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クラウドエンジニアにおすすめの資格13選! 難易度別に紹介

クラウドエンジニアにおすすめの資格13選! 難易度別に紹介

「クラウドエンジニアにおすすめの資格はどれ?」「資格を取得することでどのようなメリットがあるの?」など、クラウドエンジニア向けの資格に関する疑問を持つ方は多いでしょう。

資格の取得は勉強の過程でスキルアップを目指せるのはもちろん、採用担当者からの高評価や収入アップも期待できます。まずはクラウドエンジニア向けの資格の種類を知って、最適な資格を選びましょう。

この記事では、クラウドエンジニアが資格を取得するメリット、難易度別のおすすめ資格、資格の選び方などについて紹介していきます。資格試験に合格するための勉強方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

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クラウドエンジニアが資格を取得するメリット

クラウドエンジニアとして働くうえで資格は必須ではありませんが、資格取得にはさまざまなメリットがあります。「転職・転職活動を有利に進めたい」「スキルや収入をアップさせたい」「さらに活躍の場を広げたい」などと考えている方は、ぜひ資格を取得しましょう。

クラウドエンジニアが資格を取得するメリット

以下では、クラウドエンジニアが資格を取得するメリットについて詳しく紹介していきます。

就職・転職時のアピール材料になる

資格を取得すれば自分の持つ知識やスキルを客観的に証明できるため、就職・転職時に役立ちます。エンジニア未経験者が資格を取得すれば業界への興味関心や熱意をアピールでき、経験者がより高度な資格を取得すれば即戦力として重要なポジションを任されるかもしれません

未経験者の場合は、面接では今後の成長性があるかを判断されます。自ら資格を取得するほど興味関心や熱意があると伝われば、「これからも積極的に行動したり学んだりして成長してくれる」と評価してもらえる可能性があります。

経験者の場合は、面接では「〇〇について勉強しました」「このような経験があります」と、エピソードをまじえてアピールすることもできますが、採用担当者としてはそれだけでスキルのレベルを判断するのは難しいでしょう。クラウドエンジニア向けの資格を取得すれば、どれくらいのレベルのスキルを持っているのか、どのクラウドサービスを扱えるのかなどを、はっきりと示せます。

「この資格を有しているため、この業務で活躍できる」と論理的に説明できれば、実力や将来性に期待してもらえるでしょう。

業務に必要な知識を体系的に学べる

クラウドエンジニアに必要な知識は、クラウドサービスやネットワーク、サーバー、セキュリティなどさまざまです。それぞれを個別に学ぼうとすると時間がかかったり、学習漏れが生じたりする可能性があります

一方、資格用の教材ならばインプットすべき知識が網羅されているため、必要な知識を無駄なく効率的に学べます。何から勉強し始めたら良いかわからない方にも、資格の勉強はおすすめです。

また、クラウドエンジニアとしての知識や経験をある程度は持っているつもりでも、実はまだ知らない知識がたくさんあるかもしれません。資格の勉強をすることで、これまでの業務では触れてこなかった領域にも触れられるので、新たな知識が習得できるでしょう。知識の幅を広げられれば、業務効率の向上やスキルアップ、キャリアアップが期待できます。

収入アップを目指せる

資格をアピールすることで、昇進やより待遇の良い企業への転職も目指せるでしょう。資格によって実力が評価されることで、任せてもらえる業務の範囲が広がる可能性があります。より広い範囲の業務をこなせるようになれば、その分経験値やスキルも上がり上流工程に携わるチャンスがつかみやすくなります

エンジニアの場合は、上流工程へキャリアアップすることで大幅な収入アップが期待できるため、その足がかりとして資格取得は有効です。また、企業によっては資格手当を支給している場合もあるので、待遇のアップも期待できます。

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クラウドエンジニアに必要なスキル

クラウドエンジニアとして働くには、「ITインフラ」「セキュリティ」「クラウド技術」の3つのスキルが必要です。以下では、3つのスキルの概要と、必要になる理由について紹介していきます。

