特別インタビュー

「ITは向いてない」そんな思いを覆したネットワークエンジニアの世界|オタク気質とコミュ力がキャリアを伸ばし道を広げた

フリースタイル システム管理部主任 内山 昌也 さん

Masaya Uchiyama・1990年生まれ。IT系専門学校を卒業し自動販売機の飲料装填をおこなう企業に入社。1年間勤務した後、2012年に知人に紹介されたフリースタイルに入社。顧客企業へ出向しパソコン管理などの業務を担当。その後、サーバーの構築や管理、オリジナルゲームアプリの企画、受託開発事業の担当を経て、現在は自社内システムの管理部門の主任を務める

迷っているなら、すぐに飛び込んでしまうのが正解

ITにはゆかりのあるようでないキャリアでした。IT系の専門学校を卒業したものの、ITとは無関係の企業に就職しています。もともとオタク気質だったこともあり、ゲーム作りに憧れて専門学校に入学。しかし、実際に授業を受けてみるとゲーム作りに欠かせないプログラミングの作業が自分には向いていないと感じてやる気を失ってしまいました。

とはいえIT系の仕事に代わって何を目指すのか、明確な目標もなくコミュニケーションに苦手意識もあったので、人とかかわる場面が少なそうな仕事を探しました。それで自動販売機の飲料装填をおこなう会社に就職し、トラックを運転して自動販売機を回る仕事を始めました。

そんな中で1年ほど仕事を経験すると、自販機回りが過酷な肉体労働だということを身に染みて実感しはじめるように。長く続けることは難しいと感じ、オフィスで仕事ができるIT系の会社に転職しようと考えるようになりました。ITに苦手意識を感じた私が、巡り巡って再びITの世界に目を向けることとなったのです。

内山さんのITへの興味と挫折

IT系企業であるフリースタイルとの出会いもちょうどその頃です。知人から紹介してもらい、そのまま入社。本当は前職を続けながらIT系の仕事に移る準備をしたうえで転職しようと計画していたのですが、すぐに転職したのは今思えば良い選択でした。

専門学校を卒業してから数年経っており専門学校で学んだIT系の知識もすっかり忘れていました。IT素人といっても過言ではない状態だったため、当時は不安でいっぱいでしたね。

しかし結局のところ実際の業務を通じて必要な知識やスキルを学ぶのが一番早い方法。なので転職を躊躇して時間を無駄にする前に、すぐにこの世界に飛び込んでしまったのは大正解。振り返ってみてそう思います。

現在では当社を含むIT系企業の多くが社員の育成に力を入れており、勉強会や研修制度が充実した企業が増えています。私が転職した当時も比較的そうでしたが、最近はさらに転職のハードルは低くなっているのではないでしょうか。迷っているくらいなら思い切って飛び込んでみたほうが時間を無駄にしなくて済むのではないかと思いますね。

必死になって周りに着いていけば夢がかなう

会社はその人の経験を踏まえて仕事を与えるわけで、いきなり高度な知識やスキルが必要な仕事は担当させません。私も最初は顧客企業に出向し、教育機関などから発生するパソコンを管理する比較的簡単な仕事を担当するところからスタートしました。

たとえば公立学校からパソコンの不具合の連絡が来て、その内容をチェックしたうえで該当のメーカー修理に回す判断をしたり、簡単な設定を頼まれて対処したりする程度の内容です。これくらいであればもともとゲームが好きでパソコン操作に慣れていた自分には難しい仕事ではありませんでした。

そしてその次に担当したのはITインフラに欠かせないサーバーの構築や管理の仕事です。これはかなり高いレベルの能力が求められる仕事であったため、必死に勉強することになりました。トップレベルの技術屋さんが集まったチーム内で交わされる話が理解できない。そのたびわからない単語や話の内容を片っ端からメモして、人にたずねたり自分で調べて理解できた事柄をつなぎ合わせて、みんなに食らいついていく。そんな毎日でした。

