特別インタビュー

CG制作からネットワーク分野に転身してつかんだチャンス|キャリアアップの選択肢を拡げてくれたネットワークエンジニア

アイエスエフネット・浜田将稔さん

アイエスエフネット 執行役員CTO・ソリューション本部長 浜田 将稔 さん 

Masatoshi Hamada ・1977年生まれ。大学卒業後はコンピューターグラフィックス制作の仕事をフリーランスとして手掛けるも限界を感じ方向転換。アイエスエフネットの短期アルバイトを経て2003年に入社。Eコマース決済システムのネットワーク構築などを担当。その後、自ら立ち上げに関わった技術ソリューションチームの本部長等を経て2013年より執行役員として経営に携わる

偶然の出会いから始まった未経験者のエンジニアストーリー

ネットワークエンジニアを含むいわゆるエンジニア職を初めから目指していたわけではありませんでした。大学生時代に興味があったコンピューターグラフィックス(CG)を専門学校で勉強し、大学卒業後はフリーランスとしてCG制作の仕事をスタートさせました。

ところがその頃からCGに対する注目度が急上昇し、専門学校から次々とCG人材が供給されるようになり、競争も激化。少しCGをかじった程度の能力ではやっていけなくなり、自分のセンスや才能の面と収入の両面で将来性に限界を感じ方向転換を考え始めました。

そのようなときにたまたまアイエスエフネットの求人募集に応募して、短期アルバイトとして採用されたことが自分をエンジニアの道に進ませたきっかけです。

アイエスエフネット・浜田 将稔 さん

現場で培ったエンジニアの経験がマネジメントへの道を歩ませた

現在もそうですが、アイエスエフネットは未経験者をネットワークエンジニアとして育成することに力を入れています。

当時はパソコンのキッティング(端末入れ替え/セッティング作業)や機器テストの要員としての採用でしたが、資格を取得すればエンジニアとして幅広い仕事に携われると聞き、目指すことにしたのがネットワークエンジニアでした。

その後、正社員として入社できることになり入社3カ月後にはCCNAを取得。そこからはネットワークエンジニアとして多くの仕事に携わり経験を重ねていきました。

大手通信キャリアのEコマース決済システムのネットワーク構築などにも携わり、キャリアを積み上げていく基礎を固められ、私も未経験者でありながらネットワークエンジニアとして歩み始められたというわけです。

現在は技術担当役員としてエンジニアのユートピアを作るため、技術ソリューション部門の拡充とエンジニア育成に力を注いでいます。当社はもともと営業主体の会社で、以前はエンジニアとしてさらに働きやすい職場環境を作る余地があると考えてはいましたが、当時の社内の動きは必ずしも力強いものではありませんでした。

そしてエンジニアという人種は、その手の取り組みやマネジメントが苦手な傾向にあるのはわかっていました。ならば自分がエンジニアとして取り組んでやろうと考えたのが技術担当役員への第一歩であり、エンジニアからマネージメントへのターニングポイントでした。

ネットワークエンジニアの初歩はプラモデル作りに似ている

ネットワークエンジニアは、さまざまなエンジニアのなかでも進出しやすくわかりやすい分野です。たとえていうなら、ネットワークエンジニアの仕事は、規格が決まったパーツを組み合わせ、組み立てて完成させるプラモデル作りに似ています。

取り扱うのはプラモデルのような物理的なパーツではなく機能としてのパーツですが、あらかじめ決まっているパーツを組み合せたり組み立てたりする点では同じです。

最初はシンプルな組み合わせでネットワークを構築するところから始めて、腕を上げるのに伴って組み合わせや搭載する機能を深掘りしていけるのもネットワークエンジニアの魅力です。

使える機能や制御できるポイントの組み合わせはいくらでもあり、エンジニアの腕次第でより複雑で有効なネットワークを構築できます。

つまりネットワークエンジニアとしてキャリアアップしていくなら、簡単な組み立てだけでは不十分ということでもあります。

プラモデルは設計図通りに組み立てれば完成しますが、それだけでは満足できなくなるのと同じで、ネットワークエンジニアも新しいパーツ(機能)を作ったり、設計図を自分で書いてみたくなるかもしれません。そこからはスペシャリストへの道が続いていきます。