クラウドエンジニアに必要なスキル

資格の取得へと進む前に、必要なスキルを整理しておきましょう。

ITインフラの設計・構築

ITインフラには、インターネット上のネットワーク・サーバーを使う「クラウド環境」と、自社にサーバーなどのハードウェアを設置する「オンプレミス環境」の2タイプがあります。近年は、オンプレミス環境からクラウド環境へ移行する企業が増えていますが、移行する際には両方のITインフラに関する知識が不可欠です。

クラウド環境では、クラウド上のサーバー設計・構築や、LAN・Wi-Fiなどのネットワーク設定などをおこなうスキルを身につける必要があります。オンプレミス環境ではITインフラの設計・構築のために、スイッチやルーター、ロードバランサー、ファイアウォールなど、物理的な機器の取り扱いスキルが必要です。

クラウド環境とオンプレミス環境のどちらかにしか携わらないのであれば、片方の知識だけで事足りるかもしれません。しかし、クラウド環境とオンプレミス環境の両方の知識をつけることで、近年増えているオンプレミス環境からクラウド環境への移行にもスムーズに対応できるでしょう

セキュリティ

クラウド環境にあるデータを安全に管理するために、セキュリティのスキルは欠かせません。クラウド環境はインターネットを介する都合上、第三者による不正アクセスのリスクが付きまといます。実際に、クラウド環境を導入するにあたって、セキュリティ面を懸念する企業は少なくありません。

セキュリティが脆弱な状態では、情報漏洩やサイバー攻撃、データ消失などのリスク発生率が高まってしまいます。特に、個人情報の漏洩は信用問題にもつながるため、多くの企業はセキュリティを重要視しています。

クラウド上のデータを守るためには、通信の暗号化やウィルスチェック、アクセス権の設定、二段階認証の実装、バックアップ環境の用意など、さまざまな対策が必要です。利用するサービスにはどの対策が適切かを考え、提案する力も求められます。高度なセキュリティスキルを身につければ、企業からも一目置かれるでしょう。

クラウド技術

クラウド技術とは、クラウドを用いたシステムの設計・構築をおこなうための技術です。クラウドサービスを用い、具体的な設計・構築をおこないます。

クラウドサービスにはいくつかありますが、代表的なものはAmazonの「AWS」、Microsoftの「Azure」、Googleの「GCP」の3つです。アメリカの調査会社の調査によると、それぞれのシェア率はAWSが33%、Azureが22%、GCPが10%で、3社だけで全体の65%を占めます。

クラウドエンジニアは、上記3つのうちいずれかのクラウドサービスを使ってシステムの設計・構築をおこなうことが多いため、それぞれの知識の習得は必須でしょう。どれから手を付けるべきか迷う場合は、シェア率がもっとも高いAWSの知識を身につけるのがおすすめです。

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【未経験者におすすめ】クラウドエンジニア向けの資格

IT知識やエンジニア経験のない方は、初級向けの資格から取得を目指しましょう。基礎的な知識を習得しておけば、より高度な内容も理解しやすくなります。

以下では、未経験者におすすめの資格を3つ紹介しています。いずれもしっかりと対策すれば合格できるので、ぜひ挑戦してみてください。

①基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催している国家資格です。ITエンジニアの登竜門と呼ばれており、すべてのエンジニアに役立つ基礎知識を体系的に学べます。

ITの基礎知識は、クラウドエンジニアにとっても必須です。クラウドの知識に特化した資格ではないものの、IT業界で活躍するための基礎を固められるため、未経験からクラウドエンジニアを目指すならまずは取得しておいて損はないでしょう

IPAの発表でも、合格ラインは正答率60%以上なので、IT未経験者でも十分合格できます。しっかりと対策して試験に臨みましょう。

試験内容 IT人材に必要な基礎知識に関する出題
試験方式 CBT方式(午前選択式/午後選択式)
試験会場 全国各地
試験時期 上期・下期の年2回実施
受験料 7,500円(税込)
出題数 午前:80問
午後:11問
試験時間 午前:150分
午後:150分

関連記事:基本情報技術者試験の攻略ガイド|日程から勉強方法まで完全網羅

②CCNA

CCNAはCiscoが主催する資格で、ネットワークやセキュリティの基礎、IPサービスなどについて学べます。ネットワークやセキュリティの基礎、IPサービスなどの知識は、クラウドエンジニアがシステムを設計・構築するにあたっても必要です。資格の勉強を通じて、クラウドエンジニアの業務に必要な基礎知識を学べるでしょう。

