特別インタビュー

文系学生からネットワークエンジニアの道へ|仕事の責任感がキャリアアップの原動力

KSK ネットワークサービス事業本部 システムエンジニアリング事業部ゼネラルマネージャー 蒋晨燕さん

Shinen Syou ・中国上海出身。高校卒業後、留学生として来日。大学・大学院で経済学を学ぶ。大学院修了後にKSK入社。システムエンジニアとして銀行のネットワークシステム構築などに携わる。チームリーダー、マネージャーを経て、2019年にシステムエンジニアリング事業の統括責任者であるゼネラルマネージャーに就任し、現職

文系学生の運命を変えたひと言

中国から留学生として来日したのは、日本の大学で経済学を学ぶためでした。いわゆる文系学生だったわけで、卒業後は貿易関係か、銀行・証券といった金融関係の仕事に就くつもりでした。ですから自分がIT業界でネットワークエンジニアのキャリアを歩むことになるとは想像もしていないことでした。

ターニングポイントになったのは大学の友人の「IT系の仕事に向いているんじゃないか」の一言でした。ちょうど希望分野の就職活動がうまくいってないタイミングだったこともあり、友人の一言があってからは就職活動先にIT系企業を加えることになり、一番早く内定をいただいたKSKに決めました。

そのときの友人はIT系に強く、アルゴリズムについて説明してくれたうえで、私にお題を与えてアルゴリズムを作ってみるように促しました。30分ほどでアルゴリズムを作り友人に示したところ、私がIT系に向いていると感じ取り、先ほどのアドバイスにつながったようです。

私は文系でしたが数学も嫌いではなく、ロジカルで数学的な思考もできる方だったとは思います。それでもIT系の仕事は縁遠いものでしたし、友人の一言がなかったら現在のキャリアは歩んでいなかったはずです。

社会インフラを支える仕事に誇りと充実感

現在はシステムエンジニアリング事業部の責任者としてマネージャー10人、エンジニア180人を率いる管理職のポジションにいます。システムエンジニアリング事業部では、システム開発専門のいわゆるSIer(エスアイヤー)と呼ばれるIT企業に対して、技術提供及び技術者の派遣を行っています。

システムエンジニアリング事業部の対象分野は金融、官公庁、文教、防衛など。社会のインフラを支える重要分野の仕事が多く、やりがいも大きいと感じてきました。またネットワーク系の仕事だけでなく、サーバ系の仕事も多く手掛けています。

現在は私自身が現場に出ることは少なくなりましたが、バリバリのエンジニアだった時代には自分も一員となって作り上げたシステムがニュースに取り上げられるなど、社会に役立てている実感を持てましたし、仕事に誇りを感じる場面は少なくありませんでした。

2010年代前半に日本銀行が各銀行とのネットワークを構築した際には、銀行側のネットワーク接続システム作りに携わりました。私が担当した銀行を含む対象全銀行と日銀とのネットワークがカットオーバーした際には大きく報道されました。社会を支える有意義な仕事に携われた充実感を感じると同時に、5年がかりの大仕事をやり遂げた達成感を得られました。

これからの時代をリードするビッグデータ解析、自動運転、AI、IoT、メタバース(仮想空間)などの発展には、それを支えるネットワークやサーバの技術が不可欠で、ネットワークエンジニアの活躍の場はますます広がっていきます。これからこの仕事を始める方々は、私が感じてきた以上の充実感や達成感を得られるはずです。

エンジニアへの1歩目を助けてくれた教育体制

文系学部出身だった私がネットワークエンジニアとして順調なスタートを切れたのは、会社の教育システムのおかげでもあります。3カ月間ほどの研修期間中に、エンジニアとしての1歩目を踏み出すのに必要な知識を教え込む教育制度に助けられたからです。

現在はKSKカレッジという形で、新入社員だけでなく中堅社員や管理職まで技術習得や資格取得などの教育支援を行っており、会社として人材育成にはより力を入れるようになりましたが、以前から人材育成体制は整っていました。

新卒の場合は社会人の基礎であるビジネスマナーやコミュニケーションスキルのトレーニングも含めて5カ月間の研修期間を用意しています。他業界から転職のキャリア採用の場合は社会人としての素養はすでに身についている前提に立ち、研修期間は1カ月間。

「ITとは」「IT技術とは」を学んでもらいます。ネットワークエンジニアの入門資格であるCCNAの取得も手助けします。

研修後は客先常駐を含む現場で仕事の経験を積むことになりますが、新卒1人に対してアソシエイト1人とOJT1人の計2人がケアに当たります。アソシエイトは1年早く入社している先輩社員が務め、年齢の近い兄・姉的な存在として社会人生活全般に寄り添います。