ネットワークエンジニアとプラモデル作りの共通点

簡単な仕事からスタートして徐々にステップアップし、難しい作業をこなして複雑な仕事を担うようになれるネットワークエンジニアには、キャリアを積み上げていきやすい世界が待っています。

しかし参入するうえでの壁が比較的低いネットワークエンジニアの仕事は、未経験者がエンジニアとしてIT業界へ入っていくのに向いた職種というだけではありません。というのも将来的にエンジニアとして活躍の場を広げていくことを考えた場合、ネットワークエンジニアから始めるメリットは少なくないのです。

なぜならすべてのものがネットワークにつながる現代社会においては、ネットワークの仕組みや基礎を知ることが、IT業界で活躍する素地を養う意味でも価値があるからです。ネットワークエンジニアを経験することで将来にわたって活躍のベースとなるさまざまな知識と経験を得られるはずです。

身に付けた技術が自身の価値としてネットワークエンジニアのキャリアを支える

ネットワークエンジニアをはじめとするインフラエンジニアの良い所は、身に付けた技術が継続的な価値としてキャリアを支えてくれることです。

ネットワークインフラは技術革新があってもベースは変わらないため、最初に使った技術が長く必要とされ廃れない面があります。そこに安住するという意味ではなく、そういう特性も活かしながら自分で成長していける環境があるという意味です。

またネットワークは現在の世の中にもこれからの社会にも必要なもので、そしてこれから先もそれは変わりません。

たとえばAIやIoTなど、社会では次々に技術革新が起き新しい技術が生まれていますが、いずれも単体では真価を発揮できません。新技術もネットワークにつながって初めて大きな価値を生み出せます。

各分野の技術革新が進むほど、ネットワーク上のデータ量が増大し、それぞれのデータを分類することへの対応が求められるうえ、それらの制御やセキュリティ対策のレベルアップも必要になります。

ですからどれだけ技術が革新しようとネットワークエンジニアが求められる場面がなくなることは考えられません。むしろ高いレベルを求められていくのです。

もうひとつ付け加えれば、ネットワークエンジニアに限らずエンジニアはつぶしがきく存在です。現在のビジネス社会ではエンジニアでない人も、普通にネットワークにアクセスしたりIT技術を活かしながら仕事をしています。いわゆるデジタルワーカーが当たり前の存在になったからです。

誰もがインターネットを使える時代だからこそネットワークエンジニアは専門家として求められる

逆にいえばエンジニアの仕事の範囲も良い意味でどんどん曖昧になっています。

たとえば現在では誰もがスマホやモバイルPCをWi-Fiに接続して仕事をしていますが、かつて端末をWi-Fiのような通信ネットワークに接続する作業はエンジニアの仕事でありエンジニアにしかできないことでした。

それが今や誰もが、子どもですらもWi-Fiへの接続ができるようになっています。逆に言えばエンジニア的なベースがある人ならば、どのような仕事をするときにもそれが強みになるということ。つぶしがきく存在と示したのも理解できるのではないでしょうか。

誰もがネットワークに接続できる時代を迎えると、エンジニアは専門家として統制や管理、セキュリティという、より高度な仕事を担うようになります。

また仕事のあらゆる場面においてIT活用が進むなかで、デジタルベースで物事を考える力が必要となり、マネジメントに当たってもエンジニア的な考え方や基礎知識が求められる時代になるのは確実です。

仮にエンジニアとしての第一線を退いてもエンジニアの経験がキャリアに活きてくるのは間違いないでしょう。

将来にわたってネットワークエンジニアが求められ続ける理由

ネットワークエンジニアの将来に続く3つの道。キャリアを走りながら自分に合った道を探そう

ネットワークエンジニアあるいはエンジニアとしてキャリアをスタートした者が進む道の選択肢は複数あります。

まず1つ目はスペシャリストへの道。エンジニアとしての最新技術を学び実践して腕を磨き、エンジニアのスキルを向上させていくキャリアです。

2つ目は経営幹部への道。先ほども説明したようにエンジニアとして蓄えた知見や経験は、今後ますますDX(デジタルトランスフォーメーション)が重要性を増していくなかで自分の貴重な財産になります。

すでにITやデジタルの知識がなくてはビジネスを回せない時代が始まっており、エンジニアとして鍛えられた経験は、企業経営にも活かせるものだからです。私もそうでしたがエンジニアとしての経験が、企業経営にかかわるチャンスを拡げてくれるはずです。