負けず嫌いな性格だったのに加え、オタクだった過去が功を奏し、知らない知識を拾い集めるというそんな毎日も苦ではありませんでした。その後地道な努力を半年ほど続けているうちに、次第に周りのレベルについていけるように。その後、会社がオリジナルゲームアプリを制作することになり、私もかかわることになったのが新作ゲームの企画です。

4歳頃からファミコンゲームにはまり、ゲームを作りたくてIT系専門学校に進んだもののプログラミングで挫折した自分です。少し遠回りはしましたが、ゲーム作りにかかわるという夢をかなえることができました。

新人として周りについていく方法

仕事の意味と価値を理解すれば満足を得られるはず

IT系の職業には、プログラマーやウェブデザイナーなどに代表される華やかなイメージがありますが、そのイメージは現実とは異なることが少なくありません。プログラマーはコンピューターを意のままに操りゲームやCGをつくり上げるイメージがありますが、実際の仕事はひたすらキーを打ち続ける地味な作業がほとんど。

ウェブデザイナーは自由にキャラクターを創作するような仕事だけでなく、ひたすらアイコンを作っては駄目出しを食らう作業の繰り返しという側面もあります。

その点、ネットワークエンジニアを含むインフラ系のエンジニアに関しては、目に見えないインターネットなどのITインフラに携わるためむしろイメージが湧きにくい仕事だと思います。実際にその仕事に携わってみなければわからない部分も多い職種です。華やかなイメージがない反面、先入観も少ないので実際に仕事してみて魅力を感じる仕事といえるかもしれませんね。

実際には十分に魅力的な仕事で、私自身は満足しています。とはいえどこが魅力的なのか説明するのは、仕事の内容を理解してもらうのと同様に難しい面があります。

あえてわかりやすく言えば、多くの人の仕事や生活を支えるネットワークなりシステムなりをきちんと動かすため、実はかなり複雑で高度な作業をしているのだと、周りはわかっていないけれど自分自身ではよくわかっている点ですかね。そんなことを思いながら、ときどき心の中で喜びと充実感を噛みしめています。

インフラ系エンジニアに必要な粘り強さと論理的思考

ネットワークエンジニアを含むインフラ系のエンジニアに求められる資質は、粘り強くあきらめない姿勢、論理立てて物事を考える論理的思考力、そしてコミュニケーション能力の3つです。

インフラ系エンジニアに求められる資質

私には幸いにも粘り強く諦めないメンタルがありました。学生時代から負けず嫌いで逃げるのが絶対いやな性格も影響しているのだと思います。

インフラエンジニアをしていると、作業をどう進めればうまくいくのか正解が見えない仕事を任されることは日常茶飯事です。そんなときは、できるだけ現実に近づけた仕事の環境を再現するため、たとえば仮想サーバーと仮想顧客を用意して、どうやったらうまくいくのか、仮想環境のなかでトライ&エラーを繰り返して正解にたどり着くような粘り強さが欠かせません。

そして論理的思考も必須ですね。たとえばシステムに障害が発生したとき、その原因を順序だてて一つひとつ冷静に見極めながら探り出さなければなりませんから。「ここが怪しそうだ」とカンや当てずっぽうで対処するのではなく、一つひとつ根拠を持って原因に迫る。「こういうエラーが出ているのだからここから調べて、次はあそこを調べよう」と理詰めで動かねばなりません。

どんな仕事もコミュ力が必要。もちろんエンジニアも

3つ目に挙げたコミュニケーションの大切さは、すべての仕事に共通です。先ほど説明しましたが、専門学校卒業後に自動販売機の飲料装填をおこなう会社に就職したのは、トラックを運転して自動販売機を回る仕事なら、あまり人と接しないで済むと考えたからでした。

当時は仕事で人とコミュニケーションするのが煩わしく感じたので、自販機の仕事がうってつけだと思ったわけです。ところが、いざ仕事を始めてみると人とのかかわりがとても多い仕事でした。

