特別インタビュー

学ぶ姿勢と積極性が切り拓くエンジニアの道|自分から行動を起こす習慣を身に付けよう

テックファーム 技術推進部 クラウドインフラグループ 清水崇さん

テックファーム 技術推進部 クラウドインフラグループ 清水崇さん

Takashi Shimizu・大学卒業後、ITサービス企業に入社しインフラエンジニアとしてキャリアをスタート。グループウェアの移行などの案件に携わる。テックファームに転職後は情報システム部門でシステム構築・運用を経験した後、B2Bの業務システム開発や携帯キャリア向け大規模システム、ECサイトなどの案件で要件定義、設計、構築、保守、運用まで幅広く担当した。現在はクラウドエンジニアとして活躍中

インターネットのわくわくを追い求めた先にあったエンジニアへの道

ITに関心を持ち始めたのは高校時代です。当時、2000年代の初めは日本でもインターネットの普及が加速して、家庭でも手軽にインターネットを使えるようになってきたタイミングでした。

自宅に居ながらにして世界中の情報にアクセスし、知りたい情報をすぐに手に入れられるインターネットの存在にわくわくしたのを覚えています。好きが高じて、Linuxが動くサーバーを用意して、ウェブサイトを構築するためのサーバーソフトウェアを実際にインストールしてみるなど、次第に深みにはまっていきました。

大学は情報工学科へ進みましたが、まだ職業としてのエンジニアはイメージしていなかったですね。就職するならコンピューターやインターネットにかかわる分野が良いなと考えていた程度でした。

新卒で入社した会社では、ネットワークのエンジニアとしてキャリアがスタートしました。しかし、担当した案件はグループウェアの移行案件のほか、システムの構築や運用などの案件にサーバーのエンジニアとしてかかわることが多かったです。元々サーバーのエンジニア領域は興味がある分野だったため、キャリアチェンジは自然な流れでした。

2社目のテックファームへ転職後は、多くの運用案件のサーバー管理を任された時期もあり、仕事はハードでしたが、おかげで経験値を一気に高められ、インフラエンジニアとして仕事の幅を広げることができました。

清水さんのインフラエンジニアとしての歩み

インフラエンジニアは顧客のサービスを支えるために欠かせない存在

インフラエンジニアの仕事の面白さと魅力は、顧客企業のビジネスに貢献できている実感が持てる点です。システムの裏側、つまりバックエンドの仕事なので未経験者には想像がしづらいと思いますが、ビジネスの鍵となるのはこの部分なのです。

たとえばECサイトはバックエンドをしっかり支えるインフラがなくては、そもそもビジネスが成り立ちませんし、その完成度こそがユーザーの増減を大きく左右します。

また携帯電話キャリアが提供するような大規模システムを支える企業は、ある意味で社会的なインフラ企業です。短時間の障害でも大ニュースになるくらい社会的に重要なそのシステムを、根幹で支えているのがまさにインフラエンジニアなのです。

テックファーム 技術推進部 クラウドインフラグループ
清水崇さん

裁量権の持てる働き方はエキサイティング! 一方で冷や汗をかく場面も

インフラエンジニアのもう一つの魅力は、裁量権を持って働ける点です。

たとえば顧客企業からこういうものを作ってほしいという要件は与えられますが、そこから設計、実装を経て、要件を満たしつつ確実に機能するシステムをどのように構築するかはエンジニアの力量が試されるわけで腕の見せ所です。

もちろんその分だけ緊張感があり、ごまかしもききません。冷や汗をかく局面を何とか乗り切ったような体験もあります。

印象に残っているのは担当していた新サービスがTVで紹介されて話題となり、想定をはるかに上回る利用者が集中したときのことです。状況が切迫して緊急でのサーバー増強など対応に追われたのです。もしもサーバーがパンクしてしまえばシステム全体がダウンし、サービスを提供する企業の評判もがた落ちなので焦りました。

何としてでもシステムとサービスを守ろうと、缶詰め状態で1週間にわたってサーバーの対応をしていました。障害が起きてしまえば大問題ですし、復旧は一刻を争う時間勝負なので無我夢中でしたね。

大変でしたが、これだけ求められているサービスを支えているということを実感し、うれしくもありました。

インフラエンジニアの魅力と苦労

運用や障害対応など現場での地道な経験が緊急対応や原因究明の力を育ててくれる

エンジニアとしての自分の歩みを振り返ると、比較的幅広い業務分野にかかわってきた方だと思います。初めは運用を担当し、そこから設計、構築と次第に仕事の幅を広げてきたわけですが、これは後にシステムを設計するにあたって良いことでした。

運用を経験していることで障害が生じにくい設計や構築をするうえでの重要なポイントがわかります。つまり机上の空論に陥るような失敗を避けられるというメリットがあるのです。

インフラエンジニアにとって避けられない仕事である障害対応にあたる際にも運用の経験が役立ちます。障害原因を追究するためにはログを分析する必要がありますが、原因究明に必要なログがどのあたりに格納されているのか、どんなレベルまでログをさかのぼるべきか、すぐに当たりをつけられるのは運用の経験があってこそです。

