
CCNAの合格点は? 試験改定後の傾向や勉強方法を解説
2022.04.27
INTERVIEW 特別インタビュー
特別インタビュー
Satoru Matsumoto・2014年に大学の情報系学部を卒業し、アライドアーキテクツに新卒入社。開発本部で自社プロダクトの運用・開発に従事。その後、ソリューション部門の責任者などを務める。海外開発拠点となるベトナム子会社Allied Tech Campの立ち上げにかかわり2019年にCEO就任。2022年よりアライドアーキテクツ本社で、自社開発SaaS「Letro」改善チームのプロジェクトマネージャーを兼務
エンジニアという仕事に就こうと考えたのは、エンジニア最強説を確信するようになったからです。
エンジニアは技術を基に無から有を産み出すことができるクリエイティブな職種であると同時に、産み出したものを売ることもできる。つまり自分でつくって自分で売ることもできるということです。そう考えるとエンジニアとは何と素晴らしい職業なんだと思いませんか。創造的でなおかつビジネスと強くかかわれる。だからこそ「エンジニア最強説」なのです。
もともとエンジニアにそれほど関心があったわけではありませんでした。しかし 就活をしている最中に、先輩から就職先はWeb業界が良いのではとすすめられ、興味を抱くように。そこから自分はWeb業界でどのような仕事を選ぶべきか考えるようになり、最終的にエンジニアとしてのキャリアを歩むことにつながりました。
エンジニアに興味を持つまではエントリーシートをたくさん提出して、企業が求めるテストをいくつも受けて、ごく普通の就活をしていたのですが、活動していても自分としてはしっくりこないし確かな手応えも感じられず。そんなときだったから先輩のアドバイスが心にすっと入ってきたのかもしれません。
もっとも、Webとかエンジニアといったワードは、もともと馴染みのある世界のものだったのも事実です。中学・高校時代から趣味でパソコンを自作していましたし、自宅でのアニメ鑑賞の環境を整備するためホームネットワークを構築したことも。それほど深く考えた選択ではありませんでしたが、選ぶべくして選んだ道だったのかも知れません。
「エンジニア最強説」そんな説を考え付くくらいですから、自分がエンジニアになったら、作ってつくって売って幅広く活躍してみたいと考えていました。ところが、そんな最強であるはずの職業・エンジニアのことを「エンジニアは技術者としてしか見ない」というのが多くの企業のスタンスでした。これには非常にショックを受けましたね。
そんななかで「エンジニアは技術者というだけでなくビジネスパーソンでもあるべき」という発想で、「プロダクトを創るビジネスパーソン」をエンジニアのバリューとして挙げていたのがアライドアーキテクツでした。採用面接でも私の考え方を評価してくれましたし、私も自分の考え方と会社のカルチャーが一致していると感じ入社を決意。
現在ではまわりを引っ張る立場となり、メンバーに対して「単にシステムを作る人になってはいけない」と呼びかけています。自分が作るものにはなぜ作るのか理由があり、なぜ必要なのかを理解して作ることで、エンジニアリングとビジネス面の2軸のスキルセットを持つことができると思っているからです。
エンジニアとしての幅を広げたかった自分の希望通りに、入社後はさまざまな仕事にかかわることができました。最初の3年ほどは社内プロダクトの運用・開発に携わり、営業部隊から寄せられるプロダクトの中身や使用方法についての問い合わせや質問に答えたりするほか、イレギュラーな事態に対応しながら、改善すべき点が見つかればそのための開発もおこないました。
次に就いたのがソリューション部門で、ここでは約2年間責任者を務めました。営業として顧客の要望や要求をヒアリングし、エンジニアとして要件定義から開発、納品後の運用保守など一括でおこない、幅広い視点に立って仕事をする経験を積みましたね。さらにはディレクターやデザイナー、エンジニアなどをマネジメントしながら営業数値の管理もおこない、ビジネスパーソンとしての力をさらに鍛えられました。
そんな中でベトナムのホーチミンに開発拠点となる子会社、Allied Tech Camp(ATC)を設立することになり、プロジェクトを任されたのは大きなターニングポイントでした。海外で仕事をする願いをかなえられたことに加え、ATCでCEOを務めることによってそれまでとは異なる多くの経験を積めたからです。
同じベトナムのハノイにAllied Tech Base(ATB)という子会社がすでにあり、その関係で数年前にベトナムへ出張した際に、いずれ海外で働いてみたいと感じるようになりました。それが海外初渡航だったこともあって、衣食住から文化や日常生活まで、すべてが日本と違うことに衝撃を受け、より幅広く体験を積み多様な考え方を鍛えるためには海外で仕事をするのが一番だと思ったのが、海外で働きたいと考えた理由です。
実際に日本とはまったく違う環境での仕事は大いに勉強になりましたね。パソコンは数年前の型落ちモデルを使わざるを得ず、インターネット回線も一時代前の電話線併用方式といった状況で、開発どころの騒ぎではないと思ってしまうようなスタートでした(笑)。
しかし苦労もありましたがそれ以上に学ぶこと、刺激を受けることは多かったですし、それは現在も変わりません。
日本とベトナムのエンジニアとでは、得意分野や苦手分野はそれぞれ異なりますが、能力は変わりません。ところが同じエンジニアでも場合によってはベトナムの方が待遇が良いケースもあります。たとえばベトナムで欧米系の外資系企業のエンジニアならば日本で働くエンジニアたちより多額の報酬をもらっている人はざらにいます。
海外の人件費の安い国でオフショア開発というかつての常識は通用せず、このまま行くと日本はエンジニアの働く環境として東南アジアなどのIT新興国に負けてしまう可能性があると感じます。そういう意味では日本人エンジニアとして危機感も持ちました。