Ciscoの認定資格の中でも比較的基礎的な内容なので、未経験者でも取得が目指せます。

またCCNAは世界でも通用する資格であり、取得すればクラウドエンジニアだけでなく、ネットワークエンジニアも目指せます。CCNA取得のための講座を用意しているエンジニアスクールもあるため、取得を目指す場合は積極的に活用しましょう。

試験内容 ネットワーク・IP・セキュリティ・自動化に関する出題
試験方式 CBT方式(選択式+記述式)
試験会場 全国各地/オンライン
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 36,960円(税込)
出題数 非公開
試験時間 120分

関連記事:CCNAとは|試験の難易度から合格するための勉強方法まで紹介

③Linux技術者認定(LPIC/LinuC)レベル1・レベル2

Linux技術者認定はLPI-Japanが実施している、クラウドやオープンソースリテラシー、システムアーキテクチャなどのスキルが証明できる資格です。

未経験からクラウドエンジニアを目指す場合は、Linuxの勉強はクラウドサービスを扱うための土台作りとなります。LinuxはAWSなどのクラウドサービスで標準的に使われているOSなので、クラウドエンジニアとしてはぜひ取得したい資格といえるでしょう。

Linux技術者認定において、未経験者でも合格が目指せるのはレベル1とレベル2でしょう。合格率や合格点は明確に公表されていませんが、65~75%程度の正答率で合格となります。まずはレベル1にチャレンジして、Linuxやクラウド、インフラの基礎知識を身につけましょう。

試験内容 レベル1:Linuxサーバーの構築・運用
クラウドセキュリティの理解などに関する出題
レベル2:Linuxシステムの設計・構築
仮想マシンの管理などに関する(選択式+記述式)出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/自宅
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 16,500円(税込)
出題数 約60問
試験時間 90分

関連記事:LPICとは|取得で身につくスキルとメリットから勉強方法まで解説

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【中級者におすすめ】クラウドエンジニア向けの資格

基礎的な知識を学んで、実務経験もある程度積んだならば、中級者向けの資格に挑戦してみましょう。資格を取得すれば、自分のスキルや実務レベルを客観的に示すことができます。

以下では、クラウドサービスの認定資格を中心に、実務に役立つ資格を紹介していきます。クラウドエンジニアとして活躍するならクラウドサービスの知識は必須なので、ぜひ取得を目指しましょう。

①AWS認定

AWS認定試験は、Amazonが提供しているクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」の習熟度を認定する資格です。AWSはクラウドサービスの中でもっともシェア率が高いため、クラウドエンジニアにとって欠かせない資格といえます

試験レベルは3段階に分かれていますが、中級者向けなのは2番目に難易度が高い「アソシエイト」です。1年間AWSを使った経験者を受験者に想定しており、AWSを用いたシステムの構築やAWS活用法などについて問われます。

合格率は非公開ですが、合格点は1,000点満点中720点以上です。AWSを扱えるクラウドエンジニアはニーズが高いため、ぜひ挑戦してみましょう。

試験内容 AWSを用いたシステム設計・構築・運用に関する出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/オンライン
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 150 USドル
出題数 65問
試験時間 130分

②Microsoft Azure認定試験

Microsoft Azure認定試験は、Microsoftが提供しているクラウドサービス「Azure」の知識・スキルを習得していることを示す資格です。Azureはクラウドの中でもAWSの次にシェア率が高いため、クラウドエンジニアとしての仕事の幅を広げたい場合に挑戦すると良いでしょう

Microsoft Azure認定試験には種類がたくさんありますが、クラウドエンジニア中級者向けの資格は「AZ-204:Developing Solutions for Microsoft Azure」です。1~2年のAzure経験者を受験者に想定しており、クラウドに関する知識だけでなく、プログラミング能力なども求められます。

取得すればAzureを使った設計・開発、オンプレミス環境からクラウド環境への移行スキルが身につくため、ぜひ取得を目指しましょう。

試験内容 Azureを用いた設計・構築、保守などに関する出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/オンライン
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 23,213円(税込)
出題数 約50問
試験時間 180分