時間をかければ、いずれ正解にたどり着けるでしょう。しかし運用経験があれば、正解にたどり着くまでの時間をより短縮できます。運用を経たことで問題点への気付きが早くなり、時間を節約できるようになったのはアドバンテージです。

仮に運用の仕事がクリエイティブでないと感じたり、障害対応に追われる仕事をしても自分の成長にはあまりつながらないと考える人がいたとしたら、それは間違いです。むしろ運用の経験は、エンジニアとしての成長を促し活躍の場を広げる原動力になるものです。

エンジニアとして幅広い体験をするメリット

周りに相談や質問をためらわない姿勢が大切

成功しているインフラエンジニアに共通する資質として、物事に対する積極性と優れた問題解決能力が挙げられると考えています。

IT業界では、何か新たな状況に直面したり、技術革新が生まれたりするのが日常です。そのため、常に積極的に未経験の状況を受け入れ、目の前の事態に対処していく積極性が欠かせません。併せて自分から学ぶ姿勢も持っていると、新しい技術や情報を吸収することができ、仕事で活躍することにつながります。

また、問題解決能力についてはインフラエンジニアの仕事をするうえで最も重要な力かもしれません。問題解決能力とは、障害の原因を究明して取り除く能力のことだけを意味しているのではありません。障害の原因究明は第1歩ですが、実際には素早く障害を取り除く道筋をつけられる力が重要なのです。

つまり、事態を正常化するための複数の選択肢から最速となる案を素早く選んだり、作業を進めるうえで最適な優先順位を見極めたりする力も、問題解決能力に含まれます。

積極性に欠け、上から言われた仕事をこなすだけに終始し、自分の頭で考える習慣がないインフラエンジニアに甘んじていると、こうした問題解決能力が鍛えられないので、次第に活躍の場を失っていくことになります。 

積極性に関して一つ付け加えると、わからないことや自分の力量が足りない部分については、それに詳しい適切な相手を見つけて相談し、助言を仰ぐ姿勢が重要だということです。これからエンジニアを目指そうという人たちは、この点も覚えておいてください。

誰かに相談したり質問したりすることに抵抗や恥ずかしさを感じ、気にしてしまう人はこの仕事に向いていないかもしれませんね。周りを見ても、優れたエンジニアはみな自分がわからない技術や情報に関して、自分より詳しい人に教えを乞うのをためらいません。

私自身も何か困り事や仕事上でうまくいかないことがあれば、その分野に強かったり得意だったりする同僚や上司にすぐに相談し、解決策を探るようにしてきました。

自分一人の限られた経験や知識では至れなかったであろう発想や考えに気付かされ、問題を乗り越えられたことが何度もあります。

インフラエンジニアの需要は形を変えながらも拡大し続けていく

インフラエンジニアの必要性や重要性は今後も変わらず、むしろ上がっていくでしょう。物や情報をつなぐネットワークはどんどん広がり、ビジネスの世界でデータの重要性が増すのにつれてデータを収集するネットワークの範囲や重要性も増す一方です。それを支えるインフラエンジニアのニーズも増えていく流れです。

ただし重要性とニーズが増すなかでも、その役割を細かく見れば変化はあります。インターネット上でインフラ機能を提供するクラウドサービスが登場し、システムを自前で運用するオンプレミス(※1)のインフラからクラウドへ移行するケースも多いので、インフラエンジニアのなかでもクラウド系の人材ニーズが増している面があります。

一方でオンプレミスのニーズも根強くあり、能力あるオンプレミス系のインフラエンジニアが活躍する余地はまだまだ大きいと思います。つまりトータル的に見るとインフラエンジニアの需要は増え続けるというわけです。

※1 オンプレミスとは、アプリケーションのようなソフトウェアと、サーバーなどのハードウェアを自社で保有・管理し、自社でシステムを構築する運用形態のこと

インフラエンジニアを目指すならどのような行動もいとわずに

これからインフラエンジニア、あるいはITエンジニアを目指そうと考えている人たちには、自ら行動を起こす習慣を身に付けてほしいですね。私個人として、すぐに成長して戦力になってくれると考えているからです。

行動の内容は何でも構いません。資格の取得やIT業界の展示会で最新情報に触れることなど、エンジニアの世界を理解するために役立つ行動はたくさんあります。

先輩エンジニアたちの勉強会に参加してみるのも一つの手です。大手のクラウドサービスであればオープンな勉強会を開催しているので、参加することで業界の雰囲気や流れを感じることができるでしょう。クラウドサービスは無料トライアルできる制度もあるので、学生でもクラウドエンジニアの世界をのぞいてみることが可能です。

私は、展示会へ積極的に足を運んでいます。一番の目的は情報収集です。SNS上で発信される最新情報や技術書などからも情報は集められますが、展示会にはまた違った価値があります。展示ブースを広く浅く全体的に見ることで、いま流行っている製品や業界のトレンドを感じ取ることができ、とても参考になります。 

エンジニアを続ける限り、積極的に学ぶ姿勢や好奇心とは縁を切れないと思います。

清水さんと描くインフラエンジニアの未来

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