特別インタビュー

豊かな好奇心こそがネットワークエンジニアに適性|社会を支える仕事に感じるやりがい

コムネットシステム 取締役 ICTソリューション事業本部 本部長 小倉大門さん

コムネットシステム 取締役 ICTソリューション事業本部 本部長 小倉大門さん

Daimon Ogura ・1980年鹿児島生まれ。学校卒業後、都内のシステム運用・保守を主力とするITサービス企業に勤務。2006年6月にCCNAを取得し同年8月にコムネットシステム入社。ネットワークエンジニアとしてカスタマーサポートやメンテナンスの経験を積み2007年からは顧客企業のVPN設計・構築等を担当。2011年の東日本大震災の際には顧客企業のサーバ群を1週間で移設する仕事も完遂。2018年セールスエンジニアとして営業部長に就任。2020年からは営業部門と技術部門の責任者となり、2022年取締役に就任

刺激的で充実したネットワークエンジニアとしての日々の始まり

コムネットシステムは私にとって2つ目の会社です。ネットワークエンジニアとしての活躍を夢見て2006年にコムネットシステムに転職してからは、今日に至るまで刺激的でやりがいを感じられる毎日が続いてきました。

仕事は忙しく最初の頃は日々覚えることだらけでしたが、どんどん新しい経験や知識を吸収し自分が成長している感覚が楽しくて仕方がない。そんな状態でした。振り返れば体力的にはハードでしたが、それを上回る充実感や高揚感、達成感を得られる毎日だったと思います。

ネットワークエンジニアの仕事は主に4つあります。1つ目がクライアントの要求を聞いてネットワークシステムの要件定義をする設計の仕事。2つ目の構築の仕事では、設計に基づいてネットワーク機器の設置・設定やソフトウェアの導入をおこない、さらにパフォーマンスをテストします。ネットワークシステムが稼働したら、3つ目の仕事として稼働をサポートする運用の仕事が始まり、4つ目にトラブル処理等の保守の仕事をネットワークエンジニアが担います。

ネットワークエンジニアの4つの仕事内容

私がネットワークエンジニアになりたての頃は、会社の人員が少なかったこともあり、さまざまな仕事をする機会がありました。先輩エンジニアのOJTを受けながら、フィールドエンジニアリング、カスタマーサポート、顧客企業のネットワークインフラ環境のメンテナンスなどを担い、機器のリプレイス作業等を通じて現場スキルを身に付けました。

つまりネットワークエンジニアとして必要な仕事を幅広く、総合的に経験することができたわけです。そんな中身の濃い下積みの1年間過ごしたおかげで仕事にも慣れ、自信も付きました。

ネットワークエンジニアの存在を知ってからは一直線

最初に入社したシステム運用・保守を主力事業とする東京のITサービス企業では、ネットワークエンジニアという仕事の存在さえ知らない社会人1年生でした。

まだエンジニア志向があったわけでもなかったですし、それほど仕事に情熱を燃やすタイプでもありませんでした。それに最初の数年間は馴れない東京での生活と、業務を処理するのに精いっぱい。ただがむしゃらに目の前の仕事を続けていました。

それが一転してネットワークエンジニアへの道を本格的に目指すようになったのは、働くなかでネットワークエンジニアという仕事の存在を知ったことがきっかけでした。そこからネットワークエンジニアのことを知れば知るほど「自分がやりたい仕事はこれだったんだ」と思えました。

その頃はまだ2000年代半ばで、定額料金・常時接続のブロードバンドサービスがようやくスタートし、インターネット環境が劇的に変化し始めた頃でした。しかしインターネット環境の変化が世の中全体を変え、新しい時代が始まりつつある手応えを肌で感じました。

ビジネスの世界ではICTネットワークの重要性がクローズアップされ、ネットワークエンジニアの需要や将来性が急上昇し、社会に欠かせない仕事になっていく実感も持てました。

小倉さんがネットワークエンジニアを目指したきっかけ

ネットワークエンジニアになりたい気持ちがどんどん高まり、興味が芽生えると集中するタイプということもあり、ネットワークエンジニアというゴールを目指して一直線でした。まずはCCNAの資格を取得して、よりネットワークエンジニアに近づける会社に転職しようと計画。IT系の教育事業が現在ほど普及していなかったこともあり、完全な独学でCCNAを取得しました。

自分を振り返って見ると、子供の頃からゲーム好きな男の子として育ちました。中学生の頃にプレステが発売となり、ますますゲームに熱中するようになったのですが、とにかくキーボードを叩いている時間が楽しく、何時間でもパソコンの前に居られました。その意味ではネットワークエンジニアに向いていたのかもしれません。

ネットワークエンジニアに限らずインフラ系のエンジニアは、機器の設定やトラブルシューティングの際に長時間にわたってコンピュータと向き合いキーボードを叩き続けることもあるので、それが苦にならないのはネットワークエンジニアとして適性アリだったのでしょう。

クライアントと共にネットワークエンジニアとしても成長

コムネットシステムでの最初の1年間でネットワークエンジニアとしての基礎を身につける下積み期間を終え、2007年夏からは多店舗チェーン店のVPN設計・構築を担当することになりました。当時は社員にネットワークエンジニアがまだ少なかったとはいえ、今振り返ってみると入社1年後に設計・構築を任されるようになったのは異例の早さだったと思います。

主に担当していた多店舗チェーン店もどんどん成長し、3カ月に1館のペースで施設が増え、それに伴いネットワークの拡張が必要になる。セキュリティの確保も欠かせない。やることだらけでしたが、クライアントと一緒に成長しているという実感が持てる毎日は、今振り返るとネットワークエンジニアとしてとても幸せな時間でした。