③Google Cloud認定

Google Cloud認定資格は、Googleが提供するクラウドサービス「GCP(Google Cloud Platform)」の知識・スキルが証明できる資格です。GCPはAWS・Azureに次いで高いシェア率を誇ります。クラウドエンジニアとして扱えるクラウドサービスを増やしたいのであれば、取得しておくべき資格でしょう

Google Cloud認定の中で中級者向けの資格は「アソシエイト」です。3段階ある試験レベルのうち2番目に難易度が高く、GCPの実務経験が6か月以上ある経験者を受験者に想定しています。出題内容はクラウド環境の設定や構成、実装、運用などです。

合格点・合格率はともに非公開なので、確実に合格するにはとにかく高い正答率を目指したいところです。GCPを用いたクラウドインフラの知識を習得したい人は、しっかり対策して臨みましょう。

試験内容 クラウド環境の設定や運用などの実務スキルを問う出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/オンライン
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 125 USドル
出題数 50問
試験時間 120分

④Alibaba Cloud 認定試験

Alibaba Cloud 認定試験は、中国のAlibaba社が提供しているクラウドサービス「Alibaba Cloud」のスキルレベルを認定する資格です。AWS・GCP・Azureに次ぐまでにシェア率を伸ばしており、昨今注目を集めています。今のうちに取得しておけば、将来的により市場価値の高いクラウドエンジニアとして評価される可能性があります

難易度は3段階に分かれており、中級者向けに該当するのが「ACP(Alibaba Cloud Professional)」です。ACPはさらに細かく試験が分かれていますが、クラウドエンジニアは「Alibaba Cloud Computing Professional」か「Alibaba Cloud Networking Professional」を受験すると良いでしょう。

試験内容 Alibaba Cloud製品やネットワークなどに関する出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/オンライン
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 120 USドル
出題数 Alibaba Cloud Computing Professional:70問
Alibaba Cloud Networking Professional:100問
試験時間 Alibaba Cloud Computing Professional:90分
Alibaba Cloud Networking Professional:120分

⑤CompTIA認定資格

CompTIA認定資格は、特定のベンダーや製品に依存しない資格を提供するCompTIAによって開催されている資格試験です。国際認定資格であり、取得すればITの実践力や応用力を客観的に証明できます。ITへの知見が深いクラウドエンジニアとして、評価の対象にもなるでしょう。

CompTIA認定資格には複数の種類がありますが、クラウドエンジニア向けの資格は「CompTIA Cloud+」です。クラウド設計やセキュリティ、トラブルシューティング、運用などのスキルが習得できます。2~3年の業務経験があるエンジニアを受験者に想定しており、ネットワークやサーバーなどの知識も問われます。

クラウドについての知識を広く身につけたい方は、取得を目指してみてください。

試験内容 クラウド全般に関する出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/オンライン
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 43,681円(税込)
出題数 最大で90問
試験時間 90分

【上級者におすすめ】クラウドエンジニア向けの資格

クラウドエンジニアとしてさらにスキルアップしたい方は、上級者向けの資格に挑戦してみましょう。上級者向けの資格は専門性が高く取得も大変ですが、能力が高く評価され、年収アップも期待できます。

以下では、難易度が高い資格を5つ紹介していきます。クラウドエンジニアとしてさらなるスキルアップや年収アップを目指したい方は、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。

①Linux技術者認定(LPIC/LinuC)レベル3

Linux技術者認定のレベル3の試験はプロフェッショナル向けの資格で、Linux技術者認定の中では最高難度です。混在環境でもシステム設計ができることが証明できる「300試験」、安全なセキュリティ設計のスキルが証明できる「303試験」、仮想化・高可用性システムの構築スキルが証明できる「304試験」の3つに分かれています。認定の条件は、いずれか1つに合格すること、レベル2の認定を受けていることの2つです。

Linuxは多くのクラウドサービスで標準的に使われているOSです。Linux技術者認定(LPIC/LinuC)レベル3に合格すれば、さまざまな環境において高度なクラウドシステムの設計・構築ができる証明になるでしょう

試験内容 Linuxのシステム設計・セキュリティ・仮想化などに関する出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/自宅
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 16,500円(税込)
出題数 約60問
試験時間 90分