ただし逆に言えばそれは夢のあることだとも感じています。エンジニアの能力は国境を越えられますから、技術と一定の語学力さえあればどこの国でも活躍できるし、日本より良い待遇や環境で働くことだって難しくはありません。手に職技術を持った寿司職人が海外で高額の報酬を稼いでいるのと同じです。
エンジニアの世界ではいま、それぞれのエンジニアの仕事の境界線が薄れつつあります。エンジニアの世界はバックエンド・エンジニアとフロント・エンジニア、あるいはインフラエンジニアとWebエンジニアといった具合に分けて見たり、より細かくネットワークエンジニアとクラウドエンジニアを線引きしたりするのが一般的でした。
しかしいまや、そうした境界線をまたいだ仕事ができるエンジニアが求められるようになり、境界線に対する意識も希薄化してきました。そういう意味ですべてのエンジニアに、より幅広い技術や知識が求められるわけですが、ではエンジニアとしての第一歩をどこから踏み出すのが好ましいのか。
さまざまな領域のエンジニアの経験を積んできた者として、ネットワークエンジニアを含むインフラエンジニアからキャリアをスタートすることをすすめます。
というのも建造物にたとえるとネットワークなどのITインフラは基礎建築だからです。基礎建築がなければ、そのうえに建物が造れないのと同じで、アプリケーションもミドルウェアもネットワーク上で機能する以上、ネットワークがなければ意味を成さないわけです。
本来、Webエンジニアはたとえば自分がつくったアプリケーションがネットワーク基盤のうえでどうやって動くのかを理解しているべきです。ネットワーク上の通信の仕組みもわからずアプリケーションをつくるのはおかしな話だと言えるでしょう。
それがわかっている嗅覚の鋭いエンジニアは、Webエンジニアであってもネットワークエンジニアの知識や仕事に興味を示したり学ぼうと考えたりしています。逆も同じでネットワークエンジニアとして基礎建築をしっかり学んでから、Webエンジニアの領域に仕事を広げていく者もいます。
つまり、どの入り口から始めたとしても、エンジニアとして幅広い領域の技術や知識に通じていることが重要だということ。でもその入り口をどこからにするか選択するなら、すべての基礎建築となるネットワーク関係、インフラ関係から入っていくのが合理的だと思います。
もちろん責任領域は存在しますし、それぞれの領域でスペシャリストとして専門を究める者がいてくれることも大切です。しかし、少なくとも自分から領域を狭めるような考え方はエンジニアとしては避けるべきでしょう。
目に見えない部分だからこそ、ネットワークエンジニアの魅力がわかりにくいことは理解できます。こんなアプリケーションをつくったという成果を目に見える形で確認しやすいWebエンジニアに比べて、基礎を支えるネットワークエンジニアの成果は目立ちようがありません。
それをあえていえば「縁の下の力持ち」という説明になるのでしょうか。ネットワークエンジニアは、自分たちが構築するネットワークがなければ、どんなに優れたアプリであっても誰も利用できないとわかっています。ですから電気・ガス・水道と同様に人々の生活を支える極めて重要な仕事に携わっている幸福感を感じられます。
ネットワークエンジニアやインフラエンジニア、もっといえばエンジニア全般に共通する適性はコミュニケーション能力。これは必須といえるでしょう。気づかいや気配りも重要です。
顧客が何を考え何をしたいのか、聞き取り、汲み取るのはコミュニケーションがベースになります。構築したシステムをより良く改善していく作業でも、利用者の反応を察知する必要があり、これもコミュニケーション能力が前提になります。
もう一つの重要な資質は好奇心があること。テクノロジーが急速に進化するなかで常に新しい情報をキャッチアップしていくためには好奇心や探求心がないと続きません。好奇心があれば新しい情報は興味の対象となり、それを知ることをおもしろく感じられます。でなければ苦痛だし変化を楽しめないようではエンジニアを続けていくのが辛くなるでしょう。
エンジニアになるために就職をする際の企業選びは2つの軸が想定できます。第1の軸は、その会社の事業ドメインに興味、関心が持てるかどうか。事業ドメインとは、「誰に・何を・どのように提供していくのか」という、その企業がカバーする事業領域を指します。
実は私にとってアライドアーキテクツは、この第1の軸・事業ドメインから考えると就職先としては十分ではありませんでした。アライドアーキテクツはITを活用したマーケティング事業を展開する会社なのですが、就活時の私はマーケティングに関心がなかったからです。
そして第2の軸は社風や企業のカルチャーとの相性です。エンジニアが所属するようなIT企業で、企業カルチャーも、その源となる経営理念もない会社は実際には少なくありません。
しかしアライドアーキテクツを選んだ最大の理由はこの企業カルチャーでした。その企業カルチャーを象徴する言葉が「One Team, One Goal」で、職域は違っても営業もエンジニアも全員が顧客や市場への視点を忘れずに、常に共通のゴールに向かってプロダクトを創り続ける。
エンジニアがエンジニアリングをするだけに終始せず、営業などのフロントパーソンと同じチームの一員としての視点や目的意識を持って仕事に臨む。そんなカルチャーが自分の考えに一致しました。
かつての私がそうだったように事業そのものにはこだわりがないのなら、エンジニアとして働く場の雰囲気、企業カルチャーだけを徹底的に研究して就職先を判断するのもひとつの方法だと思います。
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