この2007年から2010年頃までが、ネットワークエンジニアとして自分が急成長できた期間だったと思います。単に技術者として成長できただけでなく、プロジェクトの責任者を任されたことで、納期や予算を含む複雑な要件が絡み合う中で変化する状況に対処する力を試され、チームを引っ張るリーダーシップも鍛えられました。

小倉さんのネットワークエンジニアとしてのキャリアステップ

東日本大震災の際には全国のネットワークエンジニアが日本のために奮闘

2011年の東日本大震災は、ネットワークエンジニアとしての力が試される正念場でした。と同時に日本のビジネスと経済を支えるICTネットワークの重要性を思い知らされる状況に立ち会い、ネットワークエンジニアとして奮い立った瞬間でもありました。

顧客のアパレルメーカーのサーバ群の設置場所が、計画停電の対象地域となってしまったため、1週間以内に対処しなければ事業継続が危機に直面する事態に陥りました。そこで顧客から求められる前にいち早く対応策を検討。当社のデータセンターへ顧客のサーバ群を移設するプランをまとめて提案し、そこからは迅速に対応して作業を完了しました。

1週間でのサーバ群の移設など、平時には到底考えられない作業ですが、その時はネットワークエンジニアの使命感が背中を押してくれ、不可能を可能にできたように思います。

あの時はおそらく、日本中のいろいろな場所でネットワークエンジニアが踏ん張って日本のICTインフラを支え、ビジネスを守り、大震災のダメージを最小限に抑えるために奮闘したはずです。

ちなみにその後、顧客のアパレルメーカーがビジネスマン用のバッグを開発した際には、私も企画・開発に参加し、パソコンの収納などに配慮した機能やデザインについて助言。結局、そのバッグの商品広告にも起用され広告宣伝用のビジュアルが丸の内のオフィス街に掲示されました。そんな広告に登場してモデル気分を味わえたのも大震災の時に頑張ったご褒美だったのかもしれません。

世の中に貢献できる「ネットワークエンジニア」という仕事

コムネットシステム 取締役 ICTソリューション事業本部 本部長 小倉大門さん

2016年に受講した会社の研修が、私にとって仕事に対して意識がもう一段上がるきっかけになりました。

そこでは東洋思想と共に、自分にとって郷土の偉人である西郷隆盛の「敬天愛人」(人を敬い、人を愛する)という言葉を学んだのです。さらに同じ講習を通じて経営とは何たるかを学ぶことにもなりました。

それ以降、「働く以上はきちんと責任を引き受け、世の中のため人のためになる仕事を成し遂げていこう」と、改めて仕事との向き合い方を確認しました。結局、自分が世の中のために最も貢献できることはネットワークエンジニアの仕事です。それを全うするのが「敬天愛人」につながるのだと納得し、再びネットワークエンジニアの仕事に邁進する力を得ました。

また「ICTを通じてお客様の事業成長と利益の最大化に貢献する」という企業理念を掲げるコムネットシステムの一員として、大震災とそれに伴う大規模停電や台風・洪水といった天災、さらにはリーマンショックや新型コロナウィルスのパンデミックといった数々の危機を、クライアント企業と共に乗り越えてきました。

その自信は、きっとこの先遭遇し得る危機においても力を与えてくれるし、クライアントのため、ひいては社会のために貢献できると信じています。

ネットワークエンジニアの明るい将来

ネットワークエンジニアの将来性は前途洋々だと思います。ICTネットワークのインフラとしての需要は増える一方ですし、クラウド環境への移行が進みつつある現在は、クラウド技術に通じたネットワークエンジニアの新たな需要も生まれています。

また、あらゆる社会システムがネットワーク化することで、サイバー攻撃の懸念が高まりネットワークにおけるサイバーセキュリティ関連の対応が必要とされ、セキュリティ関連の知識を備えた人材の重要性も高まっています。これからは、そうしたネットワークエンジニア人材が求められる場面が増えることはあっても減ることはありません。

ネットワークエンジニアの活躍の場は、今後まだまだ広がっていくでしょう。

ネットワークエンジニアの未来が明るいワケ

ネットワークエンジニアに欠かせない好奇心

仕事で壁にぶつかることがあるのは当然です。そんなときに特別な対処法はありませんが、私は諦めないことで壁を乗り越えられてきたと思っています。自分がその時点でできることは何でもやる。いわばアイデアの総当たり戦です。手を変え品を変え、諦めず投げ出さず、やり遂げるまでやる。そうして壁を乗り越えてきたつもりです。

ネットワークエンジニアには、さまざまな能力、資質が必要です。体力、集中力、忍耐力は欠かせませんし、創造性や協調性、コミュニケーション能力も必要かと問われればイエスです。しかし一番大切なのは好奇心でしょう。

興味を持つから技術を学び続ける姿勢を維持できます。自分自身もネットワークエンジニアの仕事に携わっている限りは常に学び続ける覚悟ですし実際に学び続けています。技術に関する好奇心は絶えません。

ちなみに私は「PINGが飛んだとき」に快感を覚えるのですが、「PINGが飛ぶって何?」と感じて好奇心を覚えたのなら調べてみてください。また「それ同感!」という人はネットワークエンジニアを目指すことで幸せをつかめる人なのかもしれません。ネットワークエンジニアへの道は誰にでも開かれていますし、若者に明るい将来を与えることができる仕事だと思います。

小倉さんと描くネットワークエンジニアの未来

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