②AWS認定 ソリューションアーキテクト プロフェッショナル

AWS認定 ソリューションアーキテクト プロフェッショナルは、AWS認定試験の中でもっともレベルの高い資格です。AWSのシステム管理・運用の実務経験が2年以上あるエンジニア向けの内容なので、合格には高いスキルが求められます。クラウドエンジニアがAWSを扱うための高度な技術レベルにあることが証明できる資格のひとつです

合格点は1,000点満点中750点以上で、中級レベルのアソシエイトよりも30点ほど高くなっています。AWSだけでなく、ほかのOSやスクリプト言語など幅広い知識が求められますが、より広域的な考え方を身につけられるため、挑戦する価値は非常に高い試験です。

試験内容 AWSを用いたシステム設計・構築・運用に関する出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地/オンライン
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 300 USドル
出題数 75問
試験時間 180分

③情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士はIPAが主催しており、情報セキュリティの知識・スキルが証明できる国家資格です。クラウド上のデータを安全に管理するには情報セキュリティのスキルが欠かせないため、取得すればクラウドエンジニアの業務において非常に役立つでしょう

IPAが公表している資料によれば合格率は19%前後で、6割以上の正答率で合格となります。データベースやネットワーク、セキュリティ、サービスマネジメント、システム監査など、非常に幅広い分野から出題されるため、十分な対策が必要です。

情報処理安全確保支援士は独占士業として認められており、取得すればさまざまな場面でアピールできます。信頼性も高いため、キャリアアップや年収アップも期待できるでしょう。

試験内容 情報セキュリティに関する出題
試験方式 午前試験:多肢選択式
午後試験:記述式
試験会場 全国各地
試験時期 毎年4月・10月
受験料 7,500円(税込)
出題数 午前Ⅰ:30問
午前Ⅱ:25問
午後Ⅰ:3問中2問解答
午後Ⅱ:2問中1問解答
試験時間 午前Ⅰ:50分
午前Ⅱ:40分
午後Ⅰ:90分
午後Ⅱ:120分

④CCSP認定試験

CCSP認定試験は、クラウドセキュリティの設計・実装・運用などのスキルが証明できる資格です。クラウドの概念やセキュリティオペレーション、法律などについての知識も身につけられます。クラウドセキュリティの知識全般をより深めたいクラウドエンジニアにおすすめです。

受験自体は誰でもできますが、認定までのハードルが非常に高い資格となります。試験に合格することはもちろん、ITに関する業務経験が5年以上あること、無作為におこなわれる業務経験に関する監査に合格することなど、7つの要件を満たすことが認定の条件です。

すでにクラウドセキュリティに従事しており技術を極めたい人や、国際的にも通用する資格を取得したい人は挑戦してみてください。

試験内容 クラウドセキュリティの知識全般に関する出題
試験方式 CBT方式
試験会場 全国各地
試験時期 年中実施(会場により実施日は異なる)
受験料 599 USドル
出題数 150問
試験時間 240分

⑤ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験はIPAが主催する国家資格で、ネットワークの開発や運用などに関する知識が習得できます。単なる知識だけでなく応用力も問われるため、難易度は高い資格です。クラウドに特化した資格ではありませんが、取得すればネットワーク全般に関して知見が深いクラウドエンジニアとして評価されるでしょう

合格するには、4つある試験すべてで6割以上正答する必要があります。IPAが公表している資料によれば、合格率は13~15%程度と低めです。また、すべての試験を1日で実施するため、最後まで集中力を保てるかが合格のカギとなるでしょう。なお、条件を満たせば午前Ⅰの試験は免除できます。

マネジメント力やコンサルティングについての知識も学べるため、合格すれば上位工程に携われるでしょう。クラウドエンジニアとしてキャリアアップを目指す方におすすめです。

試験内容 ネットワークの設計・開発・運用などに関する出題
試験方式 午前試験:多肢選択式
午後試験:記述式
試験会場 全国各地
試験時期 毎年4月
受験料 7,500円(税込)
出題数 午前Ⅰ:30問
午前Ⅱ:25問
午後Ⅰ:3問中2問解答
午後Ⅱ:2問中1問解答
試験時間 午前Ⅰ:50分
午前Ⅱ:40分
午後Ⅰ:90分
午後Ⅱ:120分

