CCNAの合格点は? 試験改定後の傾向や勉強方法を解説
2022.04.27
INTERVIEW 特別インタビュー
特別インタビュー
Kota Hada・1999年にエンジニアとして1社目に入社して以降、金融システムや動画配信サービスを扱う企業、スタートアップ企業など4社を経験。2014年にマイクロアドに入社。チームのマネジメントを管掌する傍ら、ネットワークからサーバーまで構築・運用に広く携わる。2018年より現職
私がITの世界に飛び込んだのは、ガラケーやi-modeが流行した時期。インターネットが隆盛を迎える直前の過渡期でした。
最初に入ったのは、金融システムの運用や保守を手掛ける会社です。ただ思い描いていた仕事内容とのギャップが大きく、経験や知識を伸ばすことに限界を感じたため、3年ほどで転職を決意。「アプリ開発よりも、Web系のサービスにかかわる仕事がしたい」というふんわりとしたビジョンを持って、2社目に移りました。
そこで初めてネットワーク機器を扱うことに。なんとなくの知識はあったのですが、未経験の領域だったこともあり、非常に新鮮な気持ちで取り組むことができました。
初めてしっかり機器を触ってそのおもしろさに開眼し、「ネットワークエンジニアの仕事に興味を持った」という点で、ここがキャリアにおけるターニングポイントと言えるかと思います。
その後、世の中的にはまだメジャーではなかったのですが、動画領域に強く興味を持つようになり、動画配信の事業を手がける会社に移ることにしました。
3社目となるこの企業ではサーバーエンジニアとして多くの経験ができ、Webサービスに関する知識をひととおり得られたことから「実力を試したい」という気持ちが徐々に芽生え出します。
4社目となるスタートアップ企業へ移ってからは、人手が限られていたこともありますが、立ち上げも含めインフラまわりの仕事をほぼ単独で任せてもらいました。
そして2014年にマイクロアドに移り、今に至ります。当社に入るまでは約3年のスパンで転職を繰り返してきましたが、転職先を決めるときは「今の自分よりも成長できそうか」「その会社の事業や仕事に興味を持てるか」という軸で検討しています。当社もまさにこの2軸を満たす企業でした。
当社に入ってからは、すぐに新サービスの立ち上げに参画。具体的には、メディアの広告配信の最適化や管理をおこなうサプライサイドプラットフォーム(SSP)「MicroAd COMPASS」のプロジェクトになります。
ここでは、海外のデータセンターを借りて一からネットワークを作り上げていく経験ができました。国内のデータセンターと海外のデータセンターを専用線で結ぶ手配をする業務は初めてでしたし、その仕組みや迂回の経路など、新しいことを学ぶことができて非常におもしろかったです。
細かい部分ですが、「専用線がトラブルを起こして迂回すると、レイテンシー(※1)が伸びる」といったことも、自分で組み上げて使ってみたからこそわかることですね(笑)。
すでにあるネットワークを触るのとはまた違う大変さがあり、構築に入るまでの調査や準備だけで、半年から1年程度は要した記憶があります。簡単な仕事ではなかったですが、入社後すぐに大きな案件を任せていただき、社内での明確な役割を与えてもらえたことがうれしかったです。
「これまでの経験を評価してアサインしてくれたのかな」と感じられたことも、自信になりましたね。4社目から5社目にかけての頃が、一番エンジニアとしての実力が付いた時期と言えるかもしれません。
直近で手掛けた大きな仕事としては、新広告配信プラットフォーム「UNIVERSE Ads(ユニバースアズ)」が挙げられるかと思います。このUNIVERSE Adsの本格稼働に合わせ、データセンターの移設をおこないました。
本件では、社内的な調整や技術的な課題がかなり多く、ゼロからネットワークを設計し、物理構成も考慮しながらネットワークを構築していくのは大変でした。特に、ネットワークの可用性を維持しつつ、それまでのネットワークの問題点も解決できるような方法を考えていく点が非常に大変でした。
とはいえ新しいことを調べつつ、トライアンドエラーを繰り返しながら組み上げていく過程自体はとても楽しかったです。
データセンターの移設などは協力会社に任せる企業が多いと思いますが、自社でネットワークの設計から構築まですべてをやり遂げたので、そのことも大きな手応えがありました。
※1 レイテンシーとは、データの転送要求を出してから実際にデータが送られてくるまでの通信の遅延時間のこと
私が思うネットワークエンジニアの仕事の醍醐味は、世の中にどんどん出てくる新しい技術を取り入れながら、サービスを体現していけること。長年やっていても飽きることなく、楽しく興味を持って取り組めているのは、これが理由だと思います。
問題なく動いていれば顧客からの声は届いてこないポジションですが、トラブル時には各所から反応があるので「必要な役割である」という自覚は持っています。トラブルなくサービスがスタートし、安定稼働しているとわかる瞬間が一番ホッとしますね。
ネットワークに何かあったときの影響範囲はサーバーなどに比べると圧倒的に広いですし、「絶対に止められないものを扱っている」ということも常に意識しています。
その一方で、「機械で動かしている以上、機器障害は必然的に起こりうるもの」という認識も持っています。機械は壊れることがあって当然ですし、その可能性も見据え影響範囲をできるだけ小さくしながら作っていくことにも、やりがいを感じています。
トラブルが起きたときも割と冷静に動けるタイプですが、落ち着いて対処できるのは、新人時代に運用を経験したことも大きい気がします。