3つ目はITコンサルタントへの道。エンジニアとしての技術とスキルを活かして顧客の課題解決を助ける仕事にやりがいを感じる人は、さまざまなエンジニア業務を経験したうえで、それらを組み合わせて新しいソリューションを生み出す能力を磨き、コンサルタントとして活躍していくことも可能です。

ネットワークエンジニアのキャリアの選択肢

ネットワークエンジニアとしてスタートすれば、いま説明したような3つの選択肢を得られます。

選択肢があるということは、経験を重ねていくなかで自分の考え方や適性、希望に合わせてどのような道を歩んでいくかを柔軟に変えていけるということ。自分のキャリアのゴールを、これから走りながら決めていきたい人には向いていると思います。

キャリアアップに資格取得は大切だがそれは必要な経験の積み重ねができるから

ネットワークエンジニアとしてキャリアアップしていくためには資格の取得は重要です。私もアイエスエフネットに入社した3カ月後にはCCNAの資格を取得しましたし、社員にも「必ず取得すべきだ」と発破をかけてもいます。

ただ資格は採用の際の条件にすることはありませんし、資格取得が直接的に実務に役立つとも考えていません。それでも社員に資格取得を強く求めるのには明確な理由があります。

新人が任されるような初歩的なネットワーク設定は、詳細な手順書さえあれば誰でもできる作業です。決められた手順でボタンを押していけば終了するからです。

しかしネットワークに関する基礎的な知識がない者がこの作業をおこなった場合に、その人に残るのは単に「ボタンを押した」という経験だけ。これでは何の成長にもつながりません。

ところが、たとえばCCNAの資格を取得し、その過程でネットワークの基礎を学んだ者が同じ作業をすれば、一つひとつの作業の意味も理解しつつ「ひとつのネットワークを設定した」という経験値を蓄積できます。

体系立ててネットワークについて勉強し仕組みを学ぶことには、そういう意味があります。試験問題を解くことが直接的に仕事に役立つわけではなく、自分が成長していくために必要な経験値を積み上げていく、その基盤を作ることにこそ資格取得の意味があるのです。

ネットワークエンジニアにとっての資格取得の意味

トラブル対応の大変さも自分の成長につながったと感じ喜びに変わる瞬間がある

エンジニアという仕事で喜びを感じるのは、自分が技術的にステップアップしていることを感じたときです。

また自分が力を発揮できる範囲が、新たな技術分野や新たなプロジェクトにまで広がった際にも大きな喜びを感じます。つまり成長を実感することにエンジニアは最高の喜びを感じるのだと思います。

ただその瞬間は成長を自覚せず、後になって実感することも多くあります。たとえば、トラブルに見舞われて四苦八苦しながら問題を解決したときにはその成長がわからなくても、後から振り返ってみたときに「あの経験で自分は成長できた」と感じられることもあるでしょう。

知識と経験を総動員して乗り越えるからこそ成長につながるし記憶にも残る。本当の技術力やスキルが試されるのはトラブルの場面で、それを乗り切った経験は記憶に刻み付けられます。

また普通に通り過ぎてしまえば見逃してしまう障害ポイントや潜在的なリスクに気づかせてくれるのもトラブルの効能です。付け加えればトラブルを一緒に乗り切った顧客とのコミュニケーションも確実に深化します。

アイエスエフネット・浜田 将稔 さん

エンジニアにとって成長と喜びはセットの存在で、エンジニアとしての価値を高めていくには成長できる環境が欠かせません。その意味でエンジニアの企業選びにおいて成長できる環境の有無は大変重要なポイントです。

成長できる条件のひとつはチャレンジできる環境があること。その見極めについてはネットワークエンジニアなどのインフラエンジニアはより慎重であるべきです。

というのもインフラの技術はいったん構築すると変えにくい内容であるため、変化の少ない仕事の繰り返しに陥りかねないからです。

変化の少ない環境にいれば自らの変化や成長も減速してしまうため、ステップアップしたいエンジニアにとっては好ましくありません。チャレンジしたり新たなステージへ進める環境がある企業を選び、ネットワークエンジニアとして成長し続け、その喜びを感じ続けていきましょう。

浜田さんと描くネットワークエンジニアの未来

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