関連記事:ネットワークスペシャリスト試験とは|難易度から勉強方法まで紹介

クラウドエンジニアが取得すべき資格の選び方

クラウドエンジニア向けの資格を13個紹介してきましたが、どれを選んだら良いか迷う方もいるでしょう。現在の自分のスキルやトレンド、目的などによって、取得するべき資格は異なります。しっかりと検討せずに勉強する資格を選ぶと、スキルレベルが合わなかったり、合格までモチベーションを保てなかったりするでしょう。

クラウドエンジニアが取得すべき資格の選び方

以下では、資格の選び方を3つのポイントに分けて紹介していきます。

最初は基礎的な資格を選ぶ

エンジニアとしての知識やスキルが乏しい場合は、基礎的な資格の取得から始めるべきです。クラウドエンジニアに必要な専門的知識を身につけることも大事ですが、いきなり難易度の高い資格に挑戦しても、内容は頭に入らないでしょう

基礎的な資格ならばITの基礎知識を広く学べるため、これからIT業界での仕事にチャレンジするための最初のステップにできます。基礎を固めておけば、今後専門的な知識を学ぶ際もスムーズでしょう。

先ほど紹介した「基本情報技術者試験」ならばIT全般の基礎知識が、「Linux技術者認定」ならばAWSなどを扱う際にも必要になる知識が、「CCNA」ならばネットワークの基礎を身につけることができます。いずれもクラウドエンジニアに必要な知識を学べるため、興味のあるものからチャレンジしてみましょう。

トレンドを考慮した資格を選ぶ

古い知識や需要のない知識を身につけてもあまり役に立たないため、トレンドを考慮して資格を選ぶ必要があります。クラウドエンジニアの業務に深くかかわり、今後も需要が伸びる可能性があるのは、AWS・Azure・GCPにかかわる資格です。

シェア率が65%にも及ぶ3大クラウドサービスであれば、今後もそのサービスは広く使われるはずなので、簡単に職を失うこともないことが予想でき、今後さらにシェアが広がればその分多くの企業から評価されるようになります。将来的に転職を目指そうとした際にも、選択肢を増やせるでしょう。

また、最近では中国国内のクラウドサービス「Alibaba Cloud」も注目を集めています。中国はIT大国なので、今後は中国へビジネス展開する企業も増えるでしょう。中国ではAWSなど国外のクラウドサービスは使用できないため、ビジネス展開するならAlibaba Cloudのスキルは必須です。シェア率も伸びているため、今のうちに取得しておけば、将来役立つでしょう。

自分の目的・目標に合った資格を選ぶ

足りていないスキルや目指したいキャリアを考慮して、自分の目的・目標に合った資格を選ぶことも重要です。たとえば、将来的にクラウドエンジニア以外のキャリアも検討したいなら、ネットワーク全般の知識を深めるために「CCNA」の取得を目指すのが良いでしょう。今よりも上流工程に携わりたいのであれば、マネジメントやコンサルティングについても学べる「ネットワークスペシャリスト」はぜひ取得しておきたい資格です。

また、企業によってクラウドエンジニアに求めるスキルが異なる場合があります。転職を考えている場合は、希望する企業が必要としているスキルを身につけられる資格を取得すると良いでしょう

クラウドエンジニア向けの資格に合格するための勉強方法

難易度が易しい資格であっても、しっかり勉強しなければ合格は難しいでしょう。正しい勉強方法で進めないと、合格まで遠回りになってしまう恐れがあります。

クラウドエンジニア向けの資格に合格するための勉強方法

ここでは、クラウドエンジニア向けの資格に合格するための勉強方法を紹介します。これから資格の勉強を始める方は、ぜひ参考にしてください。

試験日を決め、逆算して学習計画を立てる

自分で試験日を自由に設定できる資格の場合は、最初に試験日を決めましょう。試験日を決めておかないと、勉強がだらだらしたものになってモチベーションを維持できません。より集中して学習に取り組めるでしょう。

