるインフラエンジニアに分類される仕事でキャリアを築いてきました。

データセンターは24時間・365日の稼働ですから、つまりはエンジニアも24時間体制です。最初はそのシフト要員として仕事を覚え、次にシフトリーダーを務めてから、カレンダー通りに勤務するフロント職に変わりました。そこから今度はシフト全体を統括するポジションでリーダーとチーフを経験。そして新卒入社から6年で運用課長に昇格しました。

一貫してネットワーク・オペレーションに携わってきたエンジニアは同期入社では私だけですが、キャリアのレールを順当に進んで来ることができたと思います。同業他社のエンジニアのキャリアと比較しても、かなり早く運用課長のポストに就けましたし、社内的にも昇進の過程でかつての先輩たちを追い越してきました。

順調なキャリアを進むうえで最初のターニングポイントとなったのは、入社当初に配属されたチームのシフトリーダーとの相性が良かったことです。リーダーのなかにはリスクを恐れて新人に任せる業務範囲を広げたがらないタイプもいますが、私のリーダーはこちらが新しい仕事を覚える意欲を見せれば丁寧に教えてくれるタイプで「教えるのはまだ早いけれど、意欲があるなら教えてあげよう」と、いろいろ教えてくれました。

任された仕事をこなすだけでなく、積極的に新しい仕事について教えを乞うことで、システムや自分がかかわっている仕事の全体像を、他のエンジニアたちよりも早くに理解することができたと思います。

渡邉さん1

もう一つのターニングポイントは、新人からポジションを一つ上がった現場のシフトリーダーを務めていた頃の出来事です。12時間交代のシフトで夜勤を担当していたその日、滅多に起きない障害が立て続けに3件も発生しました。通常なら月に1件もないようなレベルの大きな障害が一晩に3件もです。

大きな障害が起きた場合、トラブル対応を優先せざるを得ないため、通常業務に抜けや漏れが生じがちで、ひとつのトラブルが連鎖的に複合的な問題につながる危険もあります。それが3件も重なればパニックになりかねない大ピンチです。

しかし、この晩の大トラブルをリーダーとして何とかしのぐことができました。もちろんチームのメンバーや、自宅からサポートしてくれた先輩たちの助力やアドバイスがあっての事でしたが、この事態を乗り切れたことで自分の大きな自信につながりました。同時にもっとやれるのではと自分の能力に対して欲張る意識も芽生えました。

渡邉さんのキャリアアップの変遷

エンジニアとしての評価を高める工夫

売り上げを実績としてアピールできる営業職などと異なり、インフラエンジニアの仕事は目に見える形で実績を示すのが難しい職種だと思います。ただしそれも自分次第です。私は自分の仕事をなるべく目に見える形で周りにわかってもらえるように工夫をしました。

たとえば保守・運用の仕事にはベースとなる手順書がありますが、なかには誤字・脱字もあるし、読み手によって解釈が異なってしまう不適切な表現もあります。それらを見つけてレポートし手順書の改良を後押ししました。

また各チームの対応は情報共有しているので、他チームの対応に問題点があれば、それを見つけて指摘します。問題をあげつらうのではありません。そのチームや組織全体にプラスになるような形で指摘をして、会社の利益に貢献するための提案をするわけです。

エンジニアとして日々勉強し知見を蓄積するのはある意味当然です。そうした自己研鑽に留まらず、会社の改善につながることに積極的にかかわる姿勢、他チームに関してもフォローアップする姿勢などを心掛けました。営業職のように売上数字で示すことはできなくても、エンジニアとして会社に貢献する姿勢をアピールすることはできるわけです。

インフラエンジニアとして数字で示せる数少ない目安はインシデントの数です。やむを得ない機器トラブルなどが原因で起きる問題は除き、不手際によって顧客に迷惑をかけた事象をインシデントとしてカウントします。このインシデントを年間何件までに抑えるといった目標が運用チームには与えられますが、シフトリーダーを務めていた3年ほどの間は担当チームの「インシデント発生件数ゼロ」を維持しました。これも昇進にあたって会社が評価してくれたポイントだったと思います。

エンジニアとして実績をアピールする方法

魅力は社会を支える使命感と達成感

ネットワークエンジニアは、社会インフラを支える重要な仕事に携わっている実感が持てる点が魅力のひとつです。先日、とある通信会社の通信障害により社会的に大きな影響がありました。通信障害はマイナスの出来事でしたが、ネットワークインフラにかかわる仕事がいかに重要な仕事かをそこで改めて痛感しました。何事もなければむしろ気付かれないのですが、インフラエンジニアの仕事は社会を支える大変重要な役割を担っているのです。

仕事の達成感を強く感じられる場面も少なくありません。世の中には完璧なシステムはないので、エンジニアの仕事をしていれば必ずどこかで障害に向き合うことになります。その障害を自分の力で乗り越える、適切に処理することができた際の達成感は、とんでもなく大きいものです。問題解決に喜びを感じるような人には向いた仕事と言えるでしょう。

エンジニアにはネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどインフラ系のエンジニアや設計や開発に携わるシステムエンジニアなど多くの職種がありますが、その垣根は低くなりつつあります。たとえば、かつてはネットワークエンジニアとサーバーエンジニアは別々のジャンルとされてきましたが、現在ではインフラエンジニアとして一括りに捉える傾向です。

エンジニアの垣根が取り払われいろいろな力が求められると同時に、エンジニアとして活躍できるフィールドも広がっています。しかもエンジニアは全体として売り手市場で需要は大きく、今後も人材の需要が減ることはありません。

ネットワークエンジニアの魅力とは

技術力だけでなく人間力も武器に

エンジニアの世界では、技術系のスペシャリストだけが活躍しているわけではありません。一般的にイメージされている以上に社会経験や人間力が求められる仕事です。システムを動かす力だけでなく人を動かす力が同じくらい必要になります。ですからエンジニアとは関係がない他業界での経験が無駄にはなりません。

私自身、IT系の大学生ではなく文系からの入社だったことは説明した通りです。それでもエンジニアとしてのキャリアを積み、現在では運用課長という肩書を超えて、人事や採用、さらには新商品の開発など幅広く仕事を任されています。エンジニアとして現場に立つことは今では稀になりましたが、エンジニアとしての基盤があってこそいまがあります。

ネットワークエンジニアをはじめとするエンジニアに欠かせないのは向上心です。テクニカルな意味での知識を積み上げていくことも必要ですが、次々と更新される技術や知識に追いついていくには自分の成長や自己研鑽を喜びに感じられる向上心が必要。昨日より成長している自分を喜ぶことができる人はエンジニアに向いているはずです。

渡邉さんと描くネットワークエンジニアの未来

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