OJTは現場のチームリーダーが務め、仕事面をサポートします。キャリア採用の場合、アソシエイトは付きませんがOJTによる仕事のサポートは新卒同様におこないます。

このほか1カ月に1回は管理職による1対1の面談があり、仕事上の不安などの相談に乗ります。ネットワークエンジニアとしての第1歩を踏み出すための環境は、私が入社した2000年代前半に比べ業界全体がかなり充実している印象です。

働く環境は会社や常駐先の現場にもよるので、ネットワークエンジニアとして一括りにはできないと思いますが、少なくとも私は恵まれていました。子供ができて仕事を辞めることも考えましたが、夫に背中を押されて仕事を続けました。

育休明けに携わったのが銀行ネットワークの接続システム開発だったのですが、客先常駐の相手企業も定時退社を守り、むしろ「早く帰りなさい」と促してくれるような良好な環境でした。

子供の保育園送迎なども問題なく、仕事と育児を両立できました。子供が少し大きくなってからは、自社の会議参加の際に事情があって子供を連れて行ったこともありましたが、会社もそれを受け入れてくれました。母親としてネットワークエンジニアとして、働きづらさを感じたことはありません。

ネットワークエンジニアから出発してチームリーダー、マネージャー、ゼネラルマネージャーとキャリアをステップしてこられたのは、働く環境の良さもあり、仕事への意欲を高めることができたからだとも感じています。

自分の仕事は責任を全うする

もちろん仕事ですから、ハードな面も当然あります。銀行システムを担当していた当時、平日は銀行システムを止められないので、検証作業を土・日で集中的におこなう必要があり、土・日出勤が多くありました。しかし、それが嫌だとか辛いと感じたことはありません。

新人扱いされて「君は土・日は出なくていいよ」と言われる方がむしろ苦痛でした。自分の仕事には責任を持ちたかったので、「なぜ自分は外されたのか。新人で能力が足りないからか」と理由を突き詰めて考え、次は絶対に呼ばれるようにと勉強に励みました。

人から与えられた仕事だと考えれば「ああ土・日も出勤か」となりますが、自分の仕事だと考えれば、自分がやらなくてはという責任感が生まれますし、意欲も沸いてきます。そういう仕事に対する発想の切り替えが有効なことは、どの職種も共通だと思います。

そういった仕事へのポジティブな向き合い方や、積極的に学ぶ姿勢が報われるのもエンジニアの魅力です。技術に依存する技術職ですから、技術をおろそかにせずに自ら磨いていけば、任される仕事の領域が広がり会社の評価も高まります。

欠くことのできない人材になれば相応のポジションが与えられ、給料にも反映されます。5年、10年と自分を磨けばネットワークエンジニアとして仕事面でも報酬面でも恵まれた環境が手に入ると思います。

コミュニケーションこそ最重要のエンジニアの資質

ネットワークエンジニアに必要な資質は、技術面よりコミュニケーション能力です。大きなシステムはエンジニア1人の力ではできません。チーム内でアイデアを出し合い良いものを作るチームワークが必要です。ですから、まずは自分の意見を明確にすべきだし、その意見を仲間に伝えるコミュニケーション能力が非常に重要です。

チームに依存して人に従っているだけでは、自分の成長が遅くなるだけです。自分だったらどうするのか、責任をもって常に回答を用意できる人材がネットワークエンジニア向きの人材だと言えます。

チーム内においてコミュニケーション能力が必要なのと同様に、対外的にもコミュニケーション能力が極めて重要です。ネットワークエンジニアの仕事は、自分が何を作りたいかではなく、クライアントやエンドユーザーが望む機能を提供するシステムを考え、それを実現することです。つまり自己満足に陥ることなく、相手の希望や要望をきちんと引き出し、汲み取る力が必要です。それがコミュニケーション能力です。

また技術力についてありがちな誤解は、知識と技術力の混同です。仕事において尊いのは知識ではなくそれを活かせる力。本当の意味での技術力なのです。

あきらめず、自分を信じ、前へ進め

自分がここまでキャリアの階段を登って来られた一番の要素は、あきらめない心だったと振り返って思います。ネットワークエンジニアとして出発した時点では現在のポジションを目指していたわけでも望んでいたわけでもありません。

ただ目の前の仕事は絶対にあきらめず取り組み、丁寧に、やるべきことをやろうと心掛けてきました。結果的に、それが自分に対する周りからの信頼を貯金していくことにつながりました。

IT業界への転職を考えている方や、ファーストキャリア選びに当たる学生さんに対して言えることは、自分を信じて前に突き進んでほしいということ。それまで歩んできた人生を信じなければ次への一歩を力強く踏み出せないですし、結局、自分自身を信じられる人は強い。そう思います

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