試験日が決まったら、逆算して学習計画を立てます。1日のうち、どれくらいの時間を試験勉強にあてれば良いのか、どれくらいのペースで参考書や過去問をこなせば良いのかなどを考えましょう。

予備日を設けてスケジュールに余裕を持たせておくと、多少予定が狂っても対応できます。以下に、3ヶ月後(13週間後)が試験日の場合の学習スケジュール例を挙げてみます。

学習方針
1〜3週間目 参考書を使ったインプット
4〜10週間目 参考書を使ったインプットと
過去問を使ったアウトプット
11〜12週間目 過去問を使ったアウトプット
13週間目 予備期間

インプットとアウトプットをバランスよくおこなう

資格の勉強をする際は、参考書などによるインプットと、問題集で知識を確認するアウトプットをバランスよくおこないましょう。参考書などの内容を完璧に覚えてから問題を解こうとする人は多いですが、その場合はインプットに時間がかかりすぎてしまう傾向にあります

最初のうちは、参考書をざっと最後まで読み、内容を軽く頭に入れる程度で問題ありません。実際に問題を解いてみて、わからなかったところ、疑問に思ったところを参考書で復習する方が、内容が頭に入りやすくなるでしょう。参考書や問題集を何周もすれば、記憶に定着しやすくなります。

また、仮想サーバーを構築するなど、自分の手を動かすアウトプットも有効です。実際に何かを作ることでより理解が深まり、実践的なスキルも身につけられます。

過去問で試験の傾向をつかむ

資格試験に合格するためには、過去問で試験の傾向をつかむことが重要です。試験問題は過去問を一部改変したものが出題されるケースも多いため、なるべくたくさんの問題を解くのがおすすめです。少なくとも3~5回前、できればそれ以上前の過去問を解き、頻出分野や出題傾向を把握しましょう。過去問は資格試験の公式ホームページに掲載されている場合もあるため、確認してみてください。

また、過去問を解くことで、自分の苦手分野も知ることができます。苦手分野が明らかになったら、試験本番までに克服しておきましょう。

試験直前には、本番と同じ形式で過去問や模擬演習を解くのがおすすめです。時間配分や問題量の感覚をつかめるため、本番で焦らずに済みます。

独学が難しい場合はエンジニアスクールを活用する

「独学ではモチベーションが維持できない」「わからないことがあったときに相談したい」という人には、エンジニアスクールを活用するのがおすすめです。スクールではカリキュラムに沿って体系的に学習できるため、学習効率がアップします。動画教材を提供してくれるスクールもあるため、参考書では学習に飽きてしまう方にもおすすめです。

またスクールなら、疑問点があれば講師に質問できます。わからないことが多いと途中で挫折する可能性が高くなるため、すぐに相談できる環境は大切です。疑問が解決して知識が定着する感覚は、モチベーション維持にもつながります。

現場での活躍経験がある講師なら、実務で役立つ知識を教えてくれるかもしれません。効率良くさまざまな知識を身につけたい場合は、スクールの活用を検討してみましょう。

資格を取得してクラウドエンジニアとして活躍しよう!

自分のレベルや目的に合った資格を取得することで、クラウドエンジニアに欠かせない知識を身につけたり、足りないスキルを補ったりできます。資格は就職・転職や昇進、キャリアチェンジにも役立つので、ぜひ取得しましょう。

独学で資格取得を目指す自信がない場合や、モチベーションが維持できず挫折してしまう場合は、エンジニアスクールの活用もおすすめです。必要な知識を効率良く学べて、短期間での合格を目指せるので、ぜひ資格とあわせてエンジニアスクールもチェックしてみてください。

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記事の監修責任者

飯塚 寛也

エンジニアとして移行調整・NW更改作業・クラウドシステムの設計・構築等を手掛ける。 入社2年目でネットワーク最高資格であるCCIEの筆記試験に合格。 人材開発室にてCCNA/CCNPの勉強会を50回以上開催、100名以上の合格者を輩出し、スクール事業の礎となる。
監修責任者からのメッセージを読む
株式会社アプエンテ 職業紹介責任者(010-190717133-004) 情報処理技術者試験 ネットワークスペシャリスト試験(第NW-2021-04-00112号) Cisco認定試験 CCNP Enterprise 認定/CCNA

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