1人で100台ほどの自販機を担当し、飲料を装填していくのですが、その際に自販機のオーナーさんとのやり取りが欠かせず、いやでも対人コミュニケーションが求められます。実は我々にも売上目標があり、達成するためにはオーナーさんと良好な関係を保って、各種情報の聞き取りや意見交換が欠かせないからです。その経験から、コミュニケーションがいらない仕事なんてないことを思い知らされました。

でもおかげで、いつのまにかコミュニケーションの苦手意識を払拭でき、現在の仕事にもプラスになっています。エンジニアの仕事はチームでおこなうことが多く、メンバー間の緊密なコミュニケーションがなければ仕事がうまく進みません。

またメンバー同士、つまり内だけではなく顧客という外とのコミュニケーションも必須です。顧客が何を求めているのか、どういうネットワークやシステムを求めているのか。しっかりとヒアリングしたのち、それをチームの仲間たちに正確に伝えなければならない。この情報の伝達と共有がエンジニアの仕事のカギを握っているとさえいえます。つまりネットワークエンジニアにとってコミュニケーション能力は絶対に欠かせないものなのです。

高いコミュニケーションが幅広い知識をもたらしエンジニアの寿命を延ばす

専門性を追求して技術屋のキャリアを究めるならばコミュニケーション能力の重要度は下がるでしょう。しかし、そのスタイルで長く生き抜いていくには、誰かとかかわらずとも、自分1人だけで作業が完了するような相当に飛び抜けたレベルに到達しなければなりません。

しかし逆にコミュニケーション能力が高ければ、エンジニアとしての寿命は確実に延ばせるはず。知識と経験を積み重ね、エンジニアとしてチームの力を高められるコミュニケーション能力を鍛えれば、自分ひとりの力でキャリアを切り拓いていける可能性が高まり、キャリアの寿命も延ばせます。

コミュニケーション能力は短期間では鍛えられません。ほとんどすべての仕事に必要なので、若いうちから能力向上を心掛けるべきでしょう。その方法として思いつくのは、趣味も関心事も、あるいは年齢も違うような相手とも積極的に交流することです。

どうしても同じ趣味だったり、考え方が似ている相手とばかり集まりがちですが、あえて自分とは異なる点が多い人たちともかかわっていくことで、コミュニケーション能力が鍛えられると思います。

技術を究めた専門家でないからこそ、キャリアの伸びしろは大きい

先ほどインフラ系エンジニアの魅力をひとつ語りましたが、インフラ系のエンジニアの仕事にはもうひとつ魅力があると思っています。それは、エンジニアとして幅広い知識を養い、長く続けられる職業だという点です。エンジニアのキャリアとして、たとえばプログラマーとして専門性を追求した場合と、インフラ系の幅広い知識を持ったエンジニアを目指した場合とでは、キャリアのあり方が変わってきます。

専門性を追求し技術屋としてのキャリアを選択した場合は、ほかのエンジニアより3倍も4倍も能力があれば話は別ですが、一般的な能力であれば40代、50代になれば若手に仕事を奪われる可能性は往々にしてあります。

一方、幅広い知識を備えたエンジニアは年齢を重ねても生き残りやすい面があります。たとえばネットワークエンジニアとしてサーバーの構築や管理をするためには、サーバーの知識はもちろん、通信系や顧客に関する知識も必要です。専門性を高めるというより、関連する幅広い知識をつけてキャリアが横に広がっていくといえるでしょう。

ひとつの分野を究める技術屋としてのエンジニアではなく、ネットワークエンジニアとしての幅広い知識を持ち、事態に柔軟に対応できる能力を養えば、この世界で長く活躍できる可能性は高まるはずです。

内山さんと描くネットワークエンジニアの未来

無料カウンセリング、
参加受付中!

IT業界やネットワークエンジニアのこと、
当校や入校に関する疑問、ご相談などお気軽におたずねください。

TOP
まずは無料カウンセリングへ!