ネットワークエンジニアの仕事は大きく分けて「運用」と「構築」の2つに大きく分かれます。先ほどもお伝えした通り、トラブルは必ずと言っていいほど起こるもの。運用の経験、つまりトラブル対処の経験がないと、トラブル時に対処をしやすいようなシステム構築はできません。
当社のように運用も構築もやれる会社に入れば、「構築をやりながら運用を見る」ということが可能です。「運用時にできるだけトラブルを少なくするためには」という視点を持ってネットワークを構築できるのは、自分たちで構築も運用もやっている会社だからこその強みだと思います。
大企業の場合、多様なプロジェクトを経験できる可能性がありますが、部署が縦割りであることが多く、運用と構築もそれぞれ専門のチームに分かれているのが一般的です。あくまで私の持論ですが、そのように役割が細かく分かれている環境にいると、やれることが限定的になりやすい傾向があるように思います。
一方、スタートアップ企業の場合は極端に人員が限られているため、インフラ全般の構築、運用などすべて任されるようなケースが多いと思います。力はつきますが、チームでしかできないような中規模・大規模なプロジェクト経験は積みづらいでしょう。
転職や異動を前提に、キャリアのどこかで一度、大企業やスタートアップ企業に入って経験を積むのは悪くない選択肢だと思いますが、両方の良いところを兼ね備えた企業もあります。
マイクロアドは、まさにそのような会社だと思います。社内にはエンジニアが40名ほどいて、それぞれの役割が数人ずつという体制です。インフラエンジニアは7名程度ですが、このくらいだと役割が細分化されず、いろいろなことにチャレンジできるので、小さすぎず大きすぎず、ちょうど良い規模感だと感じています。
「ネットワークエンジニアとして成長でき、かついろいろなことにチャレンジできる会社」を探している人は、このくらいの規模感の会社を探してみるのもおすすめです。
5年前からはシニアエンジニアのポジションもいただき、若手のマネジメントも担うようになりました。
若手メンバーを見ていると、興味を持って何にでも取り組む姿勢がある人や、失敗してもへこたれないメンタルがある人は、成長スピードが速い印象があります。1日でも早くスキルアップしたいならば、「今持っている知識でできないからやらない」と自分で壁をつくらず、「できなくてもやってみよう」という姿勢を心がけてみるのがおすすめです。
とはいえ、若い頃はいろいろと行き詰まりを感じる瞬間もあることでしょう。私も20代の頃は思いどおりにいかないことによる不甲斐なさ、もどかしさを感じる場面が多くありました。
職務的にやれることが制限されたり、「経験が浅くてどうにもできない」ということが多かったりで、いつも最終的には「結局、自分が実力を付けていくしかないのだな」という結論に至っていましたね。
「こうありたいという理想と現実のギャップを埋めるためには、経験を積むしかない」という考えに基づいて転職を繰り返した結果、自分の理想に近い環境がある当社にたどり着くことができました。
当社はやりたいことがあれば、手を挙げてやらせてもらえる会社ですし、自分のほうにも「やりたいことをやれる力」が付いてきた実感があります。そういった意味で、今が一番充実感のあるキャリアを歩めていますね。マネジメントも少しずつ経験していきたいですが、まだまだ現役エンジニアとして現場の仕事をバリバリやっていきたいです。
ネットワークエンジニアとしての実力を付けるための方法はいろいろありますが、転職はひとつの手段だと思います。Webサービスの括りのなかでもさまざまな企業がありますし、「他社のネットワークの仕組みを知ることができる」というだけでも、会社を移ることは有意義だと思いますね。いろいろなサービス領域を見て・触ってみることが、ネットワークエンジニアとしてのキャリア形成に役立つと思います。
ネットワークエンジニアというと、エンドユーザーとクライアントをつなげる「だけ」の役割、というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし近年は新しい技術がどんどん入り込んできており、ネットワーク構成はかなり複雑化してきています。
そうしたなかで、より柔軟なネットワークを構築していくためには、プログラムにも精通していることが必要だと感じます。たとえば簡単なものでもスクリプトが書けるスキルがあると、武器になると思いますね。
また最近は、クラウド上で動かすサービスも増えてきています。クラウドに関する知識があるに越したことはないですが、物理的なネットワークも触っておいたほうがベターです。「クラウドしか触ったことがない」という状況だと、ネットワークの表面的な仕組みしか理解できないからです。
ネットワークエンジニアとして経験を増やす意味では、物理的なネットワークに触れる会社に就職や転職をするのもいいですし、最近はネットワーク・エミュレーターなどのソフトで比較的簡単にテストや検証もできるので、そういったものを利用してみるのも一案です。
また、ネットワークの仕組みを知っていることは、先々のキャリアアップに強みになるはずです。「ネットワークがこうなっているからこそ、サーバの構成はこう、アプリはこういう仕組みにする」という視点が持てるからです。
ネットワーク自体は1980年代に生まれたモデルをベースに発展しているので、「勉強した知識がすべて無駄になる」という可能性も低いと思います。
「すべての基本となる知識で、どんな道に進んでも1つの武器にできる」という点で、ネットワーク領域は、あらゆるエンジニアが基礎として勉強しておくと良い分野